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コロナ禍を生きる学生たちへ。日本交通会長・川鍋一朗のメッセージ

ご乗車ありがとうございます。日本交通新卒採用担当です。

今回は、日本交通(株)会長・川鍋一朗が就活生に向けて行ったセミナーの模様をお届けします。

最強の企業研究、それは企業のトップに直接話を聞くこと。

日本交通とMoT(Mobility Technologies)の会長、そして全国ハイヤー・タクシー会社の会長と3足の草鞋を履く川鍋の目には、どんなタクシーの未来が見えているのか。

セミナー前半では、タクシーをはじめとしたモビリティの進化について、活躍する社会人になるために必要なことや、川鍋の乗務員時代のエピソードなどが飛び出しました。

後半では、「自動運転やUberなど移動の進化をどう捉えている?」「社員の失敗についてどう思う?」など、22卒の就活生のぶっちゃけ質問にも答えます。22卒の皆さんに向けてのメッセージもいただきました。

このイベントはYouTubeの生配信とZOOMの同時配信が行われました。

そもそも川鍋一朗とは?

冒頭に紹介した通り、日本交通とMoT(Mobility Technologies)の会長、そして全国ハイヤー・タクシー会社の会長を務めています。詳しくは前回の記事をチェック!

それでは講演スタートです。

アクションする人が勝ち組になる

「今はIT全盛の時代だからこそ、人が体験した情報や人の知識といった二次情報はググれば出てくるし、それで知ったかぶりもできる。それを自分が得た直接の一次情報にするにはアクションするしかありません。アクションする人としない人の差がますます出てくる時代。実際行ってみてやることで、その想定したリスクが10なら、8のリスクが消えるものです。」

「今日このイベントに申し込んでくれた方は、すでにアクションをしている。それが大事。私もnoteを書いている(※)けど、書き方をググってからやろうとはしない。まずは書くというアクションを起こすこと。」

「アクションした者が報われる。それができてるあなたたちは勝ち組です。おめでとう! 全員内定!(笑)」

――すみません、会長。そういう会ではないです(笑)

(※)会長の書いているnoteはコチラ

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1000人採用にかける思い

「まずは内定された方おめでとうございます。今年は1000人採用します。日本交通にとっても、タクシー業界にとっても、皆さんにとっても、チャンス到来です。新卒で入った皆がどれだけ活躍してるか、それによってタクシー業界が前に進んでいるか進化してるか、注目してください。」

「皆さんの父母にタクシー運転手になると言ったら確実に「えっ」と言われると思う。でも考えてみてほしい。親御さんの時代の就活トップ企業はどこも、合併してるかもうないかです。今の時代、最初に入った会社に一生いるという考えは薄くなっています。自分がどれだけ活躍できるかは大事。活躍すれば仕事にポジティブになって、どんどん仕事もうまくいく。」

社会で活躍するコツ

「じゃあ活躍するにはどうするか? 最初に活躍する土台をどう作るかが大事。活躍するコツは打席に立つこと。それだけ、以上!」

「とにかくアクション。会社組織はアクションをとれるかどうか。これやりたいです、と言っても『お前新人だろ、10年早い』と言われる。皆さんまじめだから『そうかも』と思ってしまうかもしれない。」

「そうして10年たって、いざ打席に立ってみて先輩のやっていたことをマネする。それを無意味とは言わないけど、とても非効率です。それよりも始めから実際に打席に立って打ってみる。」

「企業選びで大事なことは、若手のうちから打席に立つチャンスがその会社にあるかどうか。そういう意味ではタクシーは毎日が打席なので成長スピードが速い。」

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タクシーは若者だからこそ活躍できる

「タクシー業界は穴が開いてる。平均年齢が50代後半で、20代、30代がいない。かつてタクシーはいろんな仕事を経験した人が最後に行きつく業界だった。」

「でもこれからは変わる。タクシーは社会貢献に直結している。アプリを通じてタクシーがトラックやバスになる。フードデリバリーや相乗りといったサービスが生まれ、これからMaaSと言われている分野でタクシーが一人勝ちになっちゃう。」

「創業92年目の会社なのに大変革が起きる。ここに皆さんのような20代や30代がぽっかり空いてる。これほどいいポジショニングはない。日本は人口ピラミッドが逆三角形になってる。」

「普通は若いうちからこういう風にYouTubeチャンネル開設したり、Nプロやったりできないんだよ。普通は『お前、経験ないから却下。』ってなる。日本交通はそういうのを自分の打席に立ってやれる。成功も失敗もある、でも振ってれば当たるから。皆3回に1回は当たるよ。」

