見出し画像

アパレル×web3の可能性 - 持続可能なファッションの未来へ

「PIZZA DAY」というweb3とアパレルを組み合わせたプロジェクトの発起人であるmochiさんと対談する機会がありました。

この対談を通じて、アパレル業界におけるweb3の在り方について考えるきっかけになりましたので、今回はその内容を振り返りながら紹介します。


PIZZA DAYとは

PIZZA DAYは、日本初のアパレルブランドで、web3技術とウールを組み合わせたサステナブルなファッションを目指しているプロジェクトです。彼らは、ウールを土台として、消費者が持続可能な方法で作られた服を着ていけるようにweb3を活用しながら取り組んでいます。
2023年10月にNFTをリリースし、現在は円でも購入できる仕組みを提供しています。基本的に2万円ほど支払うとNFTとTシャツが届くという、ユニークなプロジェクトです。

web3とアパレルの融合

PIZZA DAYが目指すのは「Wear to Earn」のような世界観です。つまり、服を買ったらトークンが稼げるようなシステムを作りたいということです。そこで私は、このような仕組みを作るにはどのようにすればいいのか、いくつか質問させていただきました。

Wear to Earnの課題と可能性

Wear to Earnの考え方は、以前流行ったSTEPNの「Move to Earn」に似ています。STEPNでは、NFTの靴を買って一定の歩数を歩くとトークンが稼げ、それを現金に交換できるというものでした。

しかし、Wear to Earnをそのまま適用するにはリスクがあります。プロジェクトの持続可能性が担保されないと、長続きしないでしょう。過去のNFTプロジェクトを見ても、初期の資金調達はできても、その後の持続可能性が課題となっているケースが多いです。
高価なTシャツを売って原資を集め、それを着ればトークンが還元されるというモデルは、ポイント還元に似ています。しかし、原資がなければ還元もできなくなってしまいます。

持続可能なweb3×アパレルの在り方

私としては、トークンを稼ぐよりも、持続可能性の高い行動をしているという経歴をSBT(Soulbound Token)のような形で発行していくことが、持続性があるのではないかと考えています。
アパレルは、ブランドだけでなく、自分がそれを着ているという体験にも価値があります。良い服を着ているという気持ちは心地良いものですし、他人から見られるということにも価値があるでしょう。
これをデジタル上でも表現していくことが、持続性の高いweb3とアパレルの融合につながるのではないでしょうか。

NFTで服を着ている証明を

良いTシャツを買ったという事実をNFTで表現し、それを普段から着ているということを1日1回NFTを発行するような形でデジタル上で証明していくことができれば、持続可能性の高いweb3とアパレルの組み合わせになるのではないでしょうか。
これは、自分が外に出て行かなくても、着ているということをデジタル上で表現できるという点で、ウォレットデザインの考え方に近いです。その方の行動履歴としてどういうことをしているのかをウォレットで見える化するということが、持続可能なweb3×アパレルの実現につながるでしょう。

サーキュラーエコノミー

PIZZA DAYの面白い取り組みの一つに、サーキュラーエコノミーと呼ばれる仕組みがあります。具体的には、着なくなった服を回収して肥料に変え、土に還元するというものです。

回収した服を肥料化し、それでブドウを栽培しているそうです。このブドウを収穫して熟成させ、ワインにするという循環型の取り組みは、とても興味深いですね。

服は、特に安いものに関しては捨てたり臓器にしたりすることが多いですが、捨てるのはもったいないことです。臓器にするにしても、服は臓器にされるために作られたものではありません。土に還るという考え方は、循環型社会の観点から見ると持続可能性が高いと言えるでしょう。

サーキュラーエコノミーの課題と可能性

ただし、サーキュラーエコノミーにおいては、服を肥料に変えていくためのコストがかかるという課題もあります。また、肥料にしたからといって、誰もが使いたいと思うかは分かりません。

肥料を使うことで生産量が上がったり、高付加価値化が実現できたりするメリットがあれば、農家としては使う意義があるでしょう。現在は、ブドウ畑での実証実験という段階ですが、ブランディング次第では、みかんなど他の産物にも転用できる可能性はあるでしょう。

まとめ:web3の汎用性と事業性の課題

今回、PIZZA DAYのファウンダーとお話しさせていただき、改めてweb3の汎用性の高さを感じました。しかし、実際に収益化するのは難しいというのが現状だと思います。

新しい技術を使いながら、持続可能な事業を作っていくためには、様々なアイデアを出し、実行していくことが求められます。私自身も、このようなプロジェクトや様々なコラボレーションを通じて、新しい事業作りに挑戦していきたいと考えています。

今回も最後までお読みいただきありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?