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日本交通社長がZ世代と語る、タクシー業界のゴールデンエイジ

ご乗車ありがとうございます。
日本交通(株)新卒採用担当です。

この記事は、日本交通の新卒採用チームが、2023年5月11日に24卒の内定者に向けて行った「トップセミナー2024」のルポ記事です。

本セミナーでは、Z世代である24卒の生活様式・将来観の変化について触れつつ、その変化に対してタクシー業界はどのように適応していくべきなのか、そしてタクシー業界が新卒に期待していることについて、日本交通の社長・若林泰治の考えをお話していきました。セミナー後半では、若林とご参加いただいた学生とのディスカッションパートも見どころの一つです。

zoomのウェビナー形式をとり、最大視聴者数は134名と、たくさんの内定者が一堂に会したビッグイベントとなりました。

新卒採用チームからは司会の上田(18卒)と、Z世代の代表として新井(21卒)が出演いたしました。


◆24卒世代の生活様式・将来観の変化について

※各トピックのデータ引用元:2024年卒大学生のライフスタイル調査~ Z世代の就活生の“日常”と“将来”を徹底研究! ~(マイナビキャリアリサーチLab)

トピック①24卒世代の過半数が「推しがいるオタク」/「推し活・オタ活」を楽しんでいる

若林 コロナ禍で、自分の中だけで楽しめる趣味が広がりましたよね。それがここで言うオタ活なんでしょうが、私としてはそこにモチベーション高く取り組むのであれば、とても良い事だと思います。むしろそこのスペシャリストを目指してもいいんじゃないかな。

我々のタクシーという仕事は、そういう時間を作れる環境なので、むしろ「推し」に対してのめり込むのもアリですね。

上田(司会) なるほど。では日本交通は推し活、オタ活を積極的に推奨するということですか?

若林 推奨します。

上田(司会) ありがとうございます。

新井(Z世代) 心強いですね!

トピック②共働きを希望する男子・結婚を望まない女子の割合が増加/育休を希望する男子の割合が増加/子供を望まない男女が過去最高

上田(司会) 男性が仕事、女性が家事・育児……というのが一般的な時代もありましたが、近年では共働き世帯も多く、男性でも家事や育児を積極的に行う人が増えてきましたね。また、女性の社会進出が増えたこともあり、結婚・出産を考える女性の年齢は上昇傾向です。

新井(Z世代) 自分も将来的に結婚する場合には、共働きを希望します。もし子供が生まれた時、自分一人の稼ぎだけで子育てをするのは難しいなと思っています。

というのも、子育てには妥協したくないんです。自分が親に大学まで行かせてもらった手前、自分の子供にも大学までは問題なく行かせてあげたい。そうなると共働きも自然な流れかなと。

子供が生まれたら私も育休を取得したいです。共働きで男女ともに働くなら、子育ても男女関係なく一緒にするのが自然な流れですよね。

上田(司会) 確かに子供一人を大学まで通わせるとなると約1千万円くらいかかるというデータもあるので、共働きも自然な選択ですね。
ちなみに日本交通にはパートナーと協力して子育てができる環境はあるんでしょうか?

若林 ありますよ。会社として育児休暇を取りやすい環境を整えています。
かつてはなかなか手を挙げづらかったと思います。男性の場合は特に。しかし今では新卒の若い方々がたくさん入社したからこそ、結婚し子供が産まれ育児休暇を申請する、という流れが自然になりました。

上田(司会) 新卒採用の部署の中でも、実際に育休を取得する男性社員が3名います。もちろん会社から嫌な顔をされることもありませんでした。

ちなみにタクシー乗務員の場合は、二日に一度は必ず明け休みになる隔日勤務なので家族との時間を大切にしたいという方にとっても働きやすい環境ですね。

若林 そうですね。遅番の乗務員さんからは「晩ごはんを家族と一緒に食べられるのがとても良い」という話を聞いています。皆さんからも「新しくこういう勤務シフトがほしい」といった提案があれば、どんどん採用したいと思っています。

新井(Z世代) 社長のお話から、すごく柔軟に対応できる会社なんだと改めて知ることができました。

若林 柔軟になったんですよ!(笑)