「この世の中の『え、タクシー運転手?』っていう上の方の人たちの昔のタクシーの印象さえ突破できれば、自分の頭で考えて行動できる人であれば、若い人にとってこの業界はチャンスでしかない。

「社会人一歩目としてこれほどの場所はない。新卒のみんなは体現してくれてる。皆さんの中から社長が出ると思ってる。幹部社員もいっぱい出るはず。全員社長候補です。」

「仮にこのご時世で転職するとしても、日本交通にいる間鍛えられたと思えるように。転職したらどれだけ自分が実績豊富かわかると思う。だからってお前ら転職すんなよ(笑)。」

――まだしません(笑)。

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3.11の帰宅難民を支えた、エッセンシャルワーカーとしてのタクシー

「産業として公共交通機関なので、緊急事態宣言の時も、政府から最低3割4割は稼働してくださいという事業継続要請が来る。地震や台風などの時、タクシーは最後まで動き続けている社会移動インフラ。」

「3.11の時、歩きかタクシーしかなかった。営業所には乗務員さんから『今日はとことんまでやらせてください』という電話がジャンジャンきた。お前いつもは『サボりたい』って言ってるくせに何で急に(笑)、というくらい使命に燃えていた。」

「でも乗務員の走れる距離は1日に365キロと法律で決まってる。いくら走ってもOKとはいかない。ただその日だけはとことんやってこいという指示が出た。それが社会を支えた。」

「ただ、それは国土交通省が定めている道路運送法に違反する。私はタクシー協会長もやっているので、国交省の自動車局旅客課の当時の課長に電話した。」

「『課長、今日は緊急事態です。とことんまでうちは走ります。なので1日の乗務距離や乗務時間を超えるかもしれません。この電話で超えてもいいかと許可を取ろうとは思っていません。だけどそういうつもりでやりますので共有させてください』とだけ言って、ガチャンと電話を切った。」

「相手も役人だから、立場上法律違反を「いいですよ」とは言えない。だけど電話1本入れとけば、タクシーが平常時の法律を違反しないよりも、超えてでも非常事態に対応する方が世のためになる。」

「台風の時も、電車やバスが止まってもタクシーだけは動き続ける。そういう時にインフラだと思うし、そういう時に乗務員は燃える。公共交通機関が動いてないのに彼らは営業所に来るんだよ。『どうやってきたんだ』と言ったら『自転車で1時間半かけてきました!』とか。そのやる気を普段から発揮してくれ(笑)。」

タクシーという仕事のやりがい

「だからといって地震起これというわけじゃない。普段でも日本交通の専用乗り場や、アプリで指名して乗ってくださるお客様に『日交さん、待ってたんだよ』と言われるとやりがいを感じる。観光、介護、キッズタクシーはお客様の生活に触れる基幹サービスとしての醍醐味がある。」

『介護などの仕事は尊いけど、尊ければ尊いほどお金はついてこない。飲食や観光業界も。男性が結婚のために寿退社する世界。タクシーは規制業種で乗務員さんの生活や安全が担保されている。平均500万でしょ?』

――今活躍している20卒の平均はその数字に届きそうです。

「私も12年前に1か月だけタクシーをやったことがある。この時間この交差点を曲がったところに、どこ方面に行くビジネスマンがいると予想を付けて角を曲がると、本当にいる。釣りで狙ったところにヒットした感じ。俺の想定通り(ニヤリ)。夜の六本木なら、このあたりならあそこの高速入り口からあっち方面に帰るな、とか。結構頭を使う。ある意味ビッグデータ。そんな楽しみを見つけられる。」

「あとチップがもらえる。チップって不思議だよね。最初のたどたどしいときの方がもらえるから。」

「本当にいいサービスに対してくれる時もあるけど、一生懸命やってるなと言うときにふっともらえる。一生懸命さが大事なんだろうね。水商売の女性やヤクザみたいな人が意外とくれる。そういう人の方が酸いも甘いもわかっている。本当に自分が大変だったときに助けられたという思いが強い。あの頃の自分を思い出して助けてあげたいと思う。当時の経験は勉強になった。」

――ここからはZOOMで参加している内定者や、YouTubeの視聴者の質問に答えていきます。

質問①仕事をするうえで最も大切なこと

日本交通の社是は「徳を残そう」。何のために仕事するのか。突き詰めると世の中にいいことをしたいというところに帰結する。自分のする経営判断が最終的に世の中のためにいいものを積み重ねられればいいなと思いながらやっている。MoTも一緒。「移動で人を幸せに」。日々実践。まじめに答えちゃった(笑)。

質問②世の中の変化をいち早く察知する新しいアイデアを生み出すために日々大切にしていることは何ですか?

