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浅草、芋金の思い出

東京駅に着きました。近代的なビル群は私が住んでいた当時では考えられないほどの森を作ってそれぞれが周りに調和しながらも個性的。駅に着いたのはお昼前でした。

私は住みやすい住みにくいを除けば東京と言う都心が大好きです。
真っすぐに続く広い道の向こうには皇居の森。神聖な場所と私は思っています。

そこを見下ろすビルは建ててはいけないと聞いたのは昔の事。
お構いなしにそびえているのは致し方ないことなのでしょうか?

娘が丸の内迄迎えに来てくれました。
そこで遅めの母の日ということでランチに誘ってくれました。
軽井沢にある人気のイタリアンらしく、でもそこはビジネス街。
ランチ目当てのマダムたちと言うよりは短いお昼休憩を楽しむ人たちでにぎわっていました。そこからも皇居の森がみえます。

二泊三日の日程で娘宅にお邪魔することとなり、孫たちはいつもより早くに学校から帰ってきてくれました。孫娘も幼稚園バスを降りるや否や小走りで、家に着くとそおっと私がいるか覗きます。ぐんと背も伸びて立派な幼稚園児です。

次の日は娘の提案で浅草まで。
普段の日なのに外国人や修学旅行生で久しぶりに見た人の波でした。

お店の並ぶその中に満願堂の「芋金」
私たち母娘にとっては忘れられない思い出の味です。
小学3年生で鍵っ子になり、柴犬のアルとのお留守番の毎日でした。
そこで和菓子の好きな娘のために会社帰りに阪急によってお見上げを買うのが習慣になりました。知らぬ間にコーナーが無くなり東京にしかないと知り残念ながら他のものになりました。

娘が「お母さんといつかこの芋金を食べたかった!」と言うのです。
主人が逝ってあの時は私も不安を隠して毎日なにかと戦っていましたが、さぞや娘も心細かったでしょう。そんな彼女が三人の母になり私をエスコートしてくれる年になって昔を懐かしんでいる。

家に帰って「あ~この味!懐かしいわー。」とほうばる横で何も知らない子供たちはやはり和菓子が好きで美味しそうに食べています。あの時の味は忘れかけていましたが、そのほのかなお芋の甘い香りは当時のことを連れてきてくれました。あの頃を懐かしむ娘の横顔が当時のままです。

なんだかほっこりしたのは私だけではなく、それを楽しむ人数が増え今があります。これを小さな幸せと言うのでしょう。

夜にはパパも早めに帰宅、ビニール袋には私の好きな銘柄のビールが詰まっていました。久しぶりの再会。ごちそうはこれも私の誕生会ということで手巻きずしで祝ってくれました。ほろ酔い加減で孫たちといろんなことで笑ったり楽しい時間はあっという間でした。

明日は12年ぶりに同期と会います。
楽しみと思えるのが少なくなってきた昨今ですが、ちょっとワクワクしながら先に寝息を立てる孫と一緒に夢の中…。


この記事は帰宅した次の日に書いているのですが、そんな楽しかった一昨日のこともすでにどんどん遠くになっています。留まらないから愛おしいってことでしょうか?

今日もあと少しですがいい日で終えましょう!







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