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2024年3月の本棚

2024年3月に読んだマンガをまとめていきます。

  • このnoteは、noueが今月本棚に並べた(読んだ)マンガをまとめて記録した記事です。

  • あくまで自分用の個人的な読書記録なので、ネタバレ配慮等はありません。

  • 掲載順は基本的に以下の通りです。
    ①今月のサムネイル(お気に入り10冊+α)
    ②今月の1巻が出た作品【新】
    ③今月最終巻が出た作品【完】
    ④今月新刊が出た作品(概ね発売日順)
    ⑤過去作など

  • 書影掲載のため、便宜上Amazonのリンクを埋め込んでいますが、Amazonアソシエイトプログラム等のアフィリエイトリンクではありません。


【新・完】友人の式日 るぅ1mm作品集 / るぅ1mm(双葉社)

『怪物くん』などのるぅ1mm先生の傑作BL短編集。BLといっても絡みとかはない微L(微妙にBL)です。以下収録作4篇。

【ななしの恋人】下駄箱に入っていた送り主不明のラブレター。その正体は親友だった。──告白する勇気はなかったけど、別れる勇気はあった。

【幽霊屋敷ラブロマンス】除霊師の青年が悪霊の少年に一目惚れ。愛おしくて離れられなくて、寂しい。──死ぬまで続く、死んでも続く関係。

【フランケンシュタインの友人】天才博士の少年が作り出したたった一人の友人は、博士に恋をしてしまいました。──君のためならどれだけ自分を変えたっていい。

【友人の式日】表題作。死んだ友人が記憶を失くした幽霊として目の前に現れ、共に死因を探る夏。──未練は生きている人の特権だ。

4つとも男同士の話ですが、終始胸がいっぱいになりながら読んでいました。男と男だからかなー。でもなんかもうそういう性別とか関係なく、相手のことを想いすぎて想いすぎて苦しくなる感情が赤裸々に描かれていて、良いなぁ、、、ってなりました。(語彙力消失)

ちなみに「式日」とは「儀式を執り行う日」という意味。確かにどの作品も「霽れ」って感じの雰囲気でした(?)

るぅ1mm先生のXより引用

『友人の式日』自体にあとがきなどはありませんでしたが、るぅ1mm先生ご自身の同人誌『友人と恋人』で各話の後日譚(イチャイチャ多め)と各話解説、あとがきが読めます。短編集の各話解説読むの本当に好き。


バースデイ / るぅ1mm(KADOKAWA)

るぅ1mm先生の過去の商業短編集。生死についてのあたたかな話から殺伐とした話まで9編+おまけ4コマを収録。【オバケくん】と【アヤメ2号】が特に好きでした。

「この世界のすべてのものに生まれた日がある」人間はもちろん、この世のありとあらゆる”もの”たちへ愛あるまなざしを。そんな慈愛に満ち溢れた読後感でした。


【新】バードランドの皿 1 / 勝田文(集英社)

コックのバイトをクビになり、愛犬も亡くしてしまった主人公・サラの前に現れた長身長髪髭面の住所不定無職男・アキオ。彼に手を差し伸べたことがキッカケで、二人でケータリングの仕事を始めることに。奇妙な信頼関係から始まる人生再出発ラブコメディ。

二人の家庭環境は一見複雑そうだけど複雑で、蒸発したと思っていた父が”生き霊”としてサラの前に現れたり、といった少しのぶっ飛び要素はありつつも、軽やかに動くキャラクターたちと、それを彩るレトロでポップな小道具たちがページいっぱいに広がっていました。

少女漫画らしく、ご都合主義的に”ラブ”にも発展していきそうで読んでいて楽しかったです。アキオの「不審者→実は高身長イケメン金持ち」の流れは清々しいほどにご都合展開だった。

©勝田文/『バードランドの皿』1巻(集英社)
©勝田文/『バードランドの皿』1巻(集英社)

試し読みで↑のあたりを読んで購入を決めました。こんなん好きだわ。


【新】姉のともだち 1 / 高瀬わか(集英社)

思春期高校生の旭(あっくん)は、3つ歳上の姉・月子(つっこ)との二人暮らしをしている。そして家にはほぼ毎日入り浸る姉の親友・日奈子(ひーちゃん)がいて。

彼女の恐ろしく整った顔立ちとスタイル、そして近すぎる距離感に翻弄されっぱなしのあっくんと、天然なあっくんに逆に返り討ちに遭ってしまうひーちゃんによる歳の差両片想いラブコメ。

