シティリーグ使用 ムゲンダイナの拡張性について【全文無料】
こんにちは。密林と申します。
今回は今シーズンのシティリーグ(バトルリージョン環境)で使用したムゲンダイナデッキの構築記事を書かせていただきます。
戦績は予選4-1、トナメ1没と微妙ですが、負け方に下振れ感が強かったことと、それ以外の順当に回った対戦ではすべて勝っていることを踏まえ、一定程度ポテンシャルがあるデッキだと思いましたので紹介することにしました。
私やチームメンバーは皆CL不参加となってしまいましたので、気楽に紹介できれば良いかなと思っています。
投げ銭制度になっておりますので、もしこの構築や理念が参考になった場合、よろしければご支援いただけますと幸いです。
1.戦績
1 連撃ウーラオスカラマネロ 6-3 ○
2 リーフィア 3-6 ×
3 インテレオンダイケンキ 6-4 ○
4 インテレオンダイケンキ 6-4 ○
5 WTB 6-4 ○
予選 4-1 12位通過
1 ダークライ 0-1 種切れ×
決勝トーナメント一回戦敗退 ベスト16
2.構築
ごらんの通り、ムゲンダイナというデッキにもかかわらずマナフィが採用されているのが最大の特徴です。上記二敗はマナフィスタートが直接の敗因となりました。
たねポケモンは14枚入っており、マナフィスタートの確率は(他でのスタートを必ず受容するのであれば)3%程度と低く、本来であればここまでの問題にはならないと考え、今回は許容することにしました。
3.なぜムゲンダイナなのか
今、ムゲンダイナ+ダイケンキの型は極めて環境での立ち位置がいいと考えています。その理由はいくつかありますが、大まかに
の五点です。
特にチェレンを用いて耐久を回してくるアルセウス系統のデッキに強く出られるのは大きな魅力でしょう。
ただし、ムゲンダイナには致命的な欠点があり、それが連撃対面での脆さです。ムゲンダイナは連撃ウーラオスに弱点を突かれる上、デッキの性質上マナフィを採用することが難しい(と考えられている)ために、連撃ウーラオスへの対抗策がほとんどありません。
しかし、「ムゲンダイナはムゲンゾーンを用いるのでマナフィを使うことはできない」というのはあくまで一面的な考え方だと私は思っています。
また、ムゲンダイナは思いの外安定性が低いデッキであり、雪道やボール枯渇ですぐに止まってしまいます。それを防ぐために、今回の構築ではスタジアムやボールの多投で安定性をどうにか担保することを考えていました。
4.ムゲンダイナの打点レンジについて
上記の意見を持っているのは、「ムゲンダイナは打点レンジを操ることができるポケモンである」という点を重く見ているからです。
かつての三神のようなTAG、あるいはVSTARを相手取るときにムゲンダイナに求めたい打点は、確かに270~300と高く、たくさんポケモンを並べた末にしか得られないものです。ここにおいて、当然ながらマナフィや雪道はノイズになります。
しかし、VMAX相手ではどうでしょうか。VMAXを二回殴って倒したいのであれば、打点は180あれば足ります。つまり、悪ポケモン5体とベルトがあれば十分出せる打点であり、ここで無理にムゲンダイナ側はベンチを広げる必要はありません。つまり、雪道やマナフィを置く余裕があるのです。
さらに言えば、ムゲンダイナで殴る→ダイケンキで殴る、という手順を踏むのであれば、ムゲンダイナの打点は120あれば十分だということになります。特にムゲンゾーンが無くても十分に達成できるでしょう。
以上のことから言えるのは、「ムゲンダイナはVSTARやVMAXを一回ワンパンしたい時にだけマックスの火力が出せればよいのであって、それを狙わない対面では雪道やマナフィを置いても良い」ということです。
マナフィを置きたいような仮想敵は、現状連撃ウーラオスを絡めたデッキだけです。これらのデッキ相手にフルパワーのドレッドエンドを打ちたいことは少なく、(採用されているデッキであれば)アルセウスVSTARをザンゲツスターを絡めてワンパンすることができれば十分です。こういう理由で、私はマナフィの採用に踏み切りました。
