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「昆虫愛」を封印してきた過去に別れを告げ、「昆虫アナウンサー」として独自の道を歩み始めたわたしの紆余曲折

●先日の上司との会話●

上司「今度小学生がNHKの見学に来るんだけど、話をしてもらってもいい?」

私 「いいですよ!(アナウンサーの仕事について紹介すればいいのかな・・・)」

上司「内容は昆虫についてで!」

私 「???????」

画像 昆虫について語る筆者

本当に良いのだろうかという疑念を胸にしまい、子供たちに昆虫の魅力を熱く語りました。(なぜか虫について語るアナウンサーをキラキラした目で見てくれた子供たち、ありがとう)

こんなオーダーが来るアナウンサーは、全国広しといえども私だけではないでしょうか。

とはいえ、私は長い間、昆虫愛を仕事では封印してきました。まさに、秋田の地で、幼虫が羽化するように、「昆虫アナウンサー」として変態したのです。なぜそんな事になったのか、その変化や昆虫愛についてお話しさせてください。

※昆虫の写真がたくさんでてきます。虫が苦手な方はご注意ください。


というわけで、こんにちは。

秋田放送局アナウンサーの宮﨑慶太です。
現在、夕方のニュース情報番組「ニュースこまち」のキャスターを務めながら、ことあるごとに、昆虫について皆さんにお伝えしています。
さらに、隙あらば放送で昆虫の写真を出して語り、企画を作っています。

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季節は冬になり、現在、家には、クワガタが20匹程、水生昆虫類わずか40匹程しかいない状態ですが、夏には200匹を超える昆虫たちを飼育し、標本の作製も行っています。

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親子で楽しむ!昆虫超世界 2020年10月4日放送・自宅にもカメラが…
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我が家の飼育部屋の様子
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限られた時間の中で、昆虫の魅力をたっぷりと紹介!

日々、昆虫愛を放送を通じて炸裂させてきたところ、秋田局には、多くの昆虫の写真やお手紙が届き、種類を教えて欲しいという連絡が来るようになり、街では「昆虫の話題面白いですね」と声をかけていただくようになりました。

画像 いただいたお手紙と写真
「この虫の名前を教えてください」などのお問い合わせも。
ニュースこまちの中でお答えしています。

●昆虫の魅力●

これを読んでいただいている皆さんも、小さい頃には昆虫を追いかけ、手に取り、家で飼っていたという人は多いのではないでしょうか?
私も物心ついたときからそんな昆虫大好き少年で、あの時からずーーーっと、昆虫に心がトキメキっぱなしなんです。

画像 幼少の筆者
幼少期の私。休みの日は朝から晩まで昆虫採集にいそしんでいました。

一番古い昆虫の記憶は、3歳頃に見た「カブトムシ」です。
羽化したばかりの白い背中を初めて見た時の光景は、神秘的で感動し、今でも目に焼き付いています。
以来、すっかり昆虫のとりこになった私。行く先々で出会った昆虫の美しさ、すばらしさ、その奇跡ともいえる生態に、心を奪われ続けています。

画像 昆虫の数々
印象に残る美しい昆虫の数々
上段左から、カブトムシ、ミヤマクワガタユキグニコルリクワガタ
下段左から、コノハチョウ(裏側)、コノハチョウ(表側)、ヒメギフチョウ

皆さんにもこの記事でたくさんの昆虫を紹介したいと、1000枚以上のコレクション写真からお気に入りを編集部に提出。しかし、『写真が多すぎる!』とまさかのNGが…。泣く泣く写真を小さくして1つにまとめました。

※少しでも興味を持ってくださったみなさん、私のコレクションを見ればきっと魅力が伝わるはず!この記事の最後に「おまけ」として掲載していただいています!

画像 大小さまざまな保存容器
いつ何時で会えるかわからない昆虫、とっさの出会いに備えて、
中学生の頃から常にカバンには保存容器を持ち歩いています。

●わたしのキングオブ昆虫はゲンゴロウ●

何といっても昆虫の魅力は、「無駄がなく美しい造形」さらに、「実際に手にする事が出来る」事です。
図鑑で生息地を調べ、地図を見て採れそうな場所を探し、実際に何度も様々な場所に通い、その先に待っている手にできた時の感動は、言葉に言い表すことは出来ません。