ひーちゃんの圧倒的美造形に魅了されるけど、キャラとして作中最強なのは間違いなくつっこ。あっくんからしたら実姉を前にして、その親友に好意を抱いているわけなのでちょっと気不味い部分もあるのかもしれません。(ひーちゃん×つっこの展開にはなり得ません)

ちなみに、姉弟の両親は健在で、海外にいます(お約束)


【新】尾守つみきの奇日常。 1 / 森下みゆ(小学館)

人間と幻人が共存する社会。幻人が多く通う景希高校。ウェアウルフ(人狼)の少女・尾守おがみつみきさんと同じクラスになった人間の少年・真層しんそうくん。人間関係構築に悩む真層くんの目に、尾守さんの気さくで飾らない振る舞いは羨ましく映る。

異種族同士がお互い歩み寄り、相互理解を図る姿が微笑ましい。そして何よりヒロイン、尾守つみきが可愛い。モフモフで足がデカくて最高です。他にも食堂の窓口が野菜、お肉、昆虫と分かれていたり、細部まで楽しい作品でした。


【新】かまくらBAKE猫倶楽部 1 / 五十嵐大介(講談社)

五十嵐大介先生の新作。鎌倉にある猫雑貨のお店「かまくら猫倶楽部」で働くマヤとガクトはどうやら猫の化身なのかもしれない。鎌倉に伝わるとある噂を頼りに、このお店には今日も猫を探してお客さんが迷い込む。猫にまつわる百物語。

めちゃくちゃ良かったです。マヤとガクトの設定がまず好き。表紙はBLみもありますが、中身は怪談系。猫の持つ根源的な美しさと少しの不気味さが混ざり合い、引き込まれます。


【新】DOGA 1 / 武田登竜門(双葉社)

Ki-oon発、武田登竜門先生の新作は、サイボーグと少女の冒険ファンタジー

砂漠に囲まれた貧民街で暴漢に刺され、サイボーグの身体を与えられた貴族・ヨーテは、孤児の少女・ドガを紹介され、身体を取り戻す鍵を握るという「海」を目指して旅に出る物語。前途多難な二人の旅路の先に待ち受けるものとは。

物語はまだまだこれからですが、個人的には前作『BADDUCKS』より好きになりそうです。ドガのビジュアルが今までになかなかなかった「ぽっちゃり肉体派女子」なのも面白い。可愛くはないけど。


スキップとローファー 10 通常版・能登半島地震応援版 / 高松美咲(講談社)

夏休みの岩倉家訪問の最後までと、風上先輩&花園先生のスポット回を収録。志摩くんはいまだぐるぐる迷走中。

「今言いたい」「この人に言いたい」「誰にも言いたくない」、そんな”心の向きと強弱”はみんなそれぞれ違うけど、でも確かにあって、それらが集まり、作品丸ごと付かず離れずの距離感で、我々読者に寄り添ってくれているようです。

描いてくれて、届けてくれて、ありがとうございます。ずっと応援してます。


【新】ドラゴン養ってください 1 / 牧瀬初雲・東裏友希(小学館)

大学生の村上が公園で出会ったのは、ドラゴンのイルスラ。”一竜前”のドラゴンになるために異世界から修行にやってきたと言うイルスラは、自分のことを養ってほしいと村上に頼み込む。人間とドラゴン、六畳一間の異種間コミュケーションファンタジー。

ストーリー的には商店街の人たちと協力していったり、割と人間生活に溶け込んでいく感じでした。商店街のジジババたちがちょっとボケてて和む。

イルスラは、見た目も性根も少しだらしなく、それでいて弁が立つタイプのメスドラゴン。魔法についてはまだまだ修行中で、人間の姿とかになかなかなれない。村上的にはそこがかなりミソらしく、あくまでドラゴンの姿のままのドラゴンが良いとのこと。言いたいことは理解わかるぜ(固い握手)


セシルの女王 6 / こざき亜衣(小学館)

