「ドキドキ文芸部プラス!」プレイ日記 ~第5夜~
引き続き、「ドキドキ文芸部プラス!」(switch版)のプレイ日記になります。
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⚠ 以下、ネタバレがあります。
未プレイの方はプレイしてから閲覧することを強く推奨します。
また、この記事は第5夜です。
第4夜から続けてお読みになることを強く推奨します。
初回の第1夜を読んでいない方は、そちらからお読みください。
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■隠しファイル群からの考察
本作の仮想OSにおけるデスクトップには、様々な隠しファイルがあります。
その多くは「Internal」フォルダに格納されており、通常では開くことの出来ないテキストファイルが数字の名前がついたフォルダに巧妙に隠されていたり、通常のファイルに偽装された中に1つだけ埋まっていたりします。
このデスクトップの時計は現実の時間と連動しています。
そして、これらの隠しファイルを開く方法は、特定の時刻にファイルにアクセスする以外にありません。
これらの隠しファイルから得られる情報は、主にプログラム「DDLC」の開発者達に関する情報です。
開発者達が「DDLC」を作り上げるまでにどういったミーティングを行っていたのか、それに際して取ったメモ、フィードバックを受けての所感……などなど。
隠しファイルの1つである「project plan.txt」の情報を含めると、開発者達の名前は以下の通りです。
・Ro
・Ravi
・Lib
・Ive Laster
・Rea
・Paula
・Barry
太字は「プロジェクトメンバー」と見られる人物であり、最後に挙げたBarryという人物は外側の人間かつ、この『プロジェクト』に対して否定的であった人物のようです。彼に直接話を通さずに管理上層部に掛け合うように!といった、気持ち強めの注意書きがあることから、彼が「プロジェクトメンバー」にとっての厄介者であったことを伺わせます。
この上記5名の名前は、他のテキストファイルにも頻出します。
彼らの所属する組織(会社)の名は「METAVERSE Emterprise Solutions」。
ゲーム起動=仮想OS起動時に現れるロゴの正体はこの組織でした。
なお、初回特典にも社の名刺と思われるカードが付属しています。
どうしてそんなことがわかるのかと言えば、未開放の要素を調べているうち、ついに仮想OS上にメールが届いたからです。
From: Ive Laster<ilaster@mes.local>
To: 無題のメールグループ(使用不可)
Date: 2019年12月9日0:06
Subject: よい週末を!
今週はこれから私は休暇に入る予定だ。そのため、サーバータイムを予定するときはRaviへ連絡するように。しかし、今週多くのデータが回収できたため、作業は数日かかると予想される。私が仕事へ戻ってきたら、結果について話し合う席を設けるのはどうだろうか?
差出人はIve Laster。
そして、このメールのフッターには「METAVERSE」のロゴと「リードエンジニア」という彼の役職が書かれており、文体からも、やはり彼がこの『プロジェクト』内における中心的な立場であったことが伺えます。
先程の「project plan.txt」にも、Iveについて「まあ……入れない理由がない」と表記されていることから、部下から信頼される人物だったようです。
さて、ここで一つ疑問が生じます。
Iveからのメールを受け取ることができるこのマシンは一体誰のマシンなのでしょうか。
マシン、といえばもう一つ。
隠しファイルのテキスト内には「VM1」「VM2」という単語が頻出します。これらについて「project plan.txt」にはこう書かれています。
VM1 - 現在のプロジェクト(小規模シミュレーション)
VM2 - 今後のプロジェクト(中規模シミュレーション)
また、このテキストファイルにはプロジェクトプランの「上位概要」として、8つのステップが書かれています。この中にもやはり「シミュレーション」「シミュレート」といった単語が頻出します。
その中でも、目を引くのはこれらの記述。
1. 人が解読可能なファブリックベンチマーク結果の作成
(私達がシミュレートされた世界に生活していることを示唆する)
4. ターゲットタイム閾値までシミュレーションが安定化するまでイテレーションを実施
(これはシミュレートされた世界の小規模な内容である!)