日々自分のやるべきことを一生懸命やることだと思っている。新しいことないかな、と意識的に考えたことは一度もない。毎日自分のことをやる。すると日々見たニュースで「これ使えるじゃん」となる。それを企画する。例えばニューノーマルタクシーなど。絶対こうやった方がいいよなとなったもの。

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タクシーに関しては絶対に日本一考えてると思っている。そこはプライドを持ってる。皆さんもあえてアイデア出しの訓練をする必要ない。自分のことを毎日リスク取ってやってると、何かの情報に接した時に、これは自分ならこうしようと思いつく。サークルでも勉強でも親孝行でも突き詰めてほしい。突き詰めるプロセスが大事。

質問③タクシー王子アゲインはないですか?

――時代もセダンからジャパンタクシーになりましたからね。またタクシーに乗ったりはしないんですか?

乗りたいんだけどさ、乗務員証が失効しちゃったんだよ。すると、また地理試験受けないといけない。俺、地理苦手なんだよ(笑)。もう一回あの地理試験を受けるのは勘弁してほしいな。

しかも今会長じゃん! これで試験に落ちたら「会長が試験に落ちた~!」って言われる。でもなるほどと思った。頭の片隅に入れておきます(笑)

質問④自動運転やUberなど、一見するとタクシー業界にとって逆風と捉えられるものの進化の波をどう捉えていますか?

自分が努力してやってる限り大丈夫。自動運転タクシーにしても実証実験など、率先してアクションをとり続けている限り、他の人に先を越されることはない

日本は法治国家だから、「自動運転になりました、日本交通の免許取り上げます」とはならない。10年位前に全世界同時発生的にテクノロジーが生まれた。Uberが生まれ、日本では10年前日本交通アプリが生まれた。問題は、「それは俺達には関係ない、敵だ」という姿勢。自分でやらないと本当の敵になる。だからIT会社を始めた。

自分でリスクを取って自分で行動する人を周りは見ている。何もしないで文句ばっかり言ってる人は誰も救わない。でも一生懸命努力している人には手を差し伸べてくれる。

東京のタクシーを全自動にするのは20年は起きない。30年後も怪しい。自動運転で大事なのは車歩分離。車と歩行者を分けること。高速道路や駐車場から始まる。イレギュラーな動きに弱い。日本の道は狭くて歩車分離できない。まずはバスのような運用から。

自動運転機能は味方。セダンからジャパンタクシーになって自動ブレーキがついた。そのおかげで事故もセダンの時より軽症で済んでる。テクノロジーや自動運転を味方につけ、我々がモビリティの最前線にい続けることが大事。

質問⑤会長ってどんな役割?

自分の今やってる会長は世の中の会長とは違う。世間でいう会長は上がり。社長をやめたおじいちゃんがやる。会社のことはあまりやらず、財界と繋がっておたくと組みましょうという話がトップダウンでできたりする。

私の場合は、所属する3つの組織のリソース配分。それぞれのスピード感を合わせてシンクロさせる、プロデューサー的な立ち位置。チームをまとめて方向性を決める。今は新しい時代で変化が激しいから、オペレーションの会社とテクノロジーの会社と規制当局、3つが同じ方向むいていかないとぎくしゃくしちゃう。今後同じ立ち位置の人が出てくるんじゃないかな。

それはあくまで一つの分野を深堀りした実績があったうえでのこと。自分はこの分野はやってきた。どの分野でもできる人はできるし、できない人はできない。アクション取り続けて成果出し続けた人ができる。そういう人たちの思考回路や行動様式は似ている。すぐわかる。

その領域の全員は味方にできなくても、その中で一番できる人、実行能力のある人と結びつく。ありていに言うとキーマン。役職×実力者がベストだが、そうでないこともある。この人が動けば周りを説得してくれる。俺はその中の論理はわからないけど、こっちからこういう方向で球投げるから、こういう方向に打ってくれと。「わかった」と。それで打ってくれる。そういうことができると醍醐味を感じる。

最初は自分がどこかで成果をだすのが大事。組織に入ったとき大事なのは、信頼感。この人に頼めばこの分野は任せられるという人になること。そのためには成果が出るまでやり続けるだけ。当たるものと当たらないものが出てくる。当たったときに当たりました!と言ってると、あいつできるな、となる。

ちなみに下から上がってくる企画をOKそれでいこう、いや、もう少し考えて、となる基準だけど、企画の中身は正直見てない

――ええええ!!!