ヘンリー8世”5人目の王妃”キャサリン・ハワードが処刑され、宮廷に依然重苦しい空気が漂う中、セシルにもめでたく長男が誕生。しかし、出産を機に体調を崩した最愛の妻メアリは20歳の若さで帰らぬ人となってしまう。

ヘンリー8世の命が尽きる前にエリザベスの王位継承権を復活させたいセシルが声をかけた”6人目の王妃”は、夫を亡くしたばかりの侍女キャサリン・パー。彼女の母性が、バラバラだった王族たちの心を柔らかく包み込んでゆく。

セシル家の跡継ぎ問題や父になって知る親との距離感、スコットランドとの国勢なども描かれた6巻。”母親”という存在の偉大さは、地方貴族も王族も変わらない。ただ、それだけで円満に事が進むほど、王の家系は甘くはない。

見事にキャラクターの名前(ファーストネーム)が被るシーンが多くて、おおう…となる。読む分には脳内で整理されるので混乱はしませんが。

巻末の亡くなったキャラクターの座談会みたいなのが毎回救いです。


【完】よふかしのうた 20 / コトヤマ(小学館)

お互いの恋愛感情を自覚したコウとナズナ。でも血を吸わなかったし、吸わせなかった。好きになって、お別れして、また出会う。これが二人の決断、物語の結末。ズルいなぁと思う反面、この終わり方で良かったと思う。お疲れ様でした!!

コウ君!!! 大好きやで〜〜〜〜〜!!! わはははは

ナズナ/『よふかしのうた』20巻


【新】卵と鶏 1 / 辻やもり(芳文社)

裕福だがDV気質の彼氏と結婚を前提に同棲中の主人公・鈴木鳴海の前にある日、「あなたの息子です」と言う青年・鈴木慶が現れる。DV彼氏、心無い偽両親、そして未来から来た息子、母子の数奇な運命が動き出す。

タイトル通り「卵が先か、鶏が先か」問題のようなストーリーなっていくのかな。「悪」属性のキャラクターが本当に嫌なやつらで読んでいてちょっと苦しかった。でも続きも楽しみ。


【新・完】メイドスケーター / すずしろ(イースト・プレス)

舞台は近世ヨーロッパ、どこかのお屋敷で働くメイドたちは何故かスニーカーを履き、スケードボードを駆って街中を颯爽と駆け回る。イラストレーターのすずしろ氏による「メイド×スケボー」コミック。

本来組み合わせられない二つの要素も綺麗に融合していて、目を惹く止め絵の数々は流石イラストレーターだな、といった感じでした。ボードを組む回がお気に入り。


【新】ガールズ・アット・ジ・エッジ 1 / 犬怪寅日子・ハトリアヤコ(ジーオーティ)

とある夏の日、ピンサロのボーイ・塩原が殺された。死体と一緒に姿を消したのは、そこで働く4人のピンサロ嬢と1人の別のボーイ。一体誰が、何の目的で塩原を殺したのか──。

短編集『真夜中の訪問者』のハトリアヤコ先生作画のサスペンス。境遇的にどこか気怠さと虚しさの漂う女性たち。彼女らの真意が露わになる瞬間が今から待ち遠しいです。


【完】一ノ瀬家の大罪 6 / タイザン5(集英社)

ノーコメント!


【完】のボルダ 4 / 鬼頭莫宏(新潮社)

趣味を楽しむ人は輝いて見える。そう感じる瞬間って誰しもあると思うし、じゃあ自分はどうだろうかと自問する。

もちろん人それぞれの楽しみ方があるし、自分だけのベストな距離感を掴むことが趣味を楽しむコツですね。連載お疲れ様でした。


【完】白山と三田さん 10 / くさかべゆうへい(小学館)

ゆるくてシュールな上京物語完結。早く出ていきたいと思っていた何もない町には、いつの間にか大好きな人と過ごした思い出が沢山できていた。1話目からブレずにやってきた白山のこの精神的変化には泣けました。あとは三田さんと千代ちゃんの友情も。

優しい人たちが緩やかに繋がってハッピーになる。なんて素敵な物語なんだろう。作中の時間経過と現実の時間経過が丸2年でリンクしていたのも良かったです。次回作にも期待大!