新井(Z世代) 色々と改革してくださってありがとうございます。

若林 若い皆さんはタクシー会社にとって「これまでにない社員」なんです。新卒採用を始めて12年が経ちますが、社員から「もっとこうしていきたい」「こういうチャレンジがしたい」という声が出てくる環境になった、これはすごいことです。

その声を実現し、社員が今よりもっと喜んでくれることが会社としての喜びなんです。今はそういう環境をもっと推し進めていきたい、一緒にチャレンジする仲間を増やしていきたい、この一心です。

トピック③『女性の理想の将来像』では「安定した仕事」が「愛する人と結婚」を上回る

上田(司会) 男性陣にとっては少しショッキングなデータかもしれませんが……。

若林 えぇ!? そうなんだ。じゃあ仕事の方が優先ってこと?

新井(Z世代) そういう傾向が。

上田(司会) Z世代代表の新井さんの周りもこういった意見は多いですか?

新井(Z世代) 女性の友達の中にも「自分に安定した仕事がないと、万一パートナーと離婚した時に不安」という意見や「ケンカしたとき、自分が稼いでいないと強く言えない」という意見がありました。女性にとって自分の立場を守るという意味でも仕事は重要であり、価値観が変わってきているのかなと思いました。
より現実的な考え方になってきているのかもしれないですね。

若林 今後日本では労働者の数が減少していくというのは既定路線です。しかしながら、今は家事に専念されている方が、働きたい・何か新しいチャレンジをしたいという時に、タクシーの仕事を通じてやりがいを得ていただくことも可能になると思っています。

女性が自立するのは我々にとっても非常にありがたいことだし望ましいこと。タクシーを、自分の時間をうまく活用しながら楽しくできる仕事にどんどん変えていきたいですね。

上田(司会) 日本交通の新卒採用が始まって数年間は女性社員の入社がほぼゼロの年が続いていました。2016年頃から女性社員が増えてきて、2020年以降は2・3割ぐらいが女性社員になりました。後輩がたくさん増えてくことは頼もしいなと思いますし、そこからさらにタクシー業界全体を盛り上げていきたいです。

◆タクシー業界の将来性とチャレンジ性

24卒世代の変化に対してタクシー業界はどのように適応していくべきか

上田(司会) よく川鍋会長が「これからタクシーのゴールデンエイジが訪れる」とお話をされていますが、タクシー業界はまさに変革期におかれていますよね。
24卒世代の価値観にも寄り添っていくため、タクシー業界のあるべき姿とはどんなものなのか、若林社長のお考えをお聞きしたいです。

若林 現状の業界の課題として、タクシーを利用したくても利用できない地域、時間帯、場所が増えているという点があります。それらを埋めていくために、タクシー業界では様々な取り組みが始まっていますし、国・自治体もこの業界にかつてないほどの応援をしてくれている。

その強みを活かしながらお客様のニーズに対応するため、必要なところに必要な車両と人を集める。そして利用者が満足できるサービスを提供する。これが理想です。それに向けて新しいチャレンジをしていきたいと考えています。

たとえば、普段は東京や大阪で営業している私たちですが、地方の観光地やリゾート地にチャレンジ精神のある新卒社員の皆さんと出向き、地域の移動をサポートする、という取り組みがあっても良いのではないかと考えています。

というのも、現在そういった観光地では、インバウンドや国内から来られるお客様がなかなか車をタイムリーに捕まえられない状況があるんです。そして、地元のタクシー会社だけでそのすべての需要をカバーするのは難しい。

そこで、その地域特有の様々な経験ができたり資格を取得できたりする環境が整えば、社員はモチベーションを上げつつ仕事ができて、私生活も楽しめる。そんな働き方が、この世代だったらできると思っています。その可能性を探っていきたいのです。

上田(司会) 推し活や趣味に時間を割きたい方は年々増加傾向にありますし、その中でも旅行が好きで観光タクシー乗務員を目指して日本交通に応募する学生さんもたくさんいます。そういう方からすると魅力的な働き方になるでしょうね。

若林 リゾート地では、観光を勉強している方々が事前調査に行ってガイドを作成し観光案内をタクシーで、という仕事は十分に考えられます。

そして興味がある人は余暇を使って、シュノーケルや船舶、スキーのインストラクターなどの資格の取得にチャレンジができます。季節によって勤務地を変える形もありかなと。休みの日はみんなでバーベキューというのも楽しいと思いますね。

リゾート地で何ヶ月間か働きながら過ごすというのは若いうちにしかできないと思いますので、これを実現させたいと思っていますし、その時はぜひチャレンジしてもらいたいですね。

今までやったことがないことをやっていきたいですし、やりたいと思う人たちに集まってほしいです。

上田(司会) パイオニアを募集したいという感じなんですね。

若林 当然実施にあたっては行政をはじめ関係各所との調整が必要ですし、クリアしなければならないハードルがたくさんあるので、実現するまでは若干の時間がかかると思います。でも実現を望む声が大きければ大きいほど、我々はやる気になります!