この「私達」とは言うまでもなく「プロジェクトメンバー」のことです。
では、「シミュレートされた世界」とは?
言うまでもなく、それはプログラム「DDLC」のことでしょう。
この「DDLC」というプログラムの中で、「プロジェクトメンバー」達は登場人物を装って生活している?それは一体どういうことなのか。
現状、この謎を紐解くことはできませんが……
この「VM」という単語が何の略であるかは、ここまで来れば嫌でも見当がつきます。
Virtual Machine
……ではないでしょうか。
Virtual Machine1を使ってのシミュレーションは小規模に。
そして、小規模のシミュレーションが終わったあとでVirtual Machine2でさらに規模を広げたシミュレーションを行うのです。
そしてVM1=現在のシミュレーションと記述されているので、「VM1」=「ドキドキ文芸部本編」=「DDLC」であるという図式が成り立ちます。
さて、「ドキドキ文芸部」に登場する人物は4人だけです。
例外はありません。
なぜなら本編中にモブキャラクターの存在が描写されたことは一度たりともなく、存在しているのは本当に4人のキャラクターだけだからです。
「VM1」=「ドキドキ文芸部」=「DDLC」であるならば、小規模シミュレーションとはこの最小構成によるものだったのでしょうか。
さて、「VM1」についての事実が明らかになったところで、隠しファイル「Missing notes 3.txt」に気になる記述があります。
VM1で5番目のエンティティ?
オリジナルの遺伝子モデルではなく、データダンプにもない……とても不気味だ
まず、この「オリジナルの遺伝子モデル」とは何かといえば、これは先程の「project plan.txt」に書かれている下記の記述を参照します。
3. 遺伝イテレーションに向けパラメータ構築
(ひとつ以上のエンティティのために、カスタム化した特権アクセスレベル)
このエンティティとは何かというと、IT用語で「実体」を意味します。
わかりづらければ「存在」「個体」と読み替えてもいいかもしれません。
これを踏まえると、カッコ部に書かれているのは「VM1における1体以上の個体のために、カスタム化したルート権限を付与しよう」といった内容になります。
カスタム化したルート権限というのは、前回触れた通り「ドキドキ文芸部」本編における「文芸部部長」の肩書きのことです。
本編ではこの権限はモニカに付与されていましたが、モニカが削除されリセットした後はサヨリに改めて付与されました。
「プロジェクトメンバー」がこの権限をエンティティに対して付与しようとした理由はわかりませんが、改めて紐解くと「VM1」=「DDLC」内部にはそういったルールがはじめから定められていたということがわかります。
改めて「5番目のエンティティ」という単語について考えましょう。
先程、「ドキドキ文芸部」の登場人物は4人しかいないということについて触れました。そしてエンティティ=「実体」ですが、「VM1」=「DDLC」=「ドキドキ文芸部」の図式が成り立つ今、それは「登場人物」とも読み替えることができます。
実際にどんな人物がいたか、名前を挙げて見ていきましょう。
①サヨリ
②チナツ
③ユリ
④モニカ
当初「ドキドキ文芸部」本編で想定されていた攻略キャラは3人でした。
そして『4人目』であるモニカは「文芸部部長」の肩書き=ルート権限を持つ特殊な登場人物(エンティティ)ですが、彼女も最初からこの「ドキドキ文芸部」の登場人物に含まれていたため、開発者が驚くような「例外」にはなり得ないはずです。
では、モブキャラクターの存在しない「ドキドキ文芸部」本編における『5人目』の登場人物(エンティティ)とは何者なのでしょうか?