大人になって、感動で手が震え、思わずガッツポーズしたことがありますか?
それを体験できるのが昆虫です。

なかでも私が大好きなのが、ゲンゴロウです。体型がきれいな卵形で、なめらかな曲線美。背中は深い緑。そして光が当たるとエメラルドの様に輝きを放ちます。黄褐色の腹部も良いアクセントです。後脚は正にオール。赤みがかった脚には毛が生えていて、泳ぐ度にキラキラと輝きます。
泳ぎは優雅の一言。水の抵抗を感じさせないなめらかな動きでゆったりと自由に泳ぎ回り、時に素早く動くこともできる。自分の生きる環境に適応し無駄が全てそぎ落とされた、完成形ではないでしょうか。

画像 ゲンゴロウ

美しい色、ムダのない流線型、優雅な泳ぎ。その全てに魅了されます。
小学生の頃、西日に照らされ田んぼで泳ぐゲンゴロウの美しさを知ったその時から、私の中で一番好きな昆虫になりました。

大きさは4cm程ですが、さらにこちら。

画像 ニセルイスツブゲンゴロウ

目がかわいらしいですよね、ニセルイスツブゲンゴロウといいます。こちらは体長4mm程しかありません。

ゲンゴロウ類は、模様や生息地も多様で、こちらのチンメルマンセスジゲンゴロウ、

画像 チンメルマンセスジゲンゴロウ

肩の黄色がアクセントになってますよね。
生息地は、本州では秋田や静岡、山口などと飛び飛びになっていて、不思議な種類です。

こんなに魅力的なゲンゴロウ達に会いたくて、気温が1桁になった秋田でも、胴長を履き、一人ぽつんと池の中で網を振るっています。

●実は封印してきた昆虫愛●

そんな私も秋田局に来るまでは、昆虫について放送で話したり、昆虫愛を強く表に出したりする事はありませんでした。それはひとえに「愛ゆえ」です。昆虫は私の「癒やし」であり「趣味」であり「心の支え」なのです。

仕事にしてしまえば、期日までにやらなくてはいけなく、もっと伝えたくても時間に納めなくてはならず、何より大好きな虫で自分を追い込む状況が生まれる。

そんなことは言語道断!昆虫への冒涜!!

そう考えていたのです。

NHK入局後も、プロフィールには書くものの、番組内で発表したり、企画を作ったりすることはありませんでした。周りから提案されても正直乗り気ではなく、秋田に転勤するまでは、ほぼ昆虫に関する仕事はしたことがなかったと記憶しています。
そもそもアナウンサーを目指したきっかけは、宮城・岩手内陸地震です。地元・宮城県でテレビ局のアルバイトとして現地に行った際、放送には映っていない地元の方々の現状を何とか自分の言葉で伝えられないかと思った事でした。
入局して8年程は、ニュースや災害報道などを担当しながら、主にスポーツ実況を担当。サッカーや野球など様々な種目を勉強し、取材に行き、全国各地での実況などを行っていたので、放送で昆虫を扱うタイミングもそもそも多くなかった気がします。

転勤で環境が変わろうとも、そのスタンスは変わりませんでした。
ただ転勤は、今まで行ったことのない土地の昆虫と出会える一大イベントでした。

●これまでの勤務地で出会った昆虫たち●

NHKに入局して最初に赴任したのは四国の香川県。それまで東北でしか生活した事がなかった私にとって、どんな生活が待っているのかワクワクドキドキしていました。行き先を告げられ、同期達とワイワイした後、私がすぐに調べた言葉。

それは、「香川 昆虫」「香川 昆虫 特徴」「四国 昆虫」

そう、これは今でも転勤や旅行の度に、いの一番に打ち込む文言です。

初任地の香川での印象的な昆虫はヒメタイコウチ。

画像 ヒメタイコウチ

水生昆虫ですが、水深の浅い場所や、水がしみ出すような湿地に生息しています。香川や愛知、三重などの限られた地域にしか住んでいない昆虫で、初めて見た時は、例に漏れず手が震えました。

 次の勤務地は青森県。北東北に住むのは初めてで雪などが心配でしたが、まずは「青森 昆虫」を検索。私の大好きなゲンゴロウ類が生息する環境が多くあることを知りました。

画像 昆虫たち

青森は水環境の良い場所が比較的多く残っている印象で、家から車ですぐの場所に、ゲンゴロウやエゾゲンゴロウモドキ、ハッチョウトンボなど、全国では中々目にすることができない昆虫たちに出会う事ができました。

こんなに大好きな昆虫なのに、仕事はNG。
今考えても、なぜそこまで頑なになってしまっていたのだろうと思うくらいですが、その考えを変えたのが、秋田への転勤でした。

●秋田でついに昆虫愛が公私ともに炸裂●

秋田局での担当は夕方のニュース・情報番組のキャスター。防災減災への取り組みを行う一方、キャスターが各地へと出向いて自分の面白いと思う話題などを自由に取材し、放送に出そうという方針の番組でした。