上田(司会) 新井くんはやりたいことありますか?

新井(Z世代) 今聞いた話はとてもワクワクしました。島でタクシーに乗りながら観光地をPRしたり、地元の経済復興なども今のプロジェクトを通して携われるのかなと思いました。この取り組みを東京でも活かせないでしょうか。「遠方にリゾート地がありますよ、ぜひ来てみてください」とPRできれば、地域を盛り上げることもできそうですよね。

上田(司会) 地域創生に携わりたい学生さんも年々増えている印象なので、自分が楽しめる旅行の要素と、お客様を目的地までお送りする仕事の要素、さらには地域貢献も叶うというのは素晴らしいことばかりですね。
ちなみにこのプロジェクトに携わる社員はどのように選出される構想なのでしょうか?

若林 手を挙げた人たちはできるだけ全員、何かしらの形で対応してあげたいなと思っています。

新井(Z世代) 実際たくさん手は挙がると思います。

上田(司会) 指名されて強制的に行くというよりは、自ら進んでチャレンジしたい方にチャンスを与えるという考え方ですよね。今の話を聞いて「面白そう!」と興味を持った方は、このプロジェクトが実現する際にはぜひ自分から手を挙げてチャレンジしてみてください。

ちょうど最近、新卒社員主導の新プロジェクトもありましたね。
葛西営業所――乗務員が新卒社員のみで構成されている日本で唯一のタクシー営業所に、カフェができました。この「キッチンプロジェクト」の立ち上がりから運営までの流れについて教えてください。

若林 たまたま北葛西に土地があるという情報を聞いた時、真っ先に浮かんだのが葛西営業所の移転でした。以前の営業所は少し小規模だったのです。今後は新卒がさらに多く配属されるため、もっとしっかりした環境に作り直したいと思っていたため移転を決めました。

どのように運営していくかを考えた時、我々の固定観念で進めてしまうと、これまでとあまり変わらないものができてしまう。そう思い、キッチンプロジェクトチームを作りました。

よりラフに休憩できる空間を作るため、カフェの設計や設備、メニューも新卒社員たちが考えてくれましたね。独創性のある料理や飲み物が完成し、非常に満足してます。実際にそこにいる社員たちの顔を見るとみんな笑顔なんですよ。あぁ、この笑顔を待ってたんだよな、と実感しました。

このような営業所を作っていきたいし、施設のみならず働き方の面でも社員が笑顔になれるようにどんどん変えていきたい。皆さんも実際に日本交通の会社説明会を聞いて、タクシーの業界ってこんなに変わったんだなと感じたと思います。

タクシー業界ってこんなにIT化が進んでいるんだ。社会貢献もしているんだ。若い人がどんどん増えているんだ――これらの情報を我々が伝えなくても自然と皆さんの耳に入るようにしていきたい。そのためには発信力をもっと大事にしたい。だから葛西営業所のような新たな取り組みを積極的に行っています。

◆内定者とのディスカッションタイム

質問①酔客対応について

Hさん 私は女性なので男性と比べると力がありません。酔われているお客様にはどのような対応をすればいいか不安です。

上田(司会) 「お酒を召されたお客様=怖い」イメージはありますよね。でも安心してください。お客様が急に殴ってきたり暴言を吐いたりなどというケースは、99%ないという風に考えていただいて大丈夫です。