これは、あなたのせいでもあります。
そうです。
その『5人目』が現れなければ、全てが上手くいっていたのです。
登場人物4人の調和を大きくかき乱した、罪深き存在。
キャラクターファイルに含まれておらず、ダンプファイルにも存在しない唯一の人物。
その『5人目』とは、
主人公(プレイヤー)なのではないでしょうか。
「プロジェクトメンバー」が原因がわからず不気味がるのも無理ありません。フォルダ内に存在しない幽霊が如き存在がシミュレーションの結果を大きく乱していたなんてことは誰にも予想できるはずがないのですから。
しかし、ここで最初の疑問が再浮上します。
この、ルート権限を持ち、Iveからのメールを受け取ることもでき、なおかつプログラム「DDLC」=「VM1」にも自由にアクセスすることができるこの仮想マシンは一体誰のものなのか。
そして、その人物は何のために「VM1」=「DDLC」に介入したのか。
少なくとも、PCの所有者については、Ive Lasterからの新着メールを受け取った時点でIve本人のものではあり得ません。
(わざわざ自分に対して業務連絡をする必要がないため)
では、それ以外の「プロジェクトメンバー」の誰かのものなのでしょうか?
Iveの役職はリードエンジニアです。
メールの口調からも彼よりも上の立場の人間は、プロジェクト内に存在しないでしょう。ですが、彼はあくまでプロジェクトの統括的な立ち位置であり、「DDLC」に直接手を加える技術者ではおそらくありません。
前述の通り「project plan.txt」にはチームメンバーの一覧が載っています。
その中には少なくとも技術者とみられる人物が2人います。
Ro (司令量子サーバの知識に最も詳しく、アクセスできる)
Ravi (Roに次いで詳しい)
また、別のテキストファイル「Meeting notes 1.txt」にはこんな記述があります。
VM2の障害 - データ収集はRoがVM2にあたり、残りの全員がVM1にあたる。
Roという人物は「VM2」(中規模シミュレーション)≠「DDLC」において発生したシステム障害の対応に駆り出されているようです。
本編である「ドキドキ文芸部」、つまり「DDLC」=小規模シミュレーション「VM1」にまつわる作業には「プロジェクトメンバー」の残り全員があたったようです。
前述のIveのメール「よい週末を!」によれば、たくさんのデータが手に入ったために作業は数日かかるとのこと。よって、Roは「VM2」にかかりきり、残り全員は「VM1」から離れられないということになります。
また、Iveは同メールで「私は今週休暇に入るから、何かあればRaviに連絡するように」と伝言を残しています。
つまり、RoとIveが不在の状況での最高責任者はRaviです。
元のプロジェクトメンバーは、4人。
そこから「VM2」の復旧作業にあたるRoと休暇に入ったIveを抜くと、現場にいた「プロジェクトメンバー」はRaviとLibの2人に絞ることができます。
(勿論、現場にいた「プロジェクト」内部の人間がたった2人だけだったという話であり、現場の人数が2人だけだったとは限りませんが)
Raviは、Roに次いで技術者として優秀だったようです。
そして、Libについての詳細は「「Lib」(ライブラリ)フォルダと名前が競合している」という半ギレ気味のメッセージ以外、全く掴めません。
ひょっとすると、この2人どちらかのマシンを通した「VM1」の復旧作業を、プレイヤーが追体験しているのではないでしょうか?
それを「ドキドキ文芸部」というギャルゲーのフィルタを通して見ているだけだとしたら……
しかし、それでは復旧にあたった「プロジェクトメンバー」がバグの原因がわからず「気味が悪い」と書き残した事実と矛盾してしまいます。
さらに、その予想が正しかった場合、未知の『5人目』が潜んでいることになってしまいます。
全くありえないとは言いませんが、ミステリーのお約束ごとにおける伏線なしの双子トリックのようなことになってしまうでしょう。
Raviが現場における最高責任者であったことを考えると、このマシンはRaviのものということでしょうか?
そうとは言いきれません。
なぜならIveからのメールには、こう書かれているからです。
サーバータイムを予定するときはRaviへ連絡するように。
Ravi本人に宛てたメールであれば、こんな表現を用いる必要はありません。
では、残ったLibに宛てたもの?
