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2023年に映画館で観て良かったやつ

アルバムもやったから、映画も残しておきます。まどろっこしいので、1位からいきます。タイトルに公式サイト等のリンクを貼っています。サブスクで観られるのもあるかも。

正欲

朝井リョウ原作。個人的に朝井リョウが好きなのもあるけど、間違いなく傑作。「お前が相手を理解したふりをしていることなんて上っ面だけだよ」とぶん殴られたような感覚。正しいってなんだったけか。新垣結衣の淡々と鬼気迫る演技が良かった。目が死んでる演技をもっと受けてほしい。

怪物

是枝裕和監督、坂元裕二脚本。脚本が凄まじい。『正欲』と根幹は同じテーマだと思っていて、「自己の正義や清廉潔白さを持ちながら、相手を理解したつもりですか?」と問いかけてくるような。「怪物、だーれだ?」というコピーの通り、誰もが誰かにとっての怪物らしい。
ラストの捉え方で感想が大きく変わりそうだけど、それも含めて良かった。坂元裕二、もっと映画脚本を書いてくれ。

BLUE GIANT

ジャズ漫画の金字塔がアニメ映画化。綺麗な映像、バカでかい音…映画館で観る醍醐味が凝縮されまくってる。作品自体の熱さは原作の通りとして、上原ひろみ書き下ろしの曲がベストマッチ過ぎる。

リバー、流れないでよ

『ドロステのはてで僕ら』を作ったヨーロッパ企画の長編映画第二弾。いわゆるループものなんだけど、まさかの2分間でループをし続ける作品。テンポ感の良さが妙味。てんやわんやのコメディなんだけど、確かに本当にループをしたら、人間ってこんな感じになっちゃいそう。気軽に笑えてちょっと泣ける。ちゃんと1カットが2分ずつなのも良い。撮影は大変だっただろうけど。

ジョン・ウィック コンセクエンス

ジョン・ウィックは面白いに決まっているし、キアヌ・リーブスは当たり前に格好良い。最先端のアクション映画で、「アクションが綺麗」と思ったのは初めてかもしれない。180分のジェットコースター的なテンポの良さは、今年一番のエンターテイメント!

CLOSE/クロース

ベルギー映画。同じ中学校に入学した2人の幼馴染とその関係性の機微を描いた作品。小さくて優しい世界で楽しんでいた2人が、社会に出された瞬間に、関係性に名前を付けられて、謂れのない非難を受けて、絶望してしまうこと、疎遠になってしまうこと、現実でも多々あるんだろうなと思わされる。

アイスクリームフィーバー

川上未映子『アイスクリーム熱』の実写化。原作を読んでると、「吉岡里帆・モトローラ世理奈のW主演」に違和感を覚えるけれど、上手く纏まっていた印象。アートディレクターの千原徹也の初監督作品ということもあり、とにかく映像が綺麗。ごりごりに美しい。エモいと評して良いのか。
あと主題歌の『氷菓子』(吉澤嘉代子)が本当に良い。

aftersun/アフターサン

11歳の娘が父親と2人で過ごした夏休みを、その20年後に(父親と同じ年齢になった)娘の視点で回顧する話。余白が多く、いわゆる「観る人解釈次第」な作品だけれど、不器用な父親の苦悩やもう会えない人への感情が大きく映し出されていたような。

君たちはどう生きるか

宮崎駿最新作。正直、よく分からんかった。でもなんか良かった。それは宮崎駿だから…みたいな権威に負けているのかもしれないけど。宮崎駿の自伝的な要素が多く、過去作のオマージュも多かった。なぜかラピュタやナウシカを初めて観た時の感動を覚えて2回も観た。自分でも分かりません。

パーフェクトブルー(4Kリマスター)

今敏監督初作品がリマスターで復刻。1998年の作品なので入れるか迷ったけど、あまりに良かったので…アニメ映像が1998年時点でこんなに綺麗だったのかという驚きが強い。
主人公の女性アイドルとその周りを描いた作品で、熱狂的なファンや誹謗中傷から自分を見失い、現実と虚構の境が不明瞭になる様を描くのが異様に上手い。観てる側も、「これは現実?虚構?」となるのに最後はまとめ上げられる構成力も異常。(※バイオレンスな映像が多い)
2024年は『千年女優』が映画館で流れるようなので、観に行きます。

こんな感じ。あまり観れていないので逃している作品も多くありそう。『PERFECT DAYS』『窓ぎわのトットちゃん』『市子』とかの12月公開の映画も全く観られていないから、観たら全然変わるかも。

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