【完】まめで四角でやわらかで 下 / ウルバノヴィチ香苗(リイド社)

江戸を生きた“ふつうの人々”の暮らしを、優しく丁寧に描く傑作短編集、完結の下巻。

300年前の江戸の風景が、こんなにも愛おしく興味深く目に映るのは、この時代が今の時代に確かに地続きに繋がっているからなんだと思う。今いるこの場所は300年前にもあった場所と考えると途方もないようで、でもすぐ隣にあるような感覚に陥ります。人の営みって、すごい。


正反対な君と僕 6 / 阿賀沢紅茶(集英社)

祝!山田・西カップル誕生。耳に髪をかけてる西さんが本当に可愛いくて好き。この二人が一番等身大な高校生の恋愛感があって初々しいです。

平・東の二人はまだお互い自覚はしていないけど、フラグは立っちゃっているので時間の問題か〜というところ。でも正直くっつかない選択肢を探している自分がいる。この二人は最後までくっつかなくてもいい。あと谷・鈴木の影が薄いのがちょっと寂しいです。


氷の城壁 10 / 阿賀沢紅茶(集英社)

中学時代の元カレ・五十嵐と偶然再会したこゆん。あの頃は怯えながら困惑しながら付き合っていたけど、今は対等に会話ができる。時間が解決してくれた関係もあることを知る。一方、ミナトとの付き合い方については「どうもしないこと」を選択。幸せでも不幸せでもない今のバランスを保っていたいと思うが、当然このままなはずもなく…。


ラーメン赤猫 7 / アンギャマン(集英社)

佐々木さん夏バテ、クリシュナ法的人格権獲得、ハロウィン限定営業、石上さん&テトラ来店、社さんインフル、などなど今回もごちそうさまでした。冗談抜きで読むと心がいっぱいになる。スーツ姿のクリシュナが可愛かったです。

アニメは7月からだそうです。佐々木さん杉山さんなのなるほど良い感じ。


ウィッチウォッチ 15 / 篠原健太(集英社)

全員で協力してランを行動不能にしたモリヒトたち。しかし喜びも束の間、黒魔女・寿羅の復活を目論む張本人の男が姿を現した。致命傷を負わされたモリヒトの命を繋ぎ止めるため、ニコは自身の「時間」と引き換えに魔法を使用する

幼女化したニコを元に戻すための日常回がまた始まったけど、何巻分くらい続くのだろうか…(サクッと戻ってくれたら嬉しい)


アオのハコ 14 / 三浦糀(集英社)

4月になり、バド部にも新入生が入部。佐知川高校の大喜のライバル・遊佐の弟や、同じく佐知川のエース・兵藤の妹など、因縁ある新キャラたちが下に入ってきてまた一波乱ありそうです。

大喜の親友・匡とバド部マネージャー・菖蒲のフラグが立っている点にも注目。個人的には、傍観者っぽい脇役の恋路がフォーカスされすぎるのはあまりよろしくありませんが、気になるところではあります。

アニメは10月からとのこと。雛ちゃんかあいいよ…


あかね噺 10 / 末永裕樹・馬上鷹将(集英社)

阿良川一門の若手4人による阿良川新風会開演。”伝承の芸能”である落語において、語り継がれなくなり、演目として消えていった噺も多く存在する。それらを掘り起こして語るスタイルを披露するこぐま兄さん。積み重ねてきた膨大な知識とそれを演目として磨き上げるセンス、かっこいい。


ペンションライフ・ヴァンパイア 3 / 田口囁一(集英社)

ペンションの経営難とエリの委員会復帰説が浮上し、ニカはヴァンパイアの世界に攫われてしまう。それぞれが元の世界へと帰っていってしまうのか。シリアス展開のまま次巻完結。


だれでも抱けるキミが好き 3 / 武田スーパー(講談社)

アガワさん以上の超ヤリマンのアガワ姉が登場して3P展開。一体何を読まされているんですか?(いまさら)

初期の勢いがちょっと失速してしまった感はあります。


弱虫ペダル 88 / 渡辺航(秋田書店)

総北合宿編続き。段竹と杉元の真剣勝負は段竹に軍配。常々、サイクルロードレースの魅力の一つは「エースとアシストの関係性」だと思っていて、鏑木と段竹のチームSSのコンビの絆には胸が熱くなった。インハイでの二人の走りにも期待。