そうと『も』言いきれません。
このメールの宛先は「無題のメールグループ(使用不可)」。
特定の多数に送られたために、こういった表現になっているようです。
その中にはRaviとLibの両者が含まれていたのでしょう。
そしてこのメールグループ、どうやら「プロジェクトメンバー」達が使用しているようですが、「(使用不可)」という語句が引っかかります。
これが「返信不可」なら、まだわかります。
しかし、このグループは「使用不可」。
一体、どういうことなのか。
「DDLC」プロジェクトそのものが既に凍結されている?
いや、これだけ大掛かりなプロジェクトを行っておきながら「METAVERSE」社がそれを簡単に凍結したり、放置したりするとは考えにくいです。
何より、そうなってしまえば、このマシンを起動しているプレイヤー=私の立場の説明がつきません。
しかし、休暇を経て仕事に復帰したIveが、何故か以前より積極的な発言をしなくなってしまったという記述には怪しいものがあるのも事実です。
プロジェクトそのものに何かがあったのであれば、モニカの暴走を止める者がいなくなってしまった状況にも頷けます。
そもそも、ルート権限を用いることができるマシンを使って「DDLC」にアクセスしているのはどんな人間なんでしょうか。
①アクセスしているのはルート権限を使用できる『部外者』であり、マシンの持ち主ではない。
今の所、考えやすいのはこちらの説です。
ルート権限を用いることができ、「DDLC」のデータが保管されたマシンの場所を知っており、容易に侵入ができる立場。
おそらく「METAVERSE」社の中の誰か……それも管理上層部の人間ではないでしょうか。
ですが、侵入したからといって、「DDLC」に対して害をなそうとする悪意を持ったクラッカーであることは考えにくいです。何故ならプレイしている私がそうでないからです。
Barryという人物が「DDLC」について否定的な立場であることは描写されていますが、こういった理由から彼は無関係であると思われます。
そうなると、何故わざわざ「プロジェクトメンバー」の目を盗んで侵入したのかはわからなくなってしまいます。
②アクセスしているのは「プロジェクトメンバー」のLibである。
Libについては情報がほとんどなく、背景が不明な人物ですが、「プロジェクトメンバー」である以上「DDLC」=「VM1」を起動する理由として妥当なのは、システムのメンテナンスのためではないでしょうか。
ですが、現場の最高責任者であり技術者であるRaviを差し置いて、わざわざLibが頑張る理由がありませんので、この説は説得力が薄いです。
③アクセスしているのは「プロジェクトメンバー」のRoである。
「VM2」の復旧を終えた後のRoが対策に回っている説。
「VM2」のシステム障害がどの程度の規模であったのかは、プレイヤーである私が窺い知ることはできませんが、誰にもどうしようもない状況をスーパーハカーであるRoがハッキングしてなんとかした!というのもありえない話ではありません。
うーん……
隠しファイルに書かれた情報を紐解いていくと、徐々に恐ろしい内情が浮かび上がってくる「ドキドキ文芸部」というゲーム。
謎が謎を呼ぶプログラム「DDLC」を取り巻く事情。
ベストエンディングに辿り着くことで、文芸部員達の世界は幸せな結末を迎えられるのでしょうか。
それとも、さらに残酷な真実が私を待ち受けているのでしょうか。
私は、モニカが自らを犠牲にして終わらせた、この世界を……
再び、リセットすることにした。
ちょっと、ここで停止。
「ENTITY」から始まる4行の文字列に注目して欲しい。
最初の3行のデータは「NONE」。何も入っていないようだ。
が、4行目にのみ「MONITOR_KARNEL_ACCESS」というデータが格納されているらしい。
さて。
この「MONITOR_KARNEL_ACCESS」という単語、引っかからないだろうか。
勘のいい方ならすぐに気付くと思われるが……
エンティティの4行目。
エンティティとは「実体」。
