因果関係の混乱

さてさて、日経ビジネス電子版に今朝方上がった記事『エネルギー価格急騰を背景に見るマツダの戦略』に早速コメントが付いてます。

いつも思うのですが、専門家を思わせるハンドルネームであんまり妙なことを書くのはねぇ。いかがなものかと。そういう信憑性の裏打ちをしたいならコメント内でちゃんと自分の仕事なり経験なりを書くべきではないかと思うのですよ。ハンドルネームなんてただの記号なのですが、例えばボクが「MBA」というハンドルネームを付けたら、なんとなくそれっぽい専門家の発言に聞こえるわけで、でもそこは嘘だったとしても「いやただのハンドルネームだから、あんたが勝手に早とちりしただけでしょ」と言えちゃうわけですよねぇ。コメント内で自身の専門性を記述したってそれも嘘かもしれませんが、それはもう意図的な嘘なので、良心の呵責のハードルには多少差はあるし、受け取る側も欺す気のヤツに欺されたってことになりるので、詮無しと。まあその微妙なハンドルネームは当該記事のコメント欄で確認していただくとして、コメントの内容です。

今回のエネルギー危機の主要因は、供給契約のあり方が原因です。長期からスポットに変更し原油価格の連動にしたことです。これをCO2削減とか、再エネ推進とかに直接的・短期的に結び付ることは正しくありません。

そりゃどういう因果関係ですか? 長期からスポットに買い方を変えるとどうしてそれを主要因としてエネルギー危機が起きるのですかね? エネルギー不足が発生して、その結果あらゆる資源価格が高騰したのだけれど、長期(ってかようするに先物)での契約をせずにスポットで契約してたから、直撃被弾を避けられなかったという話であって、スポット契約が増えると資源が足りなくなるなんてことは起こりようがないんじゃないでしょうか? まあボクが知らないだけで、専門家の方にはそこになるほどと思わせるだけの理屈があるのかも知れませんけどね。

それと記事には、かなり丁寧に「CO2削減や、再エネ推進が直接的・短期的原因ではないこと」を書いたはずです。それはシェール革命による原油価格の暴落が原因ですよと。ただそれにみんなが薄々以上に気付いていたのに、「やっぱり石炭・石油の投資しないとこの先エネルギーヤバいよね」という軌道修正の行く手を阻んだのは「CO2削減や再エネ推進」と表裏になった「化石燃料廃絶圧力」だったでしょ。ということを書いておりますですよ。だって投資が儲からない構造へと圧力が働いているわけですからね。

ということで、こういうハンドルネームマウントで怪しいことを書く人はかなり嫌いなんであります。フェアじゃないから。ちゃんと論を立てて、論の中で勝負すべきじゃないですかねぇ。

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