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ZaPASSコーチ養成講座を受けてから職場で起きた変化

①背景

社会人11年目になり、昨年から人事で人材・組織開発に携わるようになってから、チームマネジメントに必要なスキルの一つとしてコーチングをよく目にするようになった。

特にリーダー人材育成や経営幹部育成に関する書籍において欧米では必須スキルとなっており、日本ではあまり聞いたことがなかったが、部下支援などの内容を見るとこれは身につけておくと良いなと興味を持った。

また、知り合いの方がプロコーチとなり、クライアントだけでなく自らの気づきや内省、成長に繋がりとても良いと発信されていたことも強く印象に残っていた。

今後目指したいマネジメントに活かすことができ、自らの成長にも繋がるものであれば一度学んで詳しく知ってみたいと思い、8月から知り合いの方の通われていたZaPASSが提供するコーチ養成講座に通い始めて早2ヶ月が経ったところである。

②気づき

このZaPASS講座の真髄は、コミュニティ型で学んでいく過程にあった。(他の講座と比較せずに決めたため知らなかったw)

講義ではZaPASS(はぐくむ)のコーチングの概念やスキルについて学び、週一の講義と講義の間の1週間で、学んだことを受講生同士のペアでコーチング(以下ペアコ)を実践して試し、ペアコを通じて生じた疑問や課題、感じたことを翌週に持ち寄ってシェアする形で進む。

そして講師兼コーチの小寺さんよりフィードバックやコメントを受け、また新たな視点や考え方、スキルを得て、次の実践演習へと繋げていく。ぐるぐるとこの経験学習モデルを回し続ける仕組みである。

この受講生同士の実践の場、ペアコの時間が、なんとも良いのである。初めこそ初対面ゆえの緊張感があるが、次第にお互いを知り、クライアント役は今の悩みや想いや感じていること、今後の目標やありたい未来の姿を話す。コーチ役はそれを傾聴し、時には質問を投げかける。ペアコを通じて、それぞれのコーチの質感、空気感、雰囲気を作り上げていく。

ペアコの時間で話すことで、自分の気持ちが言語化されたり、質問によって自らの内省だけでは辿り着かなかった気持ちに気付けたり、自分の大事にしていること、想いが炙り出されていく。最後は自分の練習のために時間を使ってくれたことに純粋に感謝の気持ちが湧き、ありがとうで終える。時にはザツダンがメインになったりして、この受講生同士のペアコの時間が自分は好きだ。

そして、このペアコを通じて気づいたことがある。

正直なところ、自分はコーチングが本当に役立つものなのか、懐疑的だった(事実、今もまだ探求中ではある)。自分は自己完結型の人間であり、他人の力を借りずに自力でなんでもできれば、心が安定するし、人はそうあるべきではないか、それが自立ではないかという考えが根底にあった。

ところが、である。

自分は一人である程度できると思っていたが、それは誰かが作り出してくれた時間だからこそ取り組めていたのではないか、ということを感じ始めた。

自力でできていたと思っていたことは、他力によって成しえていたという事実。ペアコで話を聴いてもらうことで気づけた過程から、そもそも、この気づき自体が他力によって引き出されていたため、とても腹落ちした。

職場での仕事を考えると、自分が資料のまとめに使った3時間の裏で、同僚たちがTo doを整理していたり、今後の予定を登録していたり、問い合わせに対応していたり、別の業務を進めていたり。もし、その同僚たちがいなければ自分が対応する必要があり、まとめに使えた時間はなかった。

また、マネジャーが別の打ち合わせで説明し承認を得ていたからこそ、この仕事が進められている、ということにも気づいた。

③職場で

自力という概念は他力があって初めて存在するのではないか。どこか自分が進めているから、自分ができているから仕事がまわっていると奢っていたのではないか。そう思い始めて改めて業務を行ってみると、自分の仕事に並行して動いている同僚たちの仕事の様子がよく目に入った。

自分が使えていた時間は同僚たちが作り出してくれていたんだな、と思うと、ペアコのように感謝の気持ちが自然と湧いてくるようになった。きちんとありがとうを伝えたい、そう思うようになった。

職場で活用するMicrosoft Teamsでは、通常は誰かの投稿に確認の意味でサムアップのいいねをスタンプしていた。赤いハートのステキスタンプが別にあるが、ハートのステキスタンプはプライベートに関するシェアの時などに押すもので、業務に関するものはいいねスタンプが適していると思っていた。(謎のこだわり)