前述の通り、「登場人物」と読み替えることができる。
その『4人目』。
そこに格納されているのが───
「MONITOR_KARNEL_ACCESS」。
略して。
「MONI KA 」
■1周目(2)
まず1周目ですが、一度に全てのCGをコンプリートしなければならないため、最低でも2回は「ニューゲーム」する必要があります。
手順
①サヨリのCGを全て回収した時点で「ニューゲーム」。
②チナツのCGを全て回収し、ENDまで進める。
ADVの友「スキップ」機能を駆使しつつ、やっていきましょう。
さて、サヨリルートについては第1夜で語りました。
今度はチナツルートを進んだ感想を書きましょう。
詩の作成はとても簡単です。かわいい系のワードか、ひらがなか、音が連続する単語=オノマトペを選べばいいので、好みがわかりやすく、ひょっとすると一番攻略しやすい子なんじゃないでしょうか。
あまりに攻略しやすいことから、モニカから「チート使ってる?」などと冗談交じりに言われるほどです。そしてチナツ本人からはドン引きされます。
そして専用イベントですが……
か゛わ゛い゛い゛な゛あ゛チ゛ナ゛ツ゛ち゛ゃ゛ん゛
ああ……もっと「変態」と罵ってくれたまえ………
さて。
チナツがツンデレになってしまった=他人に対して素直になれない理由はややぼかされていますが、「毎日が辛い…」(レ)と泣きながら語ったり、家庭内で厳格なルールを定めるパパ(父)を極端に恐れていることから、学校でいじめに遭っており、家庭内での問題とWで悩みを抱えているものと思われます。
特に後者ですが、「家に食べ物を置かないからいつもお腹を空かせている」「そのせいで発育に影響が出ている」というのはいくらなんでも異常な境遇と言わざるを得ません。
超過激な自然派ヴィーガンとかそういうことなんでしょうか。
なので、文芸部がチナツの唯一心安らげる居場所だったのです。
部員を増やすかどうかで揉めた際にも、チナツが一番怒っていたのを私は覚えています。
穏やかな時間を過ごせる文芸部を守りたいという意思は、ひょっとするとチナツが一番強いものを持っているのかもしれません。
スカートが見えそうになるCG2のイベントで、ウィンドウの位置とカラーが奇跡的にぱんつの柄っぽいなとか、そんなことを考えていた自分を殴りたくなるぐらい、辛い毎日を送っていたチナツ。
性別は違うけれど、同じ趣味を持って近寄りがたい自分に歩み寄ってくれる主人公が入部したことで彼女の心はだいぶ楽になったに違いありません。
しかし、1周目は強制的にサヨリルートとなるため、チナツとどれだけいい感じになっても、どんな選択肢を選ぼうがサヨリが自殺してストーリーが終わってしまいます。
イジワル問題かよ。
1周目を終え、仮想OSのデスクトップに戻るとメールが届きました。
From: Rea Vorte<rvorte@mes.local>
To: 無題のメールグループ(使用不可)
Date: 2019年12月8日 0:06
Subject: サイドストーリー
コントロールシミュレーションに力を尽くしてくれた皆に感謝したい。VMへの接続を途絶えさせることなく、モニカの特権アクセス許可を彼女に見つからないようにしておくことが、これほどまでに面倒なことであったとは、私も想像し得なかった。 ここではっきりさせておきたいのだが、「サイドストーリー」と名付けられた記憶は、コントロールシミュレーションの一貫であるという理解で正しいだろうか?所々に見られるキャラクターのディテールは、些細なものではあるものの、VM1にいるキャラクターとは若干異なっているようだ。モニカによる抜本的な変更から起こったバタフライ効果の一部なのか、彼女が実験的に(あるいは遊び半分かもしれないが)他のキャラクターを改変したものなのか。 記録によると、5つほどの異なる世界を確認できたというところだろうか。なお、その3つか4つの世界はモニカによって当然のように破壊されていた。興味深いことに、どれが「現実」世界なのか精査したいのだが実際にはどれも現実なのだ。私たちの世界が現実であることと同様に。
