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キース・ヘリング〜ストリート・アート・ボーイ〜

"アートはみんなのものだ 身近にあるべきだ"

今回、MadeGood.filmsさんからのご案内でオンライン視聴させて頂いたのが、「キース・ヘリング〜ストリート・アート・ボーイ〜」
https://www.madegood.com/keith-haring-street-art-boy/

https://filmarks.com/users/setsuzokusettei
いつもは「Filmarks」の方に感想を書くのですが、今回はそっちに作品登録が無かったため、noteで。

▼はじめに

キース・ヘリングというアーティストは、世界的に有名で、多くの人がその作品を一度は目にしたことがあるんじゃないかなと思う。

とはいえ、実際どんなアーティストだったかは、80年代のムーブメントに関心があった人ならともかく、それ以降、あるいはそれ以前の人にとっては、そんなに詳しくは知らなくてもおかしくはない。

かくいう僕も、キース・ヘリングの作品は、CDのジャケットとか、Tシャツのデザインとかで、ちょっと見たことあったかなという程度だった。

今回、MadeGood.filmsさんからのご案内で、キース・ヘリングの半生を知れる「キース・ヘリング〜ストリート・アート・ボーイ〜」のご紹介を頂いたのを良い機会に、ぼくと同様に、キース・ヘリングあるいは、その作品を見たことある、あるいは名前程度は知っている方が、興味を持って、この作品を見て頂けたらいいなという体裁で感想を書こうと思います。

▼キース・ヘリングって?

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詳細はウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%98%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0

ざっくり搔い摘むと

・80年代のストリートアーティスト(壁の落書きのようなアートする人)
・敷居の高いアートを、人々の身近にするという革命を起こした
・エイズで亡くなり、撲滅活動に社会的貢献をした
・躍動感のあるシンプルな太いタッチで、人や犬の絵を描く

…と、まあこんな感じ

今回のドキュメンタリー映画の中では、31歳という短い生涯を、子供のころから振り返り、知人関係者のインタビュー視点を踏まえて、一時間程度でわかりやすく見ることができるという、非常にユーザーライクに作られているため、ドキュメンタリー映画では手軽に見れる方だなという印象。

▼映画の感想

キース・ヘリング自体について書いちゃうと、あんま意味無いので、詳細知りたい方は映画見て頂いて、ここでは映画の内容というよりも、見て感じた感想を書こうと思います。

80年代という治安の悪いニューヨークで、ストリートアート、パンクロック、ドラッグ、ベトナム戦争、ヒッピー、エイズと、まさにその時代を象徴としながら、炎のように駆け抜けた人だったんだなあというのが、全体的なイメージの印象。
その上で、やはり印象に残ったのが
「アートはみんなのものだ 身近にあるべきだ」というところ。

前述のとおり、僕自身もキース・ヘリングの作品は、展覧会などではなく、CDジャケットやTシャツという「商品」で最初に出会った。
この辺りが、所謂 敷居の高くて理解しがたい、"従来のアーティストのイメージ"とは、大きく違うところ。

2020年代の今は、Youtuberだとかインスタグラマーが有名だけれども、まだそれらが無い、80年代に、その先駆けを作った人なんだなと改めて感じた。
ストリートだけでなく、ニューヨーク中の駅の黒板に描くアートは、誰もが見ることの出来るものであり、一つの作品をこだわって描くよりも、とにかく描きまくるという姿勢は、「あぁ、これ今の時代のやり方だわ」と、思わず合点をしてしまう。

元より、一晩で4作品も仕上げるほどの早さを持っていたキース・ヘリングだったけれども、彼の感じていた"時代は早い"という感覚は、何も2020年代の今に改めて生まれたものでもなく、もうとっくの昔から、時代は早かった。
しかしながら、彼の出身は、そんな世界とは隔絶した、ゆっくりペースの街であり、幼い頃に何かの影響を受けたというよりも、キース・ヘリングは、アメリカでいうところの"ギフト"だったのかなと思う。
情熱の加速装置として、ドラッグやサイケデリックな感覚も出てきていたけど、行動的なキース・ヘリングとは裏腹に、インタビューに答える良心は、実に牧歌的な印象だった。

映画の中で度々、キース・へリングにとってアートは"人々とコミュニケーションするもの"だとか、"アートは人々のもの"だとか、"本能的に他者との対話を求めていた"等と出てくるが、これについては、何もキース・ヘリング独特の感覚というよりも、やはり前述のように、僕達が今現在、TwitterをはじめとするSNSなどで、全人類発信者、全人類クリエイターと化している状態だと、すごく合点がいくもので、僕達がSNSで写真やイラストを通じてコミュニケーションをしている基盤は、キース・ヘリングによって生まれた(オープンになった)と思うと、映画見るまで大して知らなかったけれども、キース・ヘリングに共感や感謝の念すら滲みだしてくる。

今自分達の行いの一部を築いた(であろう)、超有名アーティストのことを、今さら知って申し訳ないなあと思いつつ、今度機会があれば、キース・ヘリングの展覧会に足を運んでみようかなと思う作品でした。

楽しい創作、豊かな想像力を広げられる記事が書けるよう頑張ります!