その一つとして企画した、秋田出身の昆虫学者・前野ウルド浩太郎さんへのインタビューがあります。そのウルドさんとの出会いが、私の考えを大きく変えてくれました。

ウルドさんは、世界で猛威を振るう「サバクトビバッタ」の生態を研究し、その防除方法などを解き明かそうとしています。今年ついに、防除にも繋がると考えられる、新たなバッタの生態を解き明かすことに成功されています。

画像 サバクトビバッタ
画像提供:前野ウルド浩太郎
画像 カメラを構える
画像提供:前野ウルド浩太郎

ウルドさんの著書を読んでいた私は、秋田に転勤するからには、一度実際にお会いして話を聞いてみたい、どんな方でどんな思いを持って昆虫と向き合っている方なのか知りたいと常々思っていました。

そのチャンスが、転勤してきた年に巡ってくるとは!

当時、主に海外で研究を行っていたウルドさんが日本に帰ってくる。
どうしてもインタビューしたいという衝動が抑えられず、新潟まで出張し話を伺いました。

画像 ウルドさんと筆者

 ウルドさんのお話は、発する言葉のひとつひとつが新鮮で、心躍るようなものばかり。

「バッタに食べられるのが夢」という程の愛や、触りすぎてアレルギーになってしまうほどの打ち込み方、そして好きなバッタを必要以上に憎まれる存在でなくなるよう、優しく数をコントロールできないか、という考え方など、話を聞けば聞くほど、その愛の深さや考え方に驚かされました。

子どもの頃からの思いを持ち続け昆虫学者になる夢を叶えたウルドさんの話を聞いていると、なぜ自分は、昆虫が好きという思いをそんなに抑えようとしているのだろうかと疑問に感じるように。
そして、自分の中で「自分のため」あくまで「趣味」であった昆虫が、もしかすると、世の中をちょっとでも良い方向に変えていく、心を豊かにしてくれる力があるかもしれない。これまでとは違う、昆虫を愛する方法があるのではないか、と考えが変わっていきました。

自分がアナウンサーとしてその魅力を伝えることで、環境問題に興味を持ってくれる人が増え、昆虫も守られるかもしれない。しかも、秋田局ならば、大好きな昆虫を思う存分番組で語れるかもしれない。

もうやめてくれと言われるまでとことんやってみようと、昆虫アナウンサーへの道を歩み始めました。

【そして昆虫アナウンサーを公言・ネクタイやタイピンも・・】

やると決めたらとことんやる!

積極的に昆虫に関する企画を提案。昆虫の採り方や、標本の作り方、県内で見つけた昆虫の紹介など1年で10本以上は放送しました。お天気コーナーで、その日の天候を表す写真を紹介する際も、いかに昆虫を入れ込んだ写真を撮るかを苦心しました。気象予報士に「また虫ですか」と突っ込まれても構いません。

県立博物館で昆虫を担当していた先生にもお世話になり、昆虫のあらゆる事を教えていただいていますが、
「こういう人が局にいると周りも大変でしょ」と呆れられもしました。

そんな言葉をかけてもらえることを喜んでいる自分に気がついた時、ようやく虫好きとしてのスタートラインに立てたと思えました。
(ちなみに、昆虫について放送をする時は、こっそりと昆虫ネクタイやタイピンを装着してます)

画像 昆虫グッズ

するとどうでしょう、秋田に来て2年目に入った頃からは、秋田局宛てに、皆さんが見つけた昆虫の写真やエピソード、昆虫の雑誌の切り抜き、お子さんが作った昆虫の折り紙などが届くようになり、知らない虫がいた場合には、種類を教えて欲しいとお手紙をいただけるようになりました。

昆虫が、視聴者の皆さんと自分を繋いでくれているような一体感さえ感じています。

【秋田で昆虫展も!】

そんな秋田での集大成とも言えるのが、昆虫をテーマにしたイベント「昆虫だいすき!BUGS PARK」です。開催は2020年の夏。私の虫好きが局内でも完全に認知されたこと、視聴者からの反響も良かったことから、もっと皆さまとつながりたい、という思いを抱いていたときに、イベントを担当する職員から、やってみませんか?と話が上がり実現したものです。

画像 昆虫展の様子

NHKに隣接する広いイベントスペース全てを使い開きました。
これまで昆虫展には、何度も足を運んだことがありましたが、自分で考えるとなると、何を置いたら楽しんでもらえるのか、どこから展示物や資材を調達するのかなど課題が山積み!
(ほとんどイベント担当者に頼りっぱなしでした、、、)

