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Whare are we now?

ロードマップとロードマッピングを同じものではない。似ているが異なる。

ロードマップは関係者がある瞬間に捉えた未来の地図だ。どんなに精密に描いても時の流れとともに現実からは外れてしまう静的な地図だ。

一方、ロードマッピングはその地図を関係者で創造していく行為だ。新たな景色が見えれば修正を加えていく行為を含む。それは未来に関する対話そのものといえる。ロードマッピングは、対話を通して関係者が以下の3点について意識を共有していく行為にほかならない。

・Where are we now?
・Where we want to go?
・How we get there?

対話を通して関係者が3つについての意識を共有しておくことがとても大切なのだ。

ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』にこんなシーンがある。

`Would you tell me, please, which way I ought to go from here?'
`That depends a good deal on where you want to get to,' said the Cat.
`I don't much care where--' said Alice.
`Then it doesn't matter which way you go,' said the Cat.
`--so long as I get SOMEWHERE,' Alice added as an explanation.
`Oh, you're sure to do that,' said the Cat,
`if you only walk long enough.'

Lewis Carroll, "ALICE'S ADVENTURES IN WONDERLAND"

2人の会話の通り、どこにいくべきかはどこに行きたいかに依存する。

どこに行きたいのかを気にしないのであれば、チェシャ猫のいうとおり、いつかはどこかにつくだろう。どこに行きたいかはとても大切なことなのだ。

しかも、どこに行くとか、どうやって行くとかの前提にになるのは、自分たちがどこにいるかがちゃんとわかっていることだ。新幹線で大阪に行くと決めたとしても、あなたはもしかしたら奄美大島にいるかもしれない。もし奄美大島にいるのであれば、どこに行きたいかも、どうやって行くかも大きく揺らいでしまう。対話を通して自分たちがどこにいるかをきちんと考えることこそ一番大切なことなのだ。

チェシャ猫はそんなことを思い、ニヤニヤと消えていったのかもしれない。

`All right,' said the Cat; and this time it vanished quite slowly, beginning with the end of the tail, and ending with the grin, which beginning with the end of the tail, and ending with the grin, which remained some time after the rest of it had gone.

Lewis Carroll, "ALICE'S ADVENTURES IN WONDERLAND"

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