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【リスト有り】陰キャドロサポの使い道について

 こんにちは。チーム千里眼の密林です。

 今、環境で使わているドロサポは「博士」「ナンジャモ」「作業員」「セイボリー」「ヒガナ」「セレナ」「ジャッジマン」「アクロマ」くらいだと思いますが、デッキを組むうえでそれらのサポートの採用理由について考えているでしょうか。マイナーであまり使われていないけど、より適したサポートが入る場合はないでしょうか?
 今回は、みんなが入れてないサポート・通称陰キャドロサポについて、本当にそこに採用理由はないのか、実際にシティやCLで過去チームメンバーが使用したリストを提示しながら、見解を話していこうと思います。
 勿論、大会シーンでまだ使っていないものもあるし、過去レギュのリストもそこそこあるので、その点はご了承ください。皆さんも陰キャドロサポをデッキにピン投してニチャりましょう。

File1:モノマネむすめ

小さい頃、この子にピッピ人形を渡すという発想がなかった

自分の手札をすべて山札にもどして切る。その後、相手の山札の枚数ぶん、自分の山札を引く。

カードの役割について

 この効果が有効に働くのは、基本的には相手が手札を溜め込むデッキです。手札を切る行為がデメリットになるデッキか、あるいはロストのように動きの中で手札が自然にたまっていくデッキに対しては有効となります。
 もちろん、環境はデカヌチャンやロストばかりではありませんので、そうしたデッキ以外にもこのカードを刺す工夫は必要になります。

 このカードの真価は、相手に手札を溜め込むことを強要させることによってはじめて発揮されます。つまり、mill型のLOにおいて最も有効になると私は考えています。アイアントとかですね。
 ペリーラとの比較はありますが、特にダブルターボを連続で引きたいわりにキャリーがだぶついたりするアイアントのようなデッキでは、要らない手札を流せるモノマネむすめが勝ると思います。

参考リスト(D~Fレギュレーション)

xcx8cx-OEMRAz-cac8xx

 これはチームメンバーのしらいし(@shiraishi_poke)がシティリーグシーズン1で握ったアイアントデッキです。このデッキにはある程度十分な、「モノマネむすめを採用する理由」が詰まっていると考えています。それが、

① アイアントは山を掘っていくため、自分の手札を巻き込んでリフレッシュすることを狙って対戦相手は手札を溜め込む
② 初動をカビゴンに任せているので、博士のような汎用性の高いドロサポを1~2ターン目から打つ必要がない
③ 基本的にはサポート権利は野盗三姉妹に当てられるので、ドロサポを使うタイミングではピンポイントでなるべく強力なものを使いたい

という点です。このように、状況が限定されるのであればモノマネむすめが有効に働きますよね。基本的にはシバでいいのですが、ロストマインの様に意図的に気絶させないプレイングが存在し、また相手が手札を溜め込んでいる時の強さはシバの比ではないので、こうした選択に到りました。

File2:カトレア

なんでBWで再登場したのかについては本当によく知らない

自分の手札を好きなだけ選び、好きな順番に入れ替えて、山札の下にもどす。その後、もどした枚数ぶん、山札を引く。

カードの役割について

 使ってるだけで手札が減るこのカードをドロサポ扱いしていいのかは微妙ですが、当然ながら普通に使っても強くありません。ボトムを固定できるということに着目したほうが建設的です。したがって、このカードを採用する可能性のあるデッキはロストカイオーガです。エネルギーを戻して山の不純物を引ききるカードとして認識するのがよいでしょう。
 一応補足ですが、カイオーガをうまく使えるならば入らないカードではあると思います。展開の補助輪として認識するのが良いと思います。 

参考リスト(E~sv1S・sv1Vレギュレーション)

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 これはSV発売して間もなく、私が組んだロストカイオーガです。この時はまだロストへの理解が浅く、全く強くないリストだとは思うのですが、構築理念自体はそこまで大きく変わっているわけではありません。(弱いのでそのまま真似はしないでください……)
 ここで私がポイントとしていたのは以下の点です。慣れないロストを回すための工夫ではありましたが、カトレア自体は五枚目のドロサポとしても使いやすくはありました。

① 手札に過剰にたまったエネを山に回収しつつ、本命のトレーナーズに触りたい(戻したエネは絶対に花選びで当たらない)
② アクロマもクララも打たないターンはサポート権利が余る
③ 山が掘り切れなかったときも、カイオーガの打点を確定させたい

 こちらはモノマネむすめとは少し趣向が違いますが、ドロサポがほぼアクロマで固定されているロスト系統のデッキは、意外と別のサポートを入れる余地が多いと思っています。ボス、キバナやクララ、ツツジが本命ではありますが、他のものも検討を挟む余地はありそうです。

File3:ダンサー

こんなやついたっけ?ゲームで見た記憶がない

自分の山札を2枚引く。後攻プレイヤーの最初の番に使ったなら、さらに3枚引く。

カードの役割について

 先に言っておくと、このカードは今回紹介するサポートの中でぶっちぎりで汎用性が高く、かつ強力だと思っています。
 最初に使えば5枚ドロー、途中で使うと2枚しか引けない。明らかに後手1でしか使わないカードです。(なんだ、弱いじゃん)と思わないでください。今環境を席巻している似たカードがあると思います。
 そう、バトルVIPパスです。ダンサーは、実質的に後手のみで使える5枚目のバトルVIPパスだと思うと、その強さがなんとなくわかるのではないでしょうか。初動がとにかく大事なデッキ、また初動さえ安定すればデッキ内のドロサポが実質一枚減ってもその後の動きが安定しやすいデッキでこのカードは輝きます。
 このカードを入れたデッキを都合二回、最終結論の候補としてうちのチームは大型大会に持ち込んでいます。

参考リスト(E~sv2P・sv2Dレギュレーション)

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 これはチームメンバーのまいける(@pokecamichael)が今回のCL新潟で握ったリストから一枚だけを変えたものになります。彼はダンサーを二枚目の作業員にして、本番の採用とはならなかったのですが、十分ダンサーも強力です。私がCLにこのリストで出たならばダンサーを