加えて新型コロナという未知の状況が生まれ、開催そのものが危ぶまれました。生きた昆虫を展示する予定だったスペースは、県外の業者が新型コロナの影響で来ることが出来ない状況に。

生きた昆虫のいない昆虫展なんて、昆虫展じゃない!じゃあ自分で採る!!
最終的には県内の昆虫を私が採ってきて展示する事に。

「いつもならあの場所にいるのに、なぜいない?」
「どこにでもいると思っていたのに、いざ探すと見つからない、、、」
「この虫のエサはホームセンターに売って無いなぁ、エサも採ってこなくては!」など。

好きな昆虫を好きに採るのとは訳が違い、見て楽しんでもらえる昆虫を展示期間までに採集し、生かしておく必要もありました。これまでに感じたことのないプレッシャーに押しつぶされそうになったのを覚えています。
他の担当職員と共に、胃が痛いと言いながら、遅くまで展示物などの準備もし、前日夜に完成した会場を見上げたあの景色は忘れられません。

画像 会場の様子

本番当日は、コロナ禍で入場制限などもある中大勢の人達が集まってくださり、自分で採ってきた昆虫や標本などを嬉しそうに見ている様子は、心からやって良かったなぁと思えるものでした。

画像 会場の様子
画像 展示の様子

また、トークショーや標本作製実演、連動して行った昆虫番組の撮影では、これまで画面やラジオを通して見たり聞いたりしていた、昆虫写真家の山口進さんや、NHKラジオ子ども科学電話相談に出演されている清水聡司さんなどと交流することができ、私自身がさらに昆虫にのめり込んでいくきっかけになりました。

画像 山口進さんと筆者
画像 清水聡司さんと筆者

あれほど、「昆虫」と「仕事」は別!と言って避けてきたのにも関わらず、実際にチャレンジしてみると、これまで以上に多くの知識を得ることができ、多くの人達と知り合うことができ、昆虫にさらにのめり込んでいきました。もちろん大変なこともありますが、それでも昆虫は私を癒やし続けてくれましたし、何より新たな魅力を私に見せてくれました。
狭い自分の世界の中で昆虫を見ていた頃は、興味の広がり方のスピードが鈍かったと思います。昆虫が好きだなどと、あの程度で言っていた自分が恥ずかしいくらいです。
多くの知識や知見に触れたことで、新たな昆虫の世界が広がり、あれが知りたい、これも知りたい、この分野にも手を出してみたいと、興味がビッグバンのように広がっています。

今の自分が、人生で一番昆虫を愛し、昆虫のことを考え、楽しんでいる自信があります!そして、早く次のシーズンに確かめたいことがたくさん出てきています!

これらは全て、秋田で昆虫愛を前面に出したからこそ得られたことだと思います。私の昆虫に対する思いを受け止めてくださった秋田県の方々にも心から感謝していますし、この地で素直にその思いを表現して良かったなと心底感じています。


昆虫に対する思いをつらつらと書き連ねてきましたが、ここまでお付き合いいただき本当にありがとうございます。

今、世間では、SDGsや環境問題にという言葉をよく耳にします。そんな中、最も身近に命を感じ、環境の変化を感じられるのが昆虫だと思います。最近、昆虫は採らずに観察しましょうという流れもあると聞きます。確かにそれも一つだと思います。

一方で、標本という物は、その土地に、その時に、その生き物が実在したことを示し、過去にさかのぼって確認できる大切なものです。それがないと、写真では見分けがつかない種類の判断はできず、いつから自然が変わり始めたのかを知ることができません。
また生き物を飼う事で、命の大切さや、今まで知ることができなかった生き物の面白さに気がつけるキッカケにもなり得ます。

もちろん、採り過ぎないことや、生息環境を壊さないこと、飼っている昆虫を野生に戻さないといった、ルールやマナー、採る数や方法など、環境に配慮する事がとても大切です。ルールを守りながら昆虫と触れあう中で、植物や環境に興味を持ち、守っていきたいと思う人が一人でも多くなれば、未来の自然を守っていくことに繋がると思います。

そんなキッカケを少しでも作っていけるよう、何より自分のワクワクを追求していけるよう、これからも、プライベートだけでなく、番組を通しても皆さんにも昆虫の魅力をお伝えしていけたらと思います。

画像 筆者

※2022年10月26日 記事を一部修正しました

おまけ その①この場を借りて・・・誌上昆虫展開かせてください!

さあ、最後に、本編からカットされてしまった、美しくかっこいい昆虫の写真の数々をご堪能ください!

