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賃貸選定+引っ越し 虎の巻

最初に

東京に住んで8年目のNPOSです。
東京で4回の引っ越しを挟んである程度引っ越しに慣れたので、備忘録として引っ越し虎の巻でも残します。
以下、東京に住んでる社会人を想定です。


前提知識

賃貸で部屋を借りる際、基本的に3者が関わってくる。

  • オーナー(大家)
    物件を所有している人。この人がお金を出して物件を買って運用している。

  • 不動産管理業者
    オーナーの代わりに物件を管理している人。入居者の管理や集金、問題対応など。オーナーが兼任していることもある。

  • 不動産仲介業者
    物件を紹介してくれる人。賃貸借りるときに基本的にここが窓口になって管理業者と契約のやり取りをしてくれる。SUUMOなど物件情報サイトから連絡するところはここ。

この関係が分かってないと、どこと何を契約してるのかぐちゃぐちゃになるし、後々揉めた時大変なことになるので覚えておくとよい。
基本的には入居時に仲介業者、その後賃貸周りの相談は管理業者に連絡することになる。

フロー

賃貸選定

  • 住みたい地域を選ぶ
    東京は住みたい地域が定まらないといくらでも似たような物件が見つかる。 最初に下記要素を元に住みたい場所を決めること。

    1. 通勤時間
      東京では平均片道59分らしい。好みの通勤時間を選ぶこと。要素は以下に分かれる。

      • ドアtoドアで何分かかるか

      • 乗り換えは何回か

      • 電車/バスに乗る時間は何分か

      • 歩きは何分か

    2. 沿線
      東京だと電車移動がメインになるので、近場がどの沿線かはかなり重要。
      23区内であればハブ駅が近くにあると便利だが、そこまで乗り換えが発生すると途端に移動が億劫になる。
      電車通勤であれば、会社まで乗り換えなしかつ近くにハブ駅がある地域をおすすめしたい。

    3. 地域の好み
      東京は場所によって人の気質が全然違うため、足を運んでみて好きな場所を選んだ方が良い。自分はオタクなので池袋、秋葉原あたりが好き。

  • 限界まで条件を絞って選ぶ
    最終的に「お目当ての物件が1,2件しかなくなってしまった」ぐらいの状態で仲介に連絡を取るのがベスト。仲介に訪れた際に条件に合う物件を探してくれる。また、仲介しか見れない「レインズ」という不動産情報サイトがあり、そちらのほうが情報が多いため仲介に任せるのもあり。 NPOSが2023/8引っ越しの条件として選んだのは以下。

    • 構造:RC(鉄筋コンクリート)造
      なお、RC造には「RCラーメン構造」と「WRC造」があり、全面コンクリートで覆われる防音性の高いタイプは「WRC造」。こちらはSUUMOなどでは確認できないため、仲介と確認すべし。

    • 間取り:1K
      後述だが洗濯機と寝室の間に壁があるところが良い。

    • 築年数:20年以内

    • 賃料:9万円以内(管理費込み)

    • 職場からの距離:徒歩20分以内

    • その他

      • バストイレ別

      • ウォシュレットつき

      • 角部屋

      • 1階、または最上階

  • 仲介業者+内見に行く
    ここまで条件を設定すれば物件は数件に絞れているはずなので、SUUMOなどから確認できる仲介に内見の依頼を送付する。
    引っ越し関連で最も中抜きされてるのは仲介のため、いかに良い仲介を見つけるかが値引きの肝だが、僕は過去の経験からめんどくさくなってしまいSUUMO記載のところにそのまま連絡した。仲介手数料安くしてくれるところが良いよ多分。

    仲介に出向くと、物件について一緒に探してもらいつつ何件が候補が出てくるので、数件に絞って内見に向かう。
    内見で確認しておくべき項目は以下。

    • 部屋の寸法
      メジャー持って行ってcm単位で計ると便利

    • 部屋の雰囲気

    • 防音性能
      手を叩いて反射が多いか。壁は固いか。ドア・壁からの音漏れはどの程度か。

    • 洗濯機が入るか
      洗濯槽と途中の扉の寸法を測る。

    • 室外、隣室の騒音

ここまででお目当ての物件があれば、内見から仲介業者のところへ戻って契約手続きとなる。

引っ越し

引っ越し全体に関するフローは正直似たか寄ったかだと思うので省略。スケジュール立てて粛々と行えば問題ないはず。
こちらにガントチャートを引いておいたので参考にどうぞ。

Tips

以下、賃貸関連で覚えておいた方が良いTipsです。

賃貸

  • 東京の賃貸は高い
    1Rに6万円かかるとかザラ。それに対して「正気か???生活できないが???」という気持ちになってしまうと、家賃3万円代のボロアパートをひたすら検索して良い物件が無いか見てしまうが、そんなものはない。 ある程度良い部屋に住みたければ、身銭を切るのは覚悟すべし。
    ただ、これぐらいの覚悟を持てば安い賃貸でも良さそう。