惜しくも敗れた杉元ですが、本誌の方では彼のターンが再びやってくること確実の展開が描かれたため、何も落ち込むことはない。

総北6人目のメンバーには(予定通り)六代が入り、箱学サイドでも六代と因縁のある1年生メンバー扉間が本格的にが登場し、インターハイ開幕に向けて益々盛り上がりを見せています。

一週間のラグはあるものの、連載をウェブで無料で追えるのは嬉しい。最後のインターハイ編って向こう数年くらい続きそうですが、ずっと公開されていくのかな。


ババンババンバンバンパイア 7 / 奥嶋ひろまさ(秋田書店)

アニメ化&実写化決定の吸血鬼BLコメディー。相変わらずノンストップ勘違いでカオスですが、新たなバンパイアハンターの登場でさらにカオスが極まりそうな予感。


かいじゅう色の島 2 / はっとりみつる(KADOKAWA)

3年ぶりの新刊。「かいじゅうの穴」の内部で見た怪しい人影とか謎の貝殻の山、オカルト百合が本格化してきた2巻。「かいじゅうさん」とは何者なのかを含めて島の秘密が気になるところです。


ようこそ!FACT(東京S区第2支部)へ 2 / 魚豊(小学館)

飯山さんという女性に恋する主人公・渡辺は、ひょんなことから陰謀論に出会ってしまい、妄想が暴走していく。そのことを飯山さん本人に指摘されてもなお、渡辺は止まらない。もう見ていられないよ。

連載は完結したとことですが、物語がどう着地したのか見ものです。それにしても陰謀論者の皆さん、想像力が豊かすぎる…


ゆるキャン△ 16 / あfろ(芳文社)

しまりんの断髪式と、なでしこ・恵那・後輩の絵真の3人で行く群馬キャンプ編前編を収録。

ゆるキャン△は、キャンプシーンはもちろん、地味にキャンプの計画を練るシーンが一番好きかもしれない。コーヒーでも飲みながら「次はどこ行こうかな」とアレコレ考える時間ってとてもワクワクするんですよね。で、計画通りには行かなかったりする。そこまでが醍醐味。

大井川以来の綾乃とのデスロードツーリングキャンプも計画されていて楽しみ継続中です。

4月からはアニメ3期も始まります。楽しみすぎる。


この世は戦う価値がある 2 / こだまはつみ(小学館)

仕事を辞めて、人生でやり残したことを”総決算”していく主人公・紀理。

憧れの場所を散策する、公営ギャンブルをやってみる、昼からスイカを丸ごと食べながら酒を飲む、恩師に借りていた小銭を返す、どうでもいいことに正面から向き合うことで見える景色がある。

…のは分かるんだけど、どうしても「臓器提供意思表示カード」一つで覚悟決まるか?という違和感がノイズになって素直に楽しめないでいる。おそらく病弱な弟と関係あるんだろうけど、キャラクターと読者の熱量の差、みたいなものがどうしてもある気がします。


しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~ 6 / 左藤真通・富士屋カツヒト・清水陽平(白泉社)

今回は「デジタルタトゥー」がテーマ。過去に傷害罪で前科が付いてしまった男性が、事件から10年経った今、幼い娘の将来を案じてネットに残る自身の前科情報を削除したい、と相談に訪れる回。

結局は元のサイトに対して地道に削除申請をしていくというのが一番ですが、昨今の「叩いていい/燃やしていいと判断された瞬間に全員で袋叩きにする」ネットの流れは、自分とは直接関係なくても本当に気が滅入ります。みんな余程「他人」に飢えているんだな〜、と思います。


海が走るエンドロール 6 / たらちねジョン(秋田書店)

映画祭に出した作品は残念ながら落選に終わり、落ち込むうみ子さん。海の作品は入選していて、自分の立ち位置と海との差を痛感し、自分には時間がないと嘆く。それでも、周りの人たちの言葉、海の映画を観て、再び映画を撮り続けていくことを覚悟する。

面白かったけど、「この海を渡っていけるか…」のところで足踏みをしている感じがもどかしい。別に映画で一発当てたいとかでもないんだし、もっとシンプルに撮りたいように撮ればいいのに、と思ってしまう。いやわかる。そう簡単に撮れないのはわかるんだけど、溜めるなぁ〜〜〜、って。あと表紙にモブ使うのやめてください。


バットゥータ先生のグルメアンナイト 2 / 亀(秋田書店)

インドを目指す地理学者のバットゥータ先生と、奴隷のリタ。リタに対して「正直ちょっと興奮する」と衝撃発言をしたバットゥータ先生だったが、実は妻子持ちだった!時代的に一夫多妻は当たり前だけど、奴隷の身としてリタは引け目を感じてしまい…!?