ちなみに、昆虫との出会いは、いつも突然。

会社帰り、コンビニのドアの前にゴホンダイコクコガネがいたり、ロケ終わり駐車場で休んでいるところにチャイロスズメバチ飛んできたり、球場で取材をしているところにタマムシが飛んできたり。とにかく突然なんです。

今年もNHK秋田局の屋上に、秋田では採集例が多くないオオセイボウがやってきました。

画像 オオセイボウ
画像 オオセイボウのアップ

この時は、ジョウロで捕獲し、密閉保存容器へ。
こうした出会いがあるため、常に臨戦態勢で備える重要性を実感しています。

画像 ハンミョウ

こちらも美しい「ハンミョウ」近づくと少し先に飛んで逃げることから、「ミチオシエ」などとも言われます。
昆虫アナウンサーとしての道も教えて欲しいものです。

ハンミョウといえばこちら。

画像 ホソハンミョウ

「ホソハンミョウ」といいます。今年秋田で見つけたのですが、2008年以来の採集記録。まだ秋田県内に生息していたことが分かり分かりました。

画像 モンキアゲハ

秋田では67年ぶり2頭目のモンキアゲハ
採集後放送でもお伝えしました。元々は暖かい地方に住んでいて、秋田にはいないチョウ。地球温暖化の影響があると考えられ、嬉しい反面複雑です。
ですが、幼少期に地元宮城で捕り逃がした事があり、自分の中でも印象に残っている特別なチョウです。(昆虫をやる人の中では、チョウは匹ではなく頭と数えることが多いです)

画像 ハッチョウトンボ

羽を広げても、1円玉くらいの大きさしか無い「ハッチョウトンボ」
最初に見たときには、ハエかハチが飛んでいるのかと勘違いしました。

画像 チビゲンゴロウ

ゲンゴロウも多様な種類が。2mm程しかないですが、漆器のような渋さが魅力です「チビゲンゴロウ」

画像 ホンシュウオオイチモンジシマゲンゴロウ

今年日本最北と思われる場所を見つけました「ホンシュウオオイチモンジシマゲンゴロウ」。漆器の沈金の技術でも使われているのでは?と思ってしまいます。

ゲンゴロウ類は、日本に約140種類いますが、その4割近くが絶滅危惧種に指定されています。生息地を守る事や、採集・観察の際も、採りすぎない事や生息環境を壊さない事など、細心の注意が必要です。

画像 キタアカシジミ

「キタアカシジミ」は北海道や東北地方などに分布していて、一般的なアカシジミと比べると淡い色合いをしています。青森に赴任した年に大乱舞に遭遇した時は、時間を忘れてずっと眺めていました。

画像 オオゴマダラ

南国のチョウはダイナミックですね。この「オオゴマダラ」は日本最大級のチョウ。沖縄でふわふわ飛ぶ姿は美しいの一言です。

画像 スジグロカバマダラ

「スジグロカバマダラ」もその姿を見たときは、改めて暖かい地域のチョウの明るい模様に感激しました。

画像 ナナホシキンカメムシ

こちらも南国の昆虫「ナナホシキンカメムシ」。美しくても臭い。ここはぶれません。

画像 タマムシ

最後は「タマムシ」です。意外と東京などでも生息している場所があるんですよ。
秋田ではまだ発見されていませんが、温暖化などの影響で、まもなく確認されることもあるかもしれないですね。

おまけ その②業務連絡・NHK内の昆虫好き職員へ

NHKには大勢の職員が在籍しており、様々な趣味を持っていて放送までつなげている職員もいます。鉄道やアニメに詳しい方は多く聞きますし、秋田局にはヘビーメタルに詳しい上司のアナウンサーもいます。

そんなNHK昆虫界のトップを走っている方と言えば、記者の斎藤基樹さんだと思っています。斎藤さんは、ブータンシボリアゲハという幻のアゲハチョウの仲間の生きた姿を映像で収め、NHKスペシャルまで作った人です。

斎藤さんに比べると、私の虫好きなど足下にもおよばないのです。最近では、Eテレの番組「香川照之の昆虫すごいぜ!」も人気を集めていますが、昆虫をテーマにした番組は、正直あまり多くないのかなぁと思っています。一方で、勢いとしては、「昆虫すごいぜ!」もそうですし、日本全体として、昆虫には今追い風が来ていると感じています!

NHK昆虫党を組織し、面白い番組やイベントを行うなら今です、今なのです!

今こそ立ち上がり、愛と熱意がこもった物を作り世に発信していこうではありませんか!!

ということで、ここからは「業務連絡」です。
我こそは昆虫好き!という職員の皆さん、秋田放送局の宮﨑慶太まで、メールまたは電話をください。

初心者でも構いません、昆虫の魅力を発信していきましょう!

画像 執筆者へのメッセージはこちら