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性風俗はコロナ給付金の対象外判決

◉これはたぶん、公娼制の問題と絡んでくるんでしょうね。

【性風俗はコロナ給付金の対象外 事業者の「不当」との訴えを認めず】朝日新聞

 性風俗事業者が新型コロナウイルス対策の持続化給付金などの対象から外されたのは、憲法が保障する「法の下の平等」に反するとして、関西地方のデリバリーヘルス(無店舗の派遣型風俗店)運営会社が、国などに未払いの給付金や慰謝料など計約450万円を求めた訴訟で、東京地裁(岡田幸人裁判長)は30日、請求を退ける判決を言い渡した。
(中略)
 一方、国側は性風俗業について「本質的に不健全な営業。合理的な根拠に基づく区別で、差別とはいえない」「事業の継続・再起を目的にした給付金は、国民の理解を得るのが困難だ」と反論。給付金は経済政策であり、対象を決めるのは国の裁量の範囲内だと強調した。

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、メイプル楓さんのイラストです。

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■禁欲的な■

日本キリスト教婦人矯風会のように、宗教右派が性風俗に対して批判的です。もともと、禁酒運動を大々的に展開していたプロテスタント系清教徒の禁酒運動婦人団体である女性キリスト教禁酒連合(Women's Christian Temperance Union)の、日本支部として生まれた団体です。ピューリタンは禁欲的で勤勉が特徴ですから。戦前から禁酒禁煙運動や公娼制度の廃止運動、婦人参政権獲得運動などを行ってきたわけですが。

なるほど、戦前は貧困ゆえ、望まぬ性風俗産業に従事する人もいました。しかし、公娼制度を廃止したからと言って、代替となる「女性が稼げる商売」が足りなければ、それは魚から水を取り上げて「肺呼吸をしろ」と言ってるようなものです。そして、時代の変化とともに、セックスワークを非犯罪化する動きは、世界的にあります。個人的にはあまり主張に賛同することは少ないアムネスティ・インターナショナルでさえ、非犯罪化で動いています。

■GHQと公娼制度廃止■

日本では昭和33年3月31日に売春防止法によって赤線が廃止されます。3が続くので、落語家が艶笑ネタや廓噺をするときの枕によく語りますが、西暦だと1958年です。もともと、GHQによる公娼廃止指令が1946年に出ていますから、禁欲的なプロテスタントが建国したアメリカの価値観が、日本に持ち込まれたという面が。ユダヤ教が生まれた中東の地も、分派であるキリスト教が浸透したヨーロッパも、厳しい環境で禁欲的な文化が浸透しやすかった面が。

その価値観を日本に押し付けてきたわけです。その尖兵として、元祖出羽守と言うべき団体が、日本国内でも応じたわけですね。GHQ自体は、日本人に異常に寄生虫が多いという点や、シラミが多いという点で、かなり衛生に力を入れています。その点では、日本人の清潔好きは、あんがい戦後にGHQが持ち込んだ面が多いんですよね。アメリカ人って、欧米と一括りにされますが、世界的にはかなり風呂好きな国民ですから。日本人もきれい好きですが、寄生虫には無頓着だった。

■アジアの性文化■

でも、東アジアって性に関しては、欧米ほど禁欲的ではないんですよね。仏教とか、衣鉢を継ぐという言葉がありますが。これは、お釈迦様が亡くなったときに持っていたのは、托鉢用の鉢と2枚のボロ布。一枚は体に巻いて服とし、もう一枚は寝るときに敷いていたわけですが。元々、死体を乗せるためのボロ布で、糞掃衣と呼びます。死体の筋肉が死後に緩んで、糞尿を垂れ流すので、黄色い布になっていたので。今でもタイに行くと、黄色や山吹色の布を身に着けた修行僧がいますね。

逆に言えば、他人に食い物を恵んでもらい、布二枚でごろ寝できるほど、インドは豊かな食性と温暖な気候でもあるわけです。ベトナム戦争終結後、さぞやベトナムは戦争で疲弊して飢えているだろうと、現地に農業指導に行った日本人は、二毛作どころか三毛作もできるし、食い物は豊かなベトナムに驚いたとか(技術の未発達部分や化学肥料の不足と収穫の絶対量はまた別の話)。アメリカとほぼ同じ国土面積の中国や、その3分の1のインドが圧倒的な人口を抱えられる理由です。

■セックスワークの非犯罪化■

そういうアジアでは、性行為でポンポン子供を作っても、それが飢餓とは直結しづらい面がありますから。性に対しておおらかで、欧米程禁欲的である必要はない文化。でも、日本は戦後はアメリカの影響がものすごく強く、公娼制度廃止はその流れにあります。現在でも、性風俗産業は公認は市内が黙認みたいな、本音と建前があります。そして、アメリカの人権団体は、事実上の売春黙認だと、執拗に批判してきます。慰安婦問題で騒いでる日本の団体とも、重なりますが。

ここで、持続化給付金の対称として裁判所がお墨付きを与えると、公娼制度の復活だと騒ぐ人がいるのは、容易に想像つきますね。最近でも、AV新法とかの賛成派とか、ものすごい憎悪とか蔑視を隠そうともしませんからね。それが憎悪や蔑視という自覚もなく、自分たちは正義だと表tる。まさに、宗教的信念。ただ、ここらへんは欧米でもセックスワーカーの非犯罪化の流れがあるので、そこから規制派の主張を崩していくしかないですね。

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