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n度目の『劇場版ポールプリンセス!!』。時間が経って気づけた面白さ。

先日より『劇場版ポールプリンセス!!』の47都道府県全国ツアー上映が開始している。

『劇場版ポールプリンセス!!』とは、タツノコプロがポールダンスを題材にして企画・制作されたアニメ作品だ。
祖母のプラネタリウムにお客さんを呼び込む方法を探していたところでポールダンスに出会った少女・星北ヒナノが、幼馴染で親友の西条リリアや在宅コスプレイヤーの東坂ミオ、元体操選手の南曜スバルとともにポールダンスを始め、その魅力の虜になっていく……というストーリーの作品で、「ポールダンスとの出会い~プラネタリウムでのポールダンスショー」までを描いた全七話が2022年12月末から2023年4月3日にかけてyoutubeで配信された。

今回の劇場版はYoutubeアニメの続編として企画されたもので、星北ヒナノ達が初めて挑んだ大会を描いている。
昨年11月23日に公開され、口コミ効果やら何やらで、2024年に突入した頃には単館上映となっていたものの何だかんだで3ヶ月ぐらい公開されるというロングランヒットを成し遂げた作品なのだが、惜しまれながら終了した直後に「全国ツアー上映をやります!47都道府県で!」と言い出し、本当に短い期間だけれど全国47都道府県を順繰りに回りながら上映を行っている最中である。
「話題になった頃には終わっていた」と述べていた人も多かったし、公開当初から激推していた身としても「見て欲しいけど上映が終わってるから勧めたくても勧めづらい」状態が続いていたこともあって、一人でも多くの人が見られる状態を作ってくれた事に感謝したい。ありがとう西浩子P。
そんな感謝の想いと、「サウンドトラックも発売されたし、作品についての理解も深まったので、ここらでもう一回見ておくとまた新しい発見があるかもしれない!」という好奇心。
その2つに突き動かされて、先日n度目ぐらい、xヶ月ぶりぐらいの『劇場版ポールプリンセス!!』を見てきたのだが、やっぱり素晴らしい作品だと言わざるを得ない。
本編時間は1時間ほどで、その半分ぐらいがポールダンスショーパートなので、物語自体を描くことに割かれた時間はそれほど長くはない作品なのだが、「似たような台詞を異なる気持ちを込めてもう一回使う」とか「掴む」という動きを大切にしている部分など細かい部分が物語の印象を強くしている。
チーム名を考える時に「チーム下剋上」などの名前を聞いたミオの「ヤンキーですか」をスバルがリリアの言葉で再起して二人で拳を突き合わせた際にもう一度使って、呆れ→心意気への評価に変換しているのも良かったし、「今度は逃げない」というヒナノの意思をポールを掴む手の動きで見せていた点も良かった。「ありがとう 見ていてね」という歌詞を舞台袖の御子白ユカリのカットに合わせている点も素晴らしい。
ある程度時間が空いた事で記憶の中の『ポールプリンセス!!』と向き合い、物語への理解を深め、熟成されたからこその愉しさを味わえ、「これは再上映だからこその良さだよなぁ」と思ってしまったのだが、一番良かったのはやはりポールダンスショー。本作の最大の見所であるポールダンスショーだ。
まず前回視聴した時には作中楽曲が収録されたサウンドトラックが発売されておらず、今回の視聴したタイミングではサウンドトラックが発売されて一ヶ月以上経過しているので、楽曲の理解度が全然違う。
明らかに今回の方が楽曲全体の構成や歌詞の流れなどを理解出来ているので、今まで以上にポールダンスショーで挿入された演出の一つ一つが深く刺さる。
「本編では未使用な部分も振付でちょこっと拾ってない?」と感じられる箇所もあって、そうした部分に思わず涙が溢れてしまいそうになった。
こうした部分に本作の音楽チーム並びに振付やモーションキャプチャーを担当してくれたポールダンサー達(そう!本作の振付やモーションキャプチャーはポールダンサーが担当してくれているのだ!)に何度でも感謝と称賛を送りたくなってしまう。いや送る。ありがとう!!
『劇場版ポールプリンセス!!』は上映を終了してからある程度時間が経過したからこそ、そしてサウンドトラックが発売されて楽曲への理解度が上がった今だからこそ気づくことが出来る面白さがある。
その事実に気づくことが出来ただけで、今回の全国ツアー上映は個人的には「最高」の二文字を送らざるを得ない。
既に終わっている地域もあると思うが、「うちはまだこれからだよー!」という地域の方は今回の機会に見ておいて欲しい。一回見ている方はもう一回見る事をオススメする。
凄いよ、『ポールプリンセス!!』。何度見ても。



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