5.採用カード解説
・ムゲンダイナライン 4-3
本当は上も4枚入れたいのですが、枠の都合と、ボール系カードを実質11枚投入することができたため、減らしても問題ないと判断しました。必ず一体は使いたいカードですが、二体使うとは限らないので本当は減らしたいカードです。ただ、キャプチャーエネルギーはダイケンキに対応しないこと、後手で場からエネを消されないためにパワーアクセルを使うことを重く見、厚めに採用しています。
・ダイケンキライン 2-2
本当は3-2で欲しいカードです。ただ、初動としてはあまり強くないし、ダイケンキを三体立てて戦うケースはほぼないので、2-2としました。
打点は110+と物足りないですが、VMAXやVSTARを相手にするときは二回でちゃんと330出るため全く問題になりません。こういったポケモン相手に無理にダメカンを相手に乗せる必要が無いのが、このカードの強みだと考えています。むしろ裏工作インテレオンやかがやくゲッコウガに届かないのが歯がゆいところです。
・クロバット 4
絶対に4枚必要です。考える余地がないです。
・ガラルジグザグマ 2
ダイケンキの介護とダイナの打点補助が主な仕事です。負け筋になりやすいので置くかは慎重に判断します。ジグザグマ×2+斬月+ベルト無慈悲で、厳しい条件ながらお守り付きのアルセウスを飛ばせることは覚えておいた方が良いです。
・フーパ 1
非V対策かつダイケンキの前に殴る役目です。ただ火力が少し物足りないので注意が必要でしょう。これ1枚でミルタンクに勝つのは不可能です。
・マナフィ 1
おしゃれポイントです。これが無いと連撃にはまず勝てませんが、あると勝つ可能性が出てきます。他の対面ではほぼ出しませんが、WTB相手に出す可能性があることは覚えておいた方がいいでしょう。
・クイックボール 4
軽い手札でベンチを並べられるので絶対に4枚必要です。
・ハイパーボール 4
ハンドコストが重いのであまり4枚入れたいカードではないのですが、悪ポケモンの数がそこまで多いデッキではないので、ベンチを広く並べたい瞬間の要求を少しでも軽くするために、確定サーチのカードを多めに採用しています。
・ダークパッチ 3
2枚だと不意に足りなくなることが多かったので増やしました。これがあることでガラルファイヤーを採用せずに済んでいます。ダイケンキを起動するためにはデッキに6枚しかない基本悪エネルギーを使わなければならないので、必ず使うカードです。
・エネルギー転送 2
基本悪エネルギーだった枠を転送に変えています。Cレギュが落ちたことで混沌のうねりとトキワの森を失ったムゲンダイナは、大きく安定感を欠いています。少しでも安定させるため、エネが手札でだぶつく可能性を落とし、クロバットで1枚でも多く引けるようにしています。
・あなぬけのヒモ 2
ポケモン入れ替えとの選択枠ですが、ムゲンダイナは高い火力を出しやすく、先2から裏を取っていく動きが強いため、紐にしています。入れ替えにしたいと思ったことはありません。
・ふうせん 2
2ターン目の攻撃に出遅れないため、入れ替え札はしっかり採用しています。後述のファッションモールで使いまわすこともできる、優秀な道具です。
・こだわりベルト 2
ワンパン条件を軽くするため、絶対に必要です。これも使いまわします。
・博士の研究 4
先述の通り安定性に不安の残るデッキのため、最大枚数採用です。
・マリィ 2
3でもいいかもしれないです。ただネズが欲しい時もあるので、2としています。貴重な手札干渉手段です。
・ネズ 1
手札にサポがだぶついた時、博士やマリィを打つと次のサポに触れず苦しい展開になることがあり、またムゲンダイナの上とキャプチャーエネを持ってくることで横展開を補助できるために1枚採用しています。ボールの代わりかつ転送の代わりであり、個人的にはかなり強いと思っています。
・ボスの指令 3