各地のグルメを堪能しながら三大陸周遊する学者の超個人的旅行記コメディー第2巻。リタが可愛くて可愛くて、正直、読者的にもちょっと興奮しながら読んでいます。お風呂回もあるぞ!


生徒会にも穴はある! 6 / むちまろ(講談社)

生徒会海合宿編。会長のHな水着披露シーンと、その後の梅とのヤキモキシーンは必見。

この生徒会は広報と庶務の出番が比較的多いので、もっと会長と会計の出番が増えてくれると僕が喜びます。

なお、今回も豪華作家陣による寄稿が盛り沢山ですが、3月6日発売の週刊マガジンに掲載されたコミックス100万部突破記念イラスト(カンザリン先生描き下ろし)は収録されておりません。許すまじ。


クプルムの花嫁 5 / namo(KADOKAWA)

ベランダで燻製したり、イカ揚げ行事に参加したり、しいなとイチャラブ生活を送る中、修は、三条の包丁工房とコラボして銀座の百貨店で行われる企画展に出展するプロジェクトに参加する運びに。

職人として向き合ってきた銅器を”プロダクト”、つまり”売り物”として考える機会が訪れ、商人の視点を持つことが、修自身の次なる成長に繋がっていく。

namo先生がキャラ原案を担当した『終末トレインどこへいく?』は4月スタート。水島努監督久しぶりに名前見た気がする。


ウマ娘 プリティーダービー スターブロッサム 2 / 保谷伸・文殊咲ほか(集英社)

打倒ナリタブライアンを掲げるサクラローレルは、いまだ未勝利だった。そんな中、同じく未勝利なままのシュガーネイションと出会い、仲良くなるがレースでぶつかり合うことに。

泥臭く、勝利だけを目指して走るウマ娘たち。目指すゴールはまだ遠いが、一歩ずつ踏み締めていくしかない。


ウマ娘 シンデレラグレイ 14 / 久住太陽・杉浦理史ほか(集英社)

オグリ、二度目のジャパンカップに挑む。世界のトップウマ娘たちがレースタイムを大幅に縮め、出走バたちの体力を削る中、オグリとのマッチアップを制し、栄光を攫ったのは、レース前は各方面からノーマークだったニュージーランド代表・フォークイン。──その日、世界が変わった。


ダイヤモンドの功罪 5 / 平井大橋(集英社)

U-12世界大会を終え、一時的に野球から離れていたアヤだったが、バンビーズ時代のチームメイト・イガ(五十嵐)と再会し、名門・安立フェニックスに入団することを決意。しかし「誰のジャマもしない」ことに対して、なりふり構わない姿勢を貫くアヤは、成長痛と偽り登板を避け続ける選択をする。

それでも注がれる周囲からの興味や期待、誘導の視線と、秘密の約束を交わしたイガとの決裂の兆し。考えても考えても考えても、どうしようもなく狂っていく人間関係という歯車。

イガがアヤの理解者になろうと葛藤して同じ方向を向くところまでは良かったものの、やっぱり今回もじわじわと不穏な方向に…。現状、野球IQの面で唯一アヤと対等な域に達している大和。彼が今後どこでどう化けるのか、が要注目ポイントです。


みーちゃんは飼われたい 2 / 高瀬わか(集英社)

昼間は人間、夜間は猫の姿になる「猫娘」の女の子・みおは、しがないサラリーマンのいおりの家で暮らしている。

一緒に猫カフェに行ったり、そこで知り合った女性・大里さんの元にいた猫も実は猫娘で(?)、しかもみおの妹・たまきだったり(??)と、てんやわんやな展開の最後は、いおりがみおとたまきの兄に出禁を言い渡されてしまう(???)始末。どうなる!?