  • あくまで借りているという意識をもつこと
    いくらでも汚していい実家ではないということを肝に銘じて、綺麗に使わないとあとで退去時の精算が大変なことになる。

  • 会社から遠い物件は不幸になる
    長時間通勤は肉体・精神共に疲弊する。新人時代は体力もあり良いかもしれないが、年単位でボディブローのように効いてくる。
    遠くとも片道1時間以内が良い。1時間あれば23区内であれば大体移動できる距離。
    体験談として一時期八王子に住んでいたが、通勤片道1時間40分、中央線から東京駅でバスに乗り換えという地獄を経て嫌になった。

  • ロフトはやめとけ
    ロフトはデメリットがメリットを大きく上回るためやめておけ。 以下3年住んだ際のメリットとデメリット。

    • メリット

      • 空間を活かせる

    • デメリット

      • ロフトに上がるためのはしごが邪魔

      • 昇り降りが面倒

      • ロフト部分の掃除が面倒

      • エアコンの利きが悪い(天井が高いので)

      • 夏は暑い

      • 照明が近いのでまぶしい

      • 天井が近いので圧迫感がある

  • 1Rは洗濯機の音がキツい
    新人時代は給料の関係で1Rに住まざるを得ないかもしれないが、洗濯機が同じ部屋に存在するときのうるささと言ったらない。洗濯槽が回ってる間は作業中断して外に出かけようと思うレベル。お金があるのであれば、洗濯槽とは一部屋別れたところが望ましい。

  • ドラム式洗濯機は案外置ける
    最近の防水パンは64x64cmが最小サイズのため、ドラム式洗濯機を置くと前後左右が詰まった設置になってしまって横からホースが出せないことがある。その場合は真下排水が可能か確認して設置してみると案外置ける。

  • オーナーが管理も兼ねているタイプの物件は地雷
    オーナーが週末掃除に来る、管理業務として直接電話してくるタイプの物件に住んでいたことがあったが、我が強く最終的に敷金を受け取れない問題に発展した。
    オーナーと管理会社が別々で普段顔を合わせないという物件がベスト。 (なお、サンプル数1のクソデカ主語)

  • ファミリータイプの光回線は工事が長引く場合がある
    マンションタイプの場合はすでに回線が部屋に引かれているため入居後即使用可能だが、ファミリータイプの場合は工事が必要で連絡が長引き合計で一か月ちょいかかった。
    以下、工事業者から管理会社に確認をお願いされた内容。

    • ファミリータイプのネット回線を引いて問題ないか

    • 穴あけ等の工事が可能か

    • 管理会社、担当者の名前、電話番号

    • 階数、部屋数

    • 工事許可申請が必要かどうか。必要であれば申請方法の確認。また、その際の管理会社のフォーマット

    • 工事業者が入るのに入館許可申請が必要か。必要であれば申請方法の確認

    • 共用部(MDF)の鍵の借用が必要か。必要であれば手配方法の確認。不要であれば不要理由の確認

    • 管理会社や管理人都合で工事できない時間帯曜日があるかどうか

    • 工事図面の送付。希望あれば郵送先の住所、宛名

  • 不動産仲介は基本的にどの物件も紹介できる。
    前述したが、不動産仲介は「レインズ」という共通のデータベースから物件を紹介可能なため、SUUMOなどで担当会社として記載されていなくても紹介してくれる。

  • 初期費用はざっくり家賃の4~5倍かかる
    物件によるが、敷金+礼金+仲介手数料+初月家賃+翌月家賃+その他細かい手数料、などで4~5か月分の家賃が契約時に必要。また、引っ越しで単身数万円、その他工事費用でさらにとられるため余裕を見て契約すべし。(1敗)
    または敷金と礼金無し物件にすれば初期費用が安くできるが、その場合は家賃が高めでランニングコスト的に結局高くつく可能性があるため慎重に選ぶこと。

    なお、交渉次第では初期費用を安くできる方法が散見される。 ただ、僕は精神的負担との兼ね合いでやらなかった。強気に行ける人はおすすめかも。 最近の物件は、火災保険とか夜間サポートとか諸々セットでないと契約不可という特約を書いてるところが多いのでゴネ損になる場合もありそう。

  • 家賃支払いは「前家賃」という制度がほとんど。
    翌月分を前月の月末(だいたい27日)に支払う制度のこと。
    初期費用としては、初月入居~月末+翌月分を支払うことになる。
    例えば、4/15入居であれば、4/15~4/30+5月分と1.5か月分を支払うことになる。初期費用が高くつく分、家賃の初回引落は5月末と翌月になるので若干余裕ができる。