しかし、ありがとうの気持ちが強くなるといいねではなく、自然と赤いハートのステキスタンプを押すようになった。ステキスタンプだけで伝えきれない気持ちのときは、スタンプの後で、こういう点でとても助かりました、ありがとうございます、と言葉を添えた。

同僚だけではなく、マネジャーにも伝えた。社員向けの研修説明会でマネジャーが目的を説明する際に、こういう想いでこのような研修を実施する、現場でもぜひ部下を想ってサポートしてほしい、と業務的にならずに気持ちをのせて伝えていた点が良いなと思った。思わず説明会後に

”ご説明ありがとうございました!
(どこから目線なのか不明ですがw)体系的に話されつつ、分かり易い話し方で人間味もあり、研修のイメージがとても湧く良い説明でした。”

と投稿した。マネジャーは良い説明ができて当然だと思うが、良いと思ったことはきちんと伝えたくなった。後で見ると、マネジャーからいいねスタンプが押されており、同僚たちもこの投稿にいいねをつけていた。

④起きたこと

このように湧いてくるありがとうを日々伝え始めて、1ヶ月近く経った先週のこと。

昔の企画時代に業務を通じて議事録やメモを取ることが多く、それらが後々の整理や議論に役立った経験から、人事にきてからも研修での役員の話や受講者のコメントで重要だと感じた内容についてはその場でメモを残し、次に活かそうと整理していた。自分のためではあるが、他のメンバーにも参考までにみてもらえればとシェアしていた。

半年ほど実施していたが内容について特段コメントを受けたことはなく、先週もいつものように投稿したところ、初めて下記コメントがあった。

”いつも文章の書き起こし、ありがとうございます!!
ものすごい能力です!脱帽&感謝です♪”

ステキスタンプを押してくれた後に、わざわざコメントをしてくれた。誰かのために書いていたものではないけれど、このように見てくれていたことが分かり、嬉しいな、と純粋に思った。何よりも、わざわざコメントをくれたことが嬉しかった。

別日にマネジャーと話したときも、コーチング講座を受け始めてから変わったね、と言われた。”自力でできたと思っていたことは他力があってのことだった、そう思うようになってから感謝をちゃんと伝えたくなった”、と話すと、なるほどねとだけ言いつつも、どこか温かい表情をしていた(ように思う)。

淡々と過ぎていくだけの仕事、業務の世界、この世界ではドライに進めていくことが正しいことなのではないか、人間性などなくていいのではないか、そう思うこともあった資本主義社会の中に、なんだか温かさが垣間見えるようになってきたのである。

自分が感謝を伝え始めたから、仕事の世界に人間性を持ち込み始めたから、と思うのはおこがましいかもしれないけれど、確かにそこに変化は起きていて、実感している。良いと思ったことや感謝の気持ちが言葉になって、伝え合ったときの柔らかい空気感、温かさが、職場の中で存在し始めている。

⑤これから

上記の気づきを得られたのはペアコのおかげである。ペアコも傾聴・質問を中心とした立派なコーチングであり、この気づき、変化をもたらしたのはコーチングの効果だといって何ら間違いではないはず。

コーチングは、対話を重ねることを通じて、クライアントが目標に向かって行動することを支援するプロセスであり、コーチはそのたどり着きたいところに伴走する存在である。

また、時にはたどり着けないと思っていたところへたどり着けてしまったという、実現したい未来から想像を超える未来へと繋がることがあるという。

今回起きたことは、もしかすると認知していた、なりたい自分になるということ以上のありたい自分、それは仕事を通じた資本主義社会の中でも繋がりや人間性が存在しても良くて、その温かさを感じながら働き、生きたいという、認知できていなかった想像を超えるありたい自分に触れられた瞬間なのかもしれない。

この話は、コーチングを学ぶ過程、特にZaPASSのコミュニティ型の学びの過程で、気づき、それを発信することで起きた出来事である。

仕事や人生のなかでどのようにコーチングが活かせるのか、まだ完全に理解して説明できるわけではないけれど、コーチングがもたらす可能性については身をもって感じ始めている。

今後、さらに学びを深め、知見を広げていく中で、どのような気づきを得て、どのような世界を見つけることができるだろうか。わくわくした気持ちで、これからも学び続けていきたい。

#ZaPASS #コーチング #変化 #気づき #学び

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