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恋人のおかげで大切なことに気づけた


私は物心ついた時から、セクシャルマイノリティである自分自身がコンプレックスの塊だった。

恋愛でも上手くいかないことが多く『どうせ自分は幸せになれない』なんて思っていた。


今の彼女とお付き合いした当初は嬉しい反面、『私と交際を始める前まで異性愛者(所謂ノンケ)の人だから、きっとすぐ嫌になって私のこと振るんだろう』なんて思いながらも嫌われないように必死だったのを覚えている。

彼女と一緒にいられる幸せを感じる分、気分が酷く落ち込むこともあった。

男でも女でもない中途半端な立場である自分に嫌気がさしたり、更には付き合ってくれたノンケの彼女に対しての罪悪感が募っていったり。

そんな不安が爆発した時、私は彼女に、

「貴女には他に幸せになれる選択肢がたくさんあるのに、こんな私が束縛してごめんなさい。やっぱり異性が良い、結婚して家庭を築きたいと一瞬でもそう思ったら、その時はすぐに振ってね」

なんてことを泣きじゃくりながら言ったことがある。(今思い返せば、我ながらくそ面倒くさい奴だなと思う)

それを聞いた彼女は、私に対してこう言った。

「私は同情心で貴女と付き合ってるわけじゃない。そんなこと言われなくても、今までもれからも自分が一番幸せだと思う道は自分で選択するよ」

この言葉を聞いた瞬間、衝撃を受けた。彼女の言葉が格好良すぎてびっくりしたのと同時に、彼女に対して申し訳ない気持ちが溢れた。

私と真剣に向き合ってくれている彼女対して私は全く向き合えていなかったことに、やっと気づいたのだ。

『彼女は私と違って、自分の意志をしっかり持っている素敵な人だ。この人と一緒に生きて行きたい。そして、私のことを一人の人間として好きになってくれた彼女のためにも、自分のことを好きになってあげよう。自信を持って生きよう。自分を否定することは、私のことを好きな彼女の気持ちを否定するのと同じことだから』

そう強く思わせてくれた。


それ以降、心が随分と軽くなった。自分のことを悲観する癖もなくなり、彼女とも自分自身ともしっかり向き合えるようになった。

彼女の言葉によって自分の性や恋愛に対しての考え方の変化が、彼女と生きていく上で大切で重要となるベースとなった気がする。

私にとっては大きな出来事だったけれ彼女は「私そんなこと言ったっけ?」と全く覚えていない様子。

相変わらずな彼女だけれど、きっとこれからの人生の中でも私にたくさんの幸せや学びを与えてくれるのだろう。


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