ブラッキーがいないので本当は4枚欲しいカードですが、枠の都合で3枚です。ダイケンキがVを取るときによく使います。
・ファッションモール 2
優秀なスタジアムを失ったダイナの苦肉の策です。リソースや火力を大事にするためのカードです。入れているスタジアムの中では最も役割が多いので2枚。手札に戻した道具はハンドコストにもできる点が優秀です。
・コトブキムラ 1
先1に引けると嬉しいカードです。そうでなくても、ダイナの耐久を活かして「待ち」のターンを作るときに有効に作用します。
・トレーニングコート 1
どうしてもエネを過剰にトラッシュしないといけない瞬間があり、そういった時にダイケンキが動けなくなる可能性を重く見たカードです。上記も含めてスタジアムは4枚できれば欲しいと思っています。
・基本悪 6
本当は7だといいのかもしれませんが、トレーニングコートがあるので妥協しています。ダイナはこれに触るのが一番難しい。
・キャプチャーエネルギー 2
少しでも安定性を上げるためのカードです。ダイナに貼りつつダイケンキを準備するのは王道の動き。クロバットに貼ることも多いです。
6.非採用カード解説
○フーパV
当初はマナフィの枠はこのカードでした。しかしなかなか起動しないことと、連撃に勝てない理由は何も弱点を突けない、ワンパンできないからではなく、キョダイレンゲキを防げないからだと感じたので抜きました。
○回収ネット
ぜひ欲しいですが、ジグザグマの回収とマナフィスタートのケアくらいしか使い道がないので入れていません。
○マタドガスライン
枠がないことと、最近は紐採用のデッキが多いこと、ムゲンダイナで前をぶっ飛ばしたほうが早いことから採用していません。
○ツツジ
触れないし序盤に持っていても強くないので入れていません。個人的にはアルセウス裏工作以外のデッキのツツジは評価していません。
○ミカルゲ、アブソルなどダイケンキサポートカード
ダイケンキは110+220で、サポートポケモンがいなくても十分殴れるので採用していません。
○ハイド悪エネルギー
転送で触れない+パッチでつけられないデメリットが重すぎるので、キャプチャと両採用はできず、キャプチャの序盤安定のプライオリティの方がはるかに高いため非採用としました。リーフィア対面以外要らないと思います。
○ツールスクラッパー
アルセウスを倒しやすくしてくれるカードでとても欲しいのですが、触れないのでやめました。
7.各対面相性考察
基本的にVSTARや弱点外のVMAXには有利、正面から殴り続けてくる非Vには不利を取ります。大まかに以下だと考えています。
・ミュウ……有利
・ゲンガー……微有利
・裏工作アルセウス……有利
・白馬アルセウス……微有利
・ジュラルドン……有利
・ダイケンキ……有利
・連撃ウーラオス系統(純正、アルセウス)……不利
・悪・水軸ウーラオス……五分
・連撃テンタクル……微有利
・ミノマダム……不利
・WTB……微有利
・ハピナスミルタンク……無理
ハピナスミルタンクを除き、環境にいるデッキに大きな不利を取りづらいのが魅力と言えます(ミノマダムは減少傾向にある前提)。連撃さえ何とかできればかなり強いデッキなのは昔から変わらないので、マナフィの役割は非常に大きいです。
8.おわりに
解説は以上です。今回はマナフィスタート二回がかなり重く響き、優勝を逃してしまいましたが、ポテンシャルは高いデッキだと今でも考えています。結果としては残念ですが、これが皆さんの考察の一助になれば幸いです。
もしご質問などがあれば、@miTSUriN_miriのDMまでどうぞ。可能な限りお答えいたします。
また、本記事は投げ銭制度を取らせていただいております。もし価値を感じた方がいらっしゃれば、お心添えをいただければ幸いです。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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