なんじゃこりゃ展開ではあるものの、「猫娘は成人(18歳)するまでに人間の男と性行為をしないと猫の姿のままになってしまう」というクソキモドキドキ設定(褒めてる)のおかげで、ずっとニチャつきながら読めます。


少年のアビス 16 / 峰山りょう(集英社)

柴ちゃん先生の狂気再び。ナギが町に再び現れ、令児と接触。ナギはその後令児の前からは消えるも、柴ちゃん先生に監禁される

この作品は柴ちゃん先生が生き生きしているのが一番楽しい。ただ、令児兄も令児のアビスに取り込まれそうだし、もう早く柴ちゃん先生と令児が結婚して町を出て行ってほしいな。新婚生活編とかやろう。あと似非森と夕子はいい加減逝ってどうぞ。


カモのネギには毒がある 加茂教授の人間経済学講義 7 / 甲斐谷忍・夏原武(集英社)

地方創生編続き。丹藤さんが提案したヒトの流れを考えた「農業株式会社化プロジェクト」、黒川が提案したカネと名声に目が眩んだ「リフレッシュ施設建設プロジェクト」の対決は、当然丹藤さんの圧勝。黒川は脱税も発覚し、刑事罰を受ける結果に。今回も加茂教授の大勝利!

経済とは結局、「ヒト」がまず真ん中にあるべきなんだ、という事例でした。

そして次なるフィールドワークの舞台は、名門大学野球部。罰金制度の導入で暴力体質から脱却した運動部に蔓延るカモリズムとは…!?


つばめアルペン 3 / 南文夏(集英社)

登山部の地区大会がいよいよスタート。一日目には、隊長となる審査員についていく登山テスト、各所に潜む審査員に向ける笑顔、道中での行動テスト、テント設営、自炊、ペーパーテストといった試験をパスしていき、二日目はさらに難易度の高い山を協力しながら登る。

大前提として「登山を競う」こと自体がナンセンスに思えてしまうけど、本人たちの表情を見ていると、試練を乗り越えながら極限状態の中でこそ味わえる経験があるんだろうな、と思う。強豪校のワンダーフォーゲル走法が面白くて好き。


大怪獣ゲァーチマ 2 / KENT(講談社)

前回から続くヘットルガ戦。ゲァーチマの視界から姿を消すヘットルガの怪音波を防衛軍の攻撃で攻略し、最後は水中モードへフォームチェンジしたゲァーチマがトドメを刺す。正直結構かっこいい。

普通に読んでいるだけでも面白いけど、特撮怪獣ネタを知っているともっと楽しめるんだろうな、と。そっち方面無知すぎる。


ピッコリーナ 2 / 大槻一翔(KADOKAWA)

バニーガールの女性と焼き鳥屋の青年の恋物語。まずはお友達から、ということで連絡先を交換した峰香さんと朗。まだまだ少しずつですが、関係を育んでいっています。焼き鳥食べたくなる。


メダリスト 10 / つるまいかだ(講談社)

ノービスクラスからジュニアクラスに昇格したいのりは、悔し涙を飲んだノービス全日本大会で滑走が評価され、指定強化選手の合宿に参加することに。これからは、”選ぶ側”ではなく、”選ばれる側”として氷上に立たなければならない。自分を超え、ライバルを超え、目指すは一番!金メダル!!

選手(いのり)とコーチ(司)の二人三脚の成長が描かれる本作。いのりの狂気に満ちた執念も凄まじいけど、クラスが上がり、教え子の精神的・身体的変化も加味しながらどう導いていくか、という司の姿勢にも一切の妥協がない。

泣いちゃいそうになるくらい面白いけど、内容的にも紙面的にもかなり濃密でハイカロリーなので、全力疾走した後みたいな読後感。今回は特に「コーチング」の教科書みたいな側面も強かった。キャラも増えたねぇ。

アニメは2025年1月から!なっぴーの少し年齢高めの声だ…!