差出人はRea Vorte。役職は「システム管理者」。
ここで、Reaのフルネームと素性が判明しました。
前項にも書いた通り、Reaは「プロジェクトメンバー」ではありません。
「METAVERSE」社における「上層管理部」の人間と思われます。
また、Reaがこのメールをリスト全体に送っている以上、このマシンはReaのものでないこともはっきりしました。
彼の言う「サイドストーリー」とは、以前も少し触れましたが「ドキドキ文芸部プラス!」における新要素のことです。
文芸部員同士の交流を描いた番外シナリオであり、本編の進行状況に関わらず読むことができます。
このメールにおいて重要なのはそこではありません。
まず1つ目、「ドキドキ文芸部」本編=「DDLC」=「VM1」の図式が彼の発言によって裏付けられたこと。
断片的なテキストファイルから立てた予想でしたが、このReaの発言によって予想が事実として確定しました。素直に嬉しいです。
そして2つ目、モニカに意図的にルート権限を持たせたにも関わらず、何故かそれをシステム管理者達が彼女に見つからないように隠蔽していたこと。
VMを構築する上で、ルート権限を持ったエンティティ「MONITOR_KARNEL_ACCESS」をどうしても配置しなくてはならなかった事情があったということなのでしょう。
残念ながら、それが何なのかは現時点ではわかりません。
しかし、「プロジェクトメンバー」達は彼女にシステムを掌握されるのではないかという危機感を持ち、彼女の行動のいちいちに肝を冷やしながらVMを管理していたことは想像に難くありません。
そして恐れていた事態は現実のものとなってしまいました。
一体、何故こんなことになってしまったのでしょう?
■2周目(2)
さて、2周目です。
ここからね、怖くなって参りますよ。
スキップ機能を駆使しても、まだ見ていないホラーシーンがあると止まるので恐ろしいですね。口だけリアルになったチナツがマジで気持ち悪い。
2周目やることはこちら。
手順
①ユリを攻略する。
以上です。
2周目のユリの恐ろしさは身を持って知っているので、まだ未知のイベントがあるんだと思うと震えが止まりませんね。
スキップを駆使しつつ、怖いシーンをおさらいします。
(2度目なので慣れたものです)
あれ?
リストカットのシーン2回なかった?
(画面が暗くなってくる)
あ、ここからヤバいやつだなこれ。
(茶をすすりながら)
ユリ「ゼイタさん……」
ユリ「最近、モニカちゃんの様子がおかしいのは私の気のせいなのでしょうか?」
ユリ「私が入部した時から、ずっと優しい方だったのに……」
ユリ「でも最近、彼女がいると何かトゲトゲしたものを感じるんです」
そこに気付くとは!さすがお客さん!!
ユリ「私がおかしいわけではありませんよね?」
ユリ「違いますよね!?」
<●><●>
お、おう……お前はちっともおかしくないよ。
だからそんなに睨むなよ。こ、怖いだろ……
流石に、2周目のユリは違います。一筋縄ではいきません。
お?今度は正常か?と思ったらしっかり狂っています。
主人公に対し、凄むユリ。時々怖い目になります。
ハッハッハ。ユリよ。
こちらを脅しているつもりなんだろうが、もうその手にはのら……
ん?
何か、ユリの立ち絵に重なってない?
何か、透けてない……?
このSilhouette、白いリボンとポニーテールは……間違いありません。
紛れもなくヤツです。
(ヤツ…?)
ユリー!うしろうしろー!!
ユリがナイフがどうとか言っていますが、そんなのは気になりません。
文字送りする度にもっと怖いヤツがくっきりと浮かび上がってきますから。
ウィンドウに貫通するはやはりモニカ。
もはやお家芸です。
問答無用でシーンが切り替わります。
そっか、まだ詩の見せ合いしてなかったっけか……
モニカ「ちゃんと忠告したからね、ゼイタ君」
ピロンッ
はい いいえ
このよくわからない選択肢も二度目です。
今度は「はい」を選んでやりますか。
すると、こんな詩が。
聞こえる?