  • 退去で過剰に請求されていると感じたときは連絡すること。
    ぶっちゃけた話、不動産関係では過剰請求が横行している。退去の請求書が届いたときにやたらクッションフロアやクロス張替えで金かかってると感じたときは、下記を参考に一度連絡してみること。
    「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について

    • クッションフロアは汚損部分があれば全面張り替え

    • クロスは汚損部分の一面張替え

    • クッションフロアは経過年数ごとに負担割合が減る

引っ越し

  • 5~8, 11~2月に引っ越ししろ
    この期間が閑散期で、物件も豊富で費用も安くなるのでおすすめ。

  • 引っ越し業者は一括見積はするな
    一括見積の翌日あたりからメールと電話がひっきりなしに来て鬱陶しい。1社に決めたらそこを継続して使えばOK。
    ただ、初めての引っ越しで今後使う業者を選定するために使うのはアリ。
    僕は引っ越し対応に人間味のあってなんとなく好きな感じのKIZUNA引越センターを使っている。赤帽も安くて良いと評判。

  • 仲介会社(+引っ越し業者)が勧めてくるサービスは使うな
    前提として、大して説明もしないのに「安くなる」「労力がなくなる」などで強引に丸め込んで追加で契約させようとしてくる。その場で契約しなくても問題ないものばかりなので、勢いに流されないほうが吉。
    以下いままで紹介されたサービス。

    • 引っ越し業者 (from仲介業者)
      特別な無料サービスが受けられるが、料金が安くなるわけではなくオプションが無料になるぐらいでしかない。それよりも仲介業者に情報が漏れる方が怖い。

    • 電気・ガス・水道の移行
      「ライフラインコンシェルジュ」というサービスにてインフラの移行を行ってくれると連絡が来るが、提携している会社内しか移行してくれない。
      体験談として、僕が東京電力で電気ガスまとめていたものを、オクトパスエナジーと東京ガスに変更させられそうになった。 「電気代が安くなる」と謡っているが、実際に自分の生活実態に照らし合わせて調べてみると大して安くならないし、新電力ということの説明も一切なく不安しかない。新電力の訪問販売と同じレベル。
      また、水道は全く関係ないのに、上記の電気ガス契約が通らないと水道も契約移行してくれない。結論、自分でやったほうが良い。

    • インターネットの移行
      「キャッシュバックキャンペーンで安くなります〜」とセールストークかましてくるがネット上でも同様のキャンペーンをやってるし、別に料金が特別安くなるわけでもなかった。

    • ウォーターサーバーの契約
      「12Lで2000円、500mlだと約80円なのでペットボトル買うよりもお得ですよ~」とセールストークをしてくるが、2Lだと320円なのでデカいペットボトル買ったほうが圧倒的に安い。
      ※説明聞いてただけなのに、いつのまにか契約する前提の話にすり替わったのは笑った。

  • 連休の1日目に引っ越ししろ
    ガス (場合によってはインターネットも) は立ち合いが必要になるが、引っ越し当日は都合上間に合わない可能性がある。仮に2日目に引っ越しして間に合わなかった場合、一週間冷水シャワー生活が待っている。冬場は地獄。 また、旧居の掃除も必要なため、1日目に引っ越し⇒2日目に立ち合い&旧居の掃除、がベスト。

  • 転出、転入はマイナポータルから手続き可能
    マイナポータルから転出・転入の手続きが可能。このうち、転出についてはマイナポータルで完全に完了、転入は住所書き換えなどが必要なため予約のみ入れて役所に出向く形になる。
    ※なお、転出で手続きに表示される「印鑑登録証の返納」に関しては、僕の自治体は自分で捨てても問題なかった(市役所に返納しに行ったらマイナポータルのイケてなさに職員が愚痴っていたレベル)。

その他

  • 源泉徴収票は保存しておけ
    賃貸契約時に必要になる。再発行となると会社に依頼する形になるので捨ててしまっていると急に慌てることになる。 というか引っ越しに限らず源泉徴収票は捨てるな。(1敗)

  • 水道のお客様番号は控えておけ
    隔月で送られてくる検針票に書かれているが、無いとネットで手続きができない。 ただ、無くても水道局お客様センターに電話すれば引っ越し手続き可能。

  • 賃貸に関する資料はちゃんと保管しておけ
    その賃貸に住んでいる間はほとんど見ることはないが、2年後とかふと退去の仕方を見たいなど必要な時が現れる。

最後に

8年目でやっと満足のいく物件に引っ越しができました。
音楽じゃんじゃん流しても外に全く響かないし、狭いけど工夫次第でなんとかなる、くらいの住んでで心地の良いところですね。

なにより、仕事場に電車で向かわなくて済むのが最高

引っ越しってお金かかるのでなかなか知見がまとまってこないなぁ~と思いつつ過ごしていたんですが、賃貸のトラブルに巻き込まれてから調べた関係で解像度が上がったので将来の自分あてに残しておきます。

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