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あの“グルメ野球場”にメキシコ料理専門店がオープンしたので行ってきた。

プロ野球・埼玉西武ライオンズの本拠地、ベルーナドームに今年も新グルメが登場する。

スタジアムのマップには飲食店がずらりと並ぶ。

ベルーナドーム、通称・ベルドはプロ野球界でも有数の“グルメスタジアム”と呼ばれており、「球場飯」がおいしいと思う球団を問うたWebアンケートでは3年連続で1位に選ばれた(参考)。

まもなく開幕を迎える西武ライオンズからこのたび、新しい球場グルメのお披露目会にご招待いただいたのでここでレポートする。

今年のベルドは1塁側が熱い

2024年、ベルーナドームのグルメ関連の新展開は1塁側に集中している。3月23日にL’s テラスエリア最上部にオープンする「L’s MEXICO」をはじめ、「 & Butchers」「肉飯 とやま」「麻婆豆腐専門店 SCRAMBLE」などの計4店舗が新たに加わった。

& Butchersは同じく1塁側に出店中の「BACKYARD BUTCHERS」に続き、球団OBの米野智人氏が手掛ける。新店舗は好みの太さのポテトに9種類のディップソースを選べる「BUTCHERS POTATO」が看板メニューだ。

肉飯 とやまでは牛肉、豚肉、鶏肉それぞれのお重が食べられる。高級感と満足感のあるお弁当だ。SCRAMBLEは辛味よりも旨味の強い広東風の麻婆飯がイチオシ。

そしてもちろん、今年一番の注目は「L’s MEXICO」である。

L’s MEXICOが入るL’s テラスエリアは球場グルメのフラッグシップ的存在。毎年テーマをもった新展開がある。

昨年は3塁側にイギリスのクラフトビール「BREW DOG」のオフィシャルバーがオープンした。今年はいよいよ1塁側の番というわけなのだ。

球場では日本初、メキシコ料理の専門店

L’s MEXICOは日本の球場で初となる、メキシコ料理の専門店だ。

都内の人気店「タコスウェイ」と共同でメニューを開発し、本格的なメキシコ料理を届けるという。

メニューは代表的なメキシコ料理であるケサディーヤやタコス、ブリトー、ワカモレなど。ドリンクにはテキーラもラインナップする。

メインメニューである「L’s ケサディーヤ」はモチモチのトルティーヤ生地にチーズを挟んで焼き上げたもの。具材はチキン、ビーフ、ハラペーニョマンゴーなど5種類から選べる。

さっそく試食させてもらったが、これがめちゃくちゃうまい。ピザのように手づかみで食べられるファストフードだ。

ひときれ。これが円形になって提供される。

とろとろになったチーズがトルティーヤに合う。チキンもごろごろ入っていてボリュームだって申し分ない。

3塁側の目玉、窯焼きのピザに匹敵する看板メニューになりそうな予感がする。それくらい良い感じ。

なにより、球場で食べるのにぴったり。野球を観ながら、ビールとケサディーヤなんて最高である。

チキンがこぼれ落ちそうになるくらいぎっちり詰まっている。

座席を3塁側に取っていても、わざわざ1塁側まで出かけたくなるくらいの完成度。「球場をもっと歩きまわって、堪能してほしい」との思いからつくられたL’s MEXICOは、その目的を確実に果たしてくれそうな気がする。

その証拠に、「地元民」からの評判も上々だった。

新グルメのお披露目会には中南米出身で今シーズンから加入したアギラー、コルデロの2選手も参加した。

アギラーとコルデロも「完璧な味!」

練習の合間に参加してくれたアギラ―とコルデロ。消毒液をぬりぬり。

アギラーはベネズエラ出身、コルデロはドミニカ出身。母国ではケサディーヤやタコスなどのメキシコ料理を日常的に食べていたそうだ。

L’s MEXICOにあらわれて、ケサディーヤを目にするととてもうれしそう。大きな手でつかむと、そのまま豪快にかぶりついた。

かなり大きなケサディーヤだが、食べる2人もでかい。後ろの通訳さんもでかい。

味はどうかと問われた2人は、「おいしいよ」「これは完璧」「テイクアウトしたいくらいだ」と大絶賛。

お皿いっぱいのケサディーヤをあっという間に食べ終わった2人は、グラウンドをバックにポーズ。ここでもぺろりと食べてしまった。

もちろんテキーラは飲んでいない。

来日してから初めてのメキシコ料理。地元のご飯を食べてすっかりリラックスのアギラー、コルデロ両選手でした。

なお、この後、登場する予定のなかったヤン投手(ドミニカ出身)もふらっと現れて、「おれもケサディヤ食いたい」みたいな流れになっていたことをつけ加えておきます。

オフからはじまる新シーズンのグルメ企画

3月末の開幕戦から2024シーズンがスタートする。L’s MEXICOにもたくさんのお客さんが訪れるはずだが、これらの一連のグルメ展開は前年11月のシーズンオフ初頭から検討がはじまるという。

新店舗の検討から、既存メニューの入れ替え、選手のプロデュースグルメまで考えることはたくさんある。SNSでのファンの声(主に #獅子まんま で盛り上がっている)も聞きながら、どんなグルメでもてなすかを企画する。

「選手プロデュースグルメは、選手たちも本気で取り組んでいますよ」とは球団広報談。選手側も自分のメニューにはぎりぎりまでこだわって要望を挙げてくるそうだ。

新たに加わったメニューがあれば、当然、消えていった名作メニューもある。

たとえば辻監督プロデュースの「獅子リアンライス」。辻さんの退任とともになくなってしまったが、あれは純粋にうまかった。

ぜひ復活してほしい。そういう可能性はないものかと聞いてみると、「過去には復活したメニューもあります」とのこと。たしかにメヒアのパワープレートは宮木牧場のいちメニューに引き継がれている。

大好きだった獅子リアンライスや冷製カッペリーニなども気長に復活を待ちたいところだ。

西武ライオンズの魅力は野球、グルメ、noteに

取材後はいつもの通り、野球観戦をたのしんだ。

3塁側のブルペン前がお気に入りの席

ところで、西武ライオンズの魅力は目の前の野球の試合だけではない。

本拠地ベルーナドームのグルメはプロ野球のなかでもトップレベル。なんなら埼玉を代表するグルメスポットといってもいい。

ぼくの実家は所沢にある。子どもの頃からこの球場に通っていた。小学校の放課後は友だちと通うレフトスタンドの芝生席が遊び場だった。

いまも実家に帰ると、「ちょっと小腹が空いたから球場にいこう」みたいなことがよくある。ビールを飲んで、ピザを食べて、ちらっと野球を観て、またビールを飲む。たまに遠慮がちに歓声をあげたりもする。

野球が観れる商店街、フードコート?のような感覚かもしれない。

それともうひとつ、最近の西武ライオンズをたのしむ方法として球団の公式noteが加わった。

最近の記事もとてもおもしろかった。

「『ホームランボールは本当に看板広告に当たるのか』営業担当が本気で調べてみた話」という記事。

こういう「やってみた」系の記事はおもしろいものだ。実際、この記事には選手が登場したり、スポンサー企業の声も出たり、かなりリアルでたのしい。

他にも良い記事がたくさんあるのでよかったら「西武ライオンズ公式note」をフォローしてみては。野球ファンじゃなくても、きっとたのしめると思う。

西武ライオンズ公式note


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