むしろ、私が乗務員をしていた時には、お客様が気持ちよく寝てしまって起きないことに困ったことがありました。

乗務員は直接お客様の体に触れて起こすことができないので、色々な対処法を先輩に聞きました。例えば、スマホのアラームを鳴らしたり、窓を開けて車内に風を送ったりなど。

中には本当に眠りが深くて起きないお客様もいらっしゃるので、その場合は110番をする、近くの交番を頼って警察官の方に起こしていただくという対応をします。

今まで私含めたくさんの女性社員がその状況を経験してきているので、入社後に「先輩はどうしてましたか?」と周りの人のお話も聞いてみて欲しいです。

質問②『GO』アプリの地域格差について

Mさん 自分も『GO』アプリは結構使うのですが、地方の実家に帰ったときに、『GO』アプリでタクシーを呼ぼうとしても対応してないというのが現状です。その地域格差をどういう風に直していこうと考えているのかお聞きしたいです。

若林 まさにMさんと同じように困っている方は地方にたくさんいらっしゃいます。今『GO』アプリではそのような問題をなくすために、アプリを運営する「GO株式会社」では各地域のタクシー会社を訪問し、『GO』アプリの契約を結んでいただくようお願いをしています。タブレットの導入や、乗務員向けの様々な施策を「GO株式会社」が用意して契約しやすい環境を整えつつやっているところですが、契約地域・台数の拡大には時間がかかっているというのが現状です。

ただ、利用者の方々がタクシーを呼ぶ方法も「電話からアプリ」「流しからアプリ」にどんどん変わってきています。コマーシャルを武器にどんどん地方の会社と契約を結び、確実に増えてはいますので、もう少しお待ちください。

質問③コロナ禍以前のピンチについて

Tさん コロナ禍でタクシー業界もダメージがあったと思いますが、コロナ禍以前にもそういう経営的なピンチやタクシー業界が変わらざるをえないようなピンチはありましたか?

若林 コロナ禍前だとやはり「東日本大震災」。その年の3・4月ぐらいは一気に落ち込みました。けれども、7・8月ぐらいからは徐々に復活して一年と経たないうちに元に戻りましたので、コロナ禍に比べたらかなり復活は早かったですね。

その前だと「バブル崩壊」かな。これは相当堪えました。営業所を縮小したり、労働条件を見直したり、不動産や関係会社を売却したり……。しかしそれ以降、ハイヤー・タクシー業に経営資源を集中させてからは経営危機というのはほとんどなくなりましたね

コロナ禍では特に、タクシーがエッセンシャルワーカーとして社会生活に欠かせない仕事であることを認めていただいたことが大きく、コロナ禍というピンチも、非常に前向きにとらえることができたんです。

国や自治体が色んな形で援助してくれた結果、実現したのがニューノーマルタクシーの導入であり、コロナ軽症感染者の搬送業務です。それらを実施して社会生活を維持してきた面が評価されました。改めて、タクシー業界にはできることがたくさんあるんだと実感しましたし、厳しい状況でもやっていけるんだという自信ができたのは逆に良かった点ですね。

質問④関西の観光タクシーについて

Tさん 観光タクシーについての質問です。
日本交通は大阪にも営業所があると思うのですが、2025年に大阪関西万国博覧会がある影響なのか、最近観光客がとても多い印象です。大阪でもいずれ観光タクシーを導入する予定はありますか?

若林 関西に東京日本交通(大阪・神戸)という日本交通のグループ会社があり、そこではすでに観光タクシーのサービスを行っています。ただし担当できる乗務員の数がまだ少ない。そのため、需要に対して応えきれていないという状況です。

観光シーズン、特に3・4月の桜のシーズンに相当数注文が入るようですが、結果として3割しか受注できていません。もったいないですよね。関西の代表とも「観光案内ができる方を育成していかなければいけない」と意見交換しています。Tさんのように観光タクシーに興味をもって取り組んでいただける方にぜひ入社していただきたいです。

◆若林社長から24卒内定者にメッセージ

若林 わずかな時間でしたが、日本交通の取り組みや今後のチャレンジについてお話することができました。皆さんに期待しているのは、タクシーがどんどん進化していることをもっと世の中に伝えていくために、発信力を高めていただきたいということです。

社長としては、働いている社員が日々やりがいをもって、明るい笑顔で仕事ができる環境を作っていかなければなりません。改善・修正するところがあれば進言ができるような仕組みをこれからも整えていきたいですね。

ですから皆さんはチャレンジすることを恐れずに、日本交通の中に飛び込んできていただけたら嬉しいです。そして、そんな皆さんとぜひ一緒に仕事をしていきたいなと思っています。

Text:Naho Horie

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