『メタ、AR・VRヘッドセット向けOSを競合他社にも「開放」』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.4.24
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■メタ、AR・VRヘッドセット向けOSを競合他社にも「開放」
個人的にARデバイスにとても期待していますが、今販売されているARグラスなどはどれも独立独歩な仕様で、相互にソフトウェアの互換性がありませんでした。というより、サードパーティーがソフトウェアを追加できるように作られていないものばかりでした。
今回のメタ社の発表は、そんなARグラスやVRヘッドセットの規格を「Meta Horizon OS」の開放で共通化し、サードパーティーソフトウェアで機能拡張する道を広げるものです。
互換性でソフトウェアが充実→AR・VR普及の起爆剤に
VRゴーグルやARグラス同士に互換性が持たせられることで市場規模が大きくなり、ソフトウェアメーカーが参入しやすくなります。
ソフトウェアが充実すればAR・VRの活用方法が増えますし、ハードウェアも買う動機が持ちやすくなります。
つまり、今回のメタ社の「OS開放」はAR・VRデバイスが本格的に普及期に突入する可能性がある大きな判断です。
LenovoがMeta OS採用の新MRヘッドセットを開発中
「初期パートナー企業としてマイクロソフトやレノボを挙げた。」と発表されたことに合わせてか、レノボからも新型MRヘッドセットを開発中であることが発表されました。
レノボ社はこのデバイスを「(仕事の)生産性向上、学習用途、エンターテイメント利用など、多用途に対応したMRデバイスになる」としています。
業務用に強いThinkPadブランドのイメージが強いですから、Apple Vision Proのような空間コンピューティングやHorizon Workroomsのようなバーチャル会議室のようにお仕事のVR化に強みを持つソフトウェアとセットで発売するのではないかと思います。
OSをまたいだスマホ・PC連携が次のカギ
モバイルアプリ市場がAppleとGoogleに占有されているから、第3のOSとして「Meta Horizon OS」の普及を進めるのだ!という位置づけだと、ユーザー視点ではあまり望ましくない方向性かもしれません。
今回の「Meta Horizon OS」の開放によってメタ社・マイクロソフト・レノボ・ASUSなどから出るVRゴーグル間でソフトウェアが共通利用できるようになることはありがたいのですが、スマホやPCと連携できない、本当の「第3のOS」になってしまうと、ギークだけの持ち物になってしまいそうです。
ARグラスはVRゴーグルよりもスマホ連携が多く発生します。地図アプリや翻訳アプリなどスマホ側のアプリと連携するシーンが多いですし、外出先で使うために4G LTE/5G通信が必要になることも多くなります。
スマホと連携することで、高速処理つ通信はスマホにやらせて表示だけARグラスで行うなどと比較的容易に実現できることが、全部をARグラス単独のハードウェアで担う「第3のOS」方向を目指すと、できることが少なくなったりARグラスが高額になりやしないかという懸念があります。
AppleやGoogleが「Meta Horizon OS」との連携を禁止するなどの対抗措置を取る恐れもあります。
メタ社の「モバイルOSを持つ企業の言いなりになることを避ける」という方針が、AppleのiOS、GoogleのAndroidに対抗する「第3のOS」の方向性ではなく、スマホやPCと連携してシームレスに使えるAR・VRデバイスを普及させる方向で展開してほしいですし、AppleやGoogleも協力的であってほしいと思います。
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