大人になってから出来た友達はOSS経由が多い

友達っていうのは自分達の未熟さゆえに共通敵や共通目標に対して助け合って戦うための同盟のような関係から生まれる、と何かの本で読んだ。例えば学校の先生とかテストとか規則とか。だから若い頃ほど友達が出来やすいし、大人になるとその共通敵や目標が無くなったり移り変わったりする事で、かつての友達とは疎遠になりやすくなる。会社の新卒の頃は研修担当の人事がみんなの共通敵だった。あの連帯感は人事が敵を演じることでしか生まれなかっただろう。それも独立してから大半が薄れて消えて、共通の趣味や似た目標を持つ関係だけが薄く細く続いている。

自分は現在個人開発で生計を立てていて、基本的にいつも独りだ。しかし全く新しい知り合いが出来ないのかと言われるとそんな事はない。そして今述べた「友達」のような関係性に近いのが、OSS(オープンソース)の活動経由で出来た知り合い達だ。OSSの世界にいると、何年キャリアを積んでいようが自動的に未熟な人間になれる。そこではただ「良いものを作る」という共通目標があり、自分たちの能力を持ち寄って協力しあう風土がある。

俺の勝手な思い込みだろうが構わないが、「オメーすげぇな!」「プルリクエストありがとうマジ感謝!」「いやいや君だって素晴らしいコントリビューションありがとう!」と言い合えるfolksに対して純粋に友情のような温かい感情を抱いている。

つまりOSSは学校の教室みたいなもので、たまたま前に座ってた奴が後ろを振り返って「ヘイ、お前これ知ってる?すげーよ」と教えてくれたりするような感じに似ている。

大人になってから新しく出来る関係は基本的に非対称だ。上司/部下、顧客(サービスする側/される側)、情報発信する側/受け取る側などなど。しかしOSSのコントリビューション活動では、大人になってからも割りかし対等な関係で新たに始められる。そこで出来た知り合いは全員外国人なのでなかなか会えないけど、運良く機会に恵まれれば会ったりしている

俺は興味のある分野で自分の持っていないモノを持っている人が好きだ。お互いに持っていないものを見せ合ったり交換し合う事に喜びを覚える。OSSの他にも音楽とか絵とかは対等な関係が作りやすい気がする。生涯未熟でいられるからかな。そういう分野からは歳を取っても離れないようにしたい。


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