MUJINA INTO THE DEEP 2 / 浅野いにお(小学館)

現実の社会問題をコミカル且つアクションを交えながら切る、浅野いにお最新作、の2巻。

人権を持たない「ムジナ」と呼ばれる人々が暗躍する現代社会。しがないゲーム会社の社長・テルミは、家出少女・ジュノとムジナの少女・ウブメと出会い、東京のど真ん中の片隅で生きる。その裏で描かれるムジナたちの生。

人間とムジナ、本当に人間らしいのはどちらか。ジュノちゃんが堕ちないことだけを願う。


姉ちゃんの友達がうざい話 2 / あずさきな(一迅社)

瀬那にサクッと告白した尚。付き合う付き合わないとかは関係なく、単純に自分の気持ちを伝えたかっただけだったと言うが、瀬那もまんざらではなく意識し始める。

こっちの方が男がオラオラしていて少女漫画っぽい展開な気がする。


友達の姉ちゃんに恋した話 2 / あずさきな(一迅社)

真っ直ぐに自分を好いてくれる弟の友人・遥翔のことを意識しながらも、どこか年上目線で可愛く思ってしまう莉緒。それでもいいと言う遥翔の前に、昔馴染みの同級生女子が現れ三角関係へ。

こっちはどちらかと言うと男向けラブコメっぽい展開な気がする。


キミと越えて恋になる 6 / 柚樹ちひろ(集英社)

獣人は2月から5月まで「忌み月(発情期)」のため、春休みが長い。修了式までにバレンタインイベントだけは消化したい、ということで、ツナグにチョコラスクを渡すマリ。そして空き教室でイチャつく二人。こいつらいっつもイチャついてんな。

一方、同じく忌み月中のキサラも発情してユキヒロに電話をかけて発情したり。今回は全体的に全員発情していて良かったな。こういうのは発情してなんぼ、みたいなとこあると思うのでいいぞもっとやれ!という感じです。


どく・どく・もり・もり 2 / 背川昇(ヒーローズ)

両親を殺したツキヨタケと旅をしながら復讐の時を窺うベニテングダケ。行く先々で食用/毒の様々なキノコたちと出会うも、どうしようもなく殺し合いへと発展する。憎しみが憎しみを生むキノコたちの旅はどこへ向かっていくのか。。。

1巻ほどエグみは無かったものの、血は流れるので依然閲覧注意ではあります。新キャラのカエンタケくんがキノコとしての強さは今のところ最強。


フールナイト 8 / 安田佳澄(小学館)

九大博士との取引でアイヴィーに関する情報を手に入れたヨミコ。これにより転花反対派のデモは徐々に収まり、転花院の事業縮小も中止となった。一件落着、とは言えないが、とりあえず一つの目標は達成

お疲れパーティーでのトーシローの切実な願いが、これからの辛い展開を予感させ、素直に喜べないイチ読者です。何はともあれ、お疲れさん。


短い横断歩道も待つタイプの中学生 1 / やまうち(コミックス)

短い横断歩道も待つタイプの中学2年生・須直映子

彼女は、地震訓練も真面目に机の下に隠れるし、避難時は”おはし”を徹底するし、普段から廊下は走らないし、先生にはピシッと挨拶するし、学級日誌は事細かに書くし、図書館の本を元の場所に戻すよう周囲に促すし、倒れている自転車は元に戻すし、箒についた埃はこそぎ落とすし、授業中は寝ないように努力するし、自転車に乗る時はハンドサインを欠かさないし、死んでしまった金魚は埋葬するし、重そうな荷物は代わりに持ってあげるし、落ちている空き缶はゴミ箱が遠くても捨てに行くし、拾った500円玉は交番に届けるし、お地蔵さんはハンカチで磨くし、とにかく良い子なんです。


ノケモノたちの夜 1 / 星野真(小学館)

『竜送りのイサギ』の星野真先生の前作。気まぐれな悪魔マルバスと契約を交わし、盲目となった少女・ウィステリアの旅物語。去年アニメ化もしてたんですね。


雑記(いまさらコロナ)

以上、3月に読んだマンガまとめでした。

3月は、上旬に今更コロナに罹患してしまい、自宅療養を余儀なくされました。年度末のこのクソ忙しい時に限って体調を崩す自分を恨みながら、仕方がないので引き籠もり生活を満喫してやろうと思っていたのですが、、、

全然マンガを読む気にならない!!!!

普段、マンガ読みたいなと思って生きていますが、いざ「さぁ今から家で好きなだけマンガを読むがいい」という状況になると、とけめかない。ときめけない。

マンガを読むのって意外と体力を使うというか、日常の中で息抜きとしてマンガを読むのが好きだったし、それが自分に合っていたんだと、この期間を通して改めて思いました。

なんだかよく分からない締め方になりましたが、とどのつまり、来月もマンガを読みましょう、ということです。




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