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校内フリースクールのゴールって何だろう

前回、校内フリースクール的教室について書いたところ、読んでくださる方が思っていたよりも多かったので、もう少し考えてみたいと思います。

普通学級というところ(通常級とも言います)、特別支援教室というところ、フリースクール的な教室と、1つの中学校に、さまざまな形態の学級があることをご存知でしょうか。

教員の配置というのは、通常級と特別支援(特支)と別に人員が配置されています。特別支援は、どうしても手厚くする必要があるので、人員の数も多くなります。

フリースクール的な教室(サポート教室とか呼ばれている場所)は、特に設置が義務づけられているわけではないのですが、今、急激に増えている不登校に対応するために、開設している学校が多くなっています。

人的配置がきちんとされている学校は稀です。
管理職が兼務していたり、通常級の教員+支援員(非正規)で運営することが多かったりします。

学校の外にあるフリースクールは、生徒の掌握がしやすく、それぞれどんな課題があって、その日にどんなことをするのか見通しが立ちやすいと思うのですが、
公立学校内では、そのような見通しがとてもたてにくいです。

元々の担任と、家庭とのやりとり、どんな経緯で、ここに来ることになったのか、それぞれの持つ課題は本当にバラバラです。

教室に戻るための一時的なステップとしての場所なのか、そのまま卒業までいる事になるのか、はたまた、来なくなってしまうのか。

どこまでを正解として良いのかがわからないので、どのように生徒と関われば良いのか、本当に迷います。

サポート教室は必要なのか?
疑問に思ったので、特別支援の先生に聞いてみたところ、
「あったほうが良いと思う。」との返答でした。
特別支援学級でも、「できること」のラインが、一人ずつバラバラです。
どこまでを「普通」と考えるのか。「できた」と考えるのか。
それを評価することが、とても難しいそうです。
だから、
「学校に来れる」ことだけでも、「できたね」と言う必要がある
生徒もいるよね。と。

サポート教室も同様です。

自室から出てこない→自室から出てきた。

朝起きる→身支度をする→制服に着替える→歩いて学校へくる

ここまでできて、「すごい頑張ったね。」と言われる子もいます。

学校へ来る→玄関に入る→保健室に行く 
ここで終わる子もいます。

そこから、
学校へ来る→ サポート教室に来る→給食を食べる
ここまで来ると、「かなり頑張ったね」になります。

次は、それが、何日続けられるか。
サポート教室には、来れるようになった。
けれど、教室には入れない。

何かしらの原因はあるのだろうけれど、どう解決していけば良いのか正直わかりません。

教室に入れないけれど、サポート教室には入れる。
そこは、個別に衝立があり、一人で好きなことができるから。
給食も、みんなで食べられなければ、一人で食べることもできます。
自分で決めた時間に、自由に登校し、帰ることもできます。

「一人にしておいて」という生徒に、どうやって関われば良いのか。

「勉強はしたくない。絵だけ描いていたい。」
「パソコンをつけて、好きなことをしていたい。」

そういう生徒に対して、学校に来るだけでもOKよ、と言えばいいのかどうなのか。

だんだん、わからなくなってきます。

本来の学習というか、履修するべき内容が全く身につかないまま
卒業する生徒がたくさんいます。

かたや、不登校生徒専門の塾に通ったり、全く登校せず、進学塾にしっかり通っている子もいます。

不登校と一言で言っても、様々なのです。

公立学校として、不登校生徒にどのようなアプローチを取るべきなのか。
本当のところ、全く定まっていないのが現状です。

学校に通うのが、普通。
学校に通えないのは、普通じゃない。

学校に、学級に戻ってくることが、正常に戻ることなのか?
私たちは、そこを目指すのが正解と言われているし、そう考えてもいましたが、
最近はどうもそこに疑問符がついてしまいます。

不登校支援って、どこまでやれば良いのだろう。

そもそも、なぜ、こんなに「学校へ行けない」生徒が増えているのか。
(もしかしたら、「行かない」生徒もいるのかもしれませんが。)

そこをちゃんと見ようとしなければ、打開策はいつまでも見つからないと思うのです。

そのためには、生徒一人ひとりに向き合う時間と手間がかかります。
一つの正解は、みんなにとっての正解ではない。
先が見えない、特効薬はない。
その時間を乗り越えてから、ようやく「なぜ?」が、見つかることもある。
それくらい難しいのが、不登校支援だと思うから。


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