こいつが持ってきてこれくらいの熱意で言ってるならOK。このNプロジェクトの企画も、今の新卒チームなら1000人採用いけるなと思ったからOKを出した。「Nプロ、よくわからないな、でもやってみろ」と。

それは、それだけ新卒チームが成果出し続けてきたってこと。今新卒で入れば、そういう新卒のメンバーの一員になれる。周りの人にどれだけ感化されるか。周りが「適当でいいじゃん」と言ったらおしまい。「一緒に頑張ろうぜ」というのが大事。

質問⑥働いていれば多くの失敗もあると思う。社員の失敗についてどう思うか?

「お皿を割る人はお皿を洗っている人」です。

ミスする人は最前線に立って手を動かしているから皿を割っている。失敗に対して言い訳しないかどうかは大事。「すみませんでした」と潔くいってくれる方が圧倒的にいい。人は「いや、〇〇さんがこう言ってくるんで」と少しずつリスク分散する。そういう態度は潔くないよね。

それにミスしないやつの方がチャレンジしてないと言うこと。テスラのイーロン・マスクが言ったことで「もし今あなたの周りで混乱が起きていないのなら、あなたは十分なスピードで走ってない」

進歩している限り、失敗や軋轢は必ずある。何も起きてないならチャレンジの量が少ない。日本交通ではお皿を洗う人がお皿を割ることには寛容でいたいと思っている。

質問⑦人を移動で幸せにすることの意義をどのように捉えている?

運命ですね。私はタクシー会社の家に生まれたわけなので。日本人に生まれたというのに近い。自分がここまで育ったのもタクシー業界のおかげというのが根本になる。

移動のことで言えば、タクシーがタクシーだけではなくなる。すべての移動を包含して、人も物も情報も”ラストワンマイル”はタクシーが担うことになる。タクシーが一番フレキシブルで、そこにテクノロジーが乗るとありとあらゆることがタクシーでできるようになる。その場にいられるのはラッキーと思うし迷いはない。この道を突き進むのみ。

質問⑧なんで1000人採用できるんですか?

業界ナンバーワンですが、大きい業界なので、マーケット全体におけるシェアは2%くらい。東京だと15%くらい。この業界は広い。乗務員さんがいれば活躍の幅は広げられる。業界をよくするには日本交通を大きくすることだと思っている。

本当は5000人採用!って言いたい。昨年までの採用規模でいくと数字は500人を目指してというところだが、コロナで環境としてもアドバンテージ。新卒チームとは信頼関係がある。この延長で500人じゃつまらない。簡単にできるのはチャレンジじゃない。有効求人倍率が下がってるのでチャンス。日本交通のため、タクシー業界のため、日本のために1000人必要です。

会長から22卒へのメッセージ

「自分を信じる」

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とにかくアクションあるのみです。時には失敗もするでしょう。そのたびに自信をなくしたり、「あなたには無理」と言われたりするかもしれない。でも、大抵のことはできます。できないならもう一回やればいいんです。その時、自分はダメなんだと心折れてしまうのが一番の敵。自分の直感を信じて貫いてください。

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おまけ①裏方紹介

この日の会長イベントを成功させるため、たくさんの新卒採用人事が協力しました。

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台本やスライドの作成、司会進行、配信の操作、会場の予約とセッティング、カメラマン、告知メール文の作成、SNS投稿、当日の出欠確認、学生さんへの架電etc……すべて新卒採用担当チームのメンバーで行いました。

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今回のイベントは、川鍋会長、そして配信をご覧いただいた皆さんがいなければ成功していません。新卒採用チーム全員からお礼を申し上げます。

\本当にどうもありがとうございました!!/

おまけ②実はメッセージはもう2枚……

実は発表した1枚の他に、もう2枚メッセージがありました。川鍋会長には内緒でこっそり公開しちゃいます☆

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お知らせ

来週も会長が出演するイベントがあります!

次は26日(火)14:00~15:30

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エントリーがまだの方は、今すぐエントリーをお願いします。また違ったイベントにする予定なので、今回のイベントに出席してくださった方もぜひ!企業のトップである会長に質問できる機会はめったにありません。この機会をお見逃しなく!(会長が言うところの”アクション”です!)

ここまで読んでいただきありがとうございました! また日本交通をよろしくお願いします。

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