アハハッ (人の声のようなSE)
ハッ。
幼稚だな。
あのなぁ、もうこの程度じゃビビらないんだよ。
それにな、モニカ。約束しただろ。
お前達全員を幸せにするために、俺は恐怖を克服したんだ。
今更、虚仮威しに屈する俺ではないわッ!!
さて、ユリの告白シーンです。
今度は「はい」を選んであげましょう。
いいぜ。俺は皆を幸せにしたいんだ。当然、お前の愛も受け入れてやる。
ユリ「あはははははっ」
プツッ
プツッ
ブツッ
ドサッ
いや結局死ぬんかーい!!!!
どうやら、ユリの死もまた避けられないようです。
どういて……どういてじゃ………
ここでデスクトップに戻ると、新たなメールが届いています。
見てみましょう。
From: Lib Musi<lmusi@mes.local>
To: 無題のメールグループ(使用不可)
Date: 2019年12月7日 0:06
Subject: キャラクターの矛盾
コントロールシミュレーションを行うと、特定のキャラクターがセリフもろとも消失した。モニカによる干渉は、我々が考えるよりかなり不器用なものであると考えられる。というのも、彼女とユーザー間で強制的な交流をするためにに、彼女自身でこの「キャラクター」を生成しなければならなかったのだから。そのために、この「キャラクター」は限定的かつ不協和な個性になったのではないと考えるのは深読みのしすぎだろうか。 この「キャラクター」の異常に関する情報収集及び観察を開始すべく課題として挙げようと思う。
今度はLibからのメールです。
フルネームはLib Musi。肩書きは「エンジニア」と判明。
時系列は3通あるメールのうち最も古い時刻となっています。
Libからメールが届いたことで、プレイヤー=マシンの使用者がLibではないことがハッキリしました。
内容は「DDLC」のキャラクターに関する記述。モニカの干渉って思ってるより大雑把だよね~みたいな内容が書かれています。
ユーザーとは勿論、主人公=プレイヤーのことです。
「そのために、」のせいで文章が大変分かりづらいですが、モニカがプレイヤーと交流するために他のキャラクターの人格を改変した事実について、「彼女はわざわざこんなことをしたけれど、これってモニカの干渉がなくても最初から各キャラクター達は最初から人格に以上を来していたんじゃないの?」というLib君の予想のようなことが書いてあります。
確かに、概ね彼(?)の予想は当たっています。
2周目、ユリと主人公の廊下でのやりとり。
ユリはナイフを使って自傷行為をしているところを主人公に見られています。
そして次に出会ったときには主人公に対してナイフコレクションの自慢話を始めます。
実は、似たようなやり取りは1周目にもありました。
ユリが文化祭の飾り付けを作るのを手伝ってもらうために主人公の自宅を訪れたときのこと。
このとき、ユリのバッグにナイフが入っているのを主人公が見つけます。
それに対し、ユリはやはり2周目でしていような自慢話を始めます。
その後、主人公がナイフで指を切ってしまい、とっさにその指を舐めるユリと、舐め返す主人公のイベントがあります。
そして、主人公が席を外し、戻ってきた瞬間のこと。
ユリはとっさにまくっていた袖を主人公から隠します。
もうおわかりかと思いますが、ユリのナイフコレクションは元々持っていた彼女の趣味であり、自傷行為はモニカの干渉なしでも行われていたのです。
そのことをLib君は指摘しているのです。
モニカの干渉があったにせよ、元々人格に問題を抱えたキャラクター達が揃っているのは一体どういう理由があってのことなんでしょうか。
そして、マシンの使用者候補予想はLibが外れたことにより、完全にふりだしに戻ってしまいました。
うーん、一体誰なんだ……
さて。
switchの充電が切れてしまったので、今夜はここまで。
<第6夜に続く>
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