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不便の価値

「映画館で映画を見るのが好き」

と、いう話を同僚としたことがある。映画ならAmazonPrimeやNetflixを使ってスマホ一つで簡単に見られる。でも、家にいると仕事や家事が気になって、2〜3時間、映画だけに集中するのは難しい。
それに引き換え、映画館に行けば、強制的に映画に集中させてくれる。映画に没頭することができる。“何かに集中する”状態が心地よいのだ。

最近、これと似たような例で「コンビニで新聞を買う」がある。
紙の新聞なんて後生買うことはないのだろうな、と思っていたのだけど、紙だからこそ「読む」に集中できるのだ、と最近知った。

時事情報は、ネットやスマホアプリで簡単に摂取できるのだけど、映画と同じ理由で、ネットでの情報収集は集中できない。スマホを開けば、推しのインスタが気になるし、好きなYoutuberのコンテンツに癒されたいし、読みかけのKindleが私を呼ぶからである。

なお、「コンビニで買う」のもミソだ。ポストに勝手に投函されても、それはそれで読まずに溜まっていくのが末路である。自分でコンビニに出向いて、その日の気分と一面の見出しで、どの新聞を買うのか決めて、200円払って、買う。たまに好きなお菓子も一緒に買う。その一手間をかけることで、「読む」に自分をコミットさせられる。

映画館も、紙の新聞も、コンテンツそのものにお金を払っているんじゃない。「集中」を買っている。

こんな「自動化」の波に乗らず、「不便」に生まれる利益に目を向けよう!と呼びかけるのが、不便益システム研究所だ。

いろんな「ちょっと不便」だけど実は暮らしを豊かにする、コンセプトや物を提案している。「不便益ダイヤラー ジェスチャーくん」に笑った。番号を押すのではなく、ジェスチャーで電話をかけるんだって。不便すぎる!(笑)

不便益を考えることは、自分が何が心地よいか、自分にとって何が価値があることなのか、を知ることでもある。テクノロジーによって、どんどん便利になっていく世の中だから、便利さも享受しつつ、本当に必要なものが何なのか、は時に立ち止まって考えたいものです。

※TOP画像は、「不便な中にも豊かさがある」をテーマにAIが生成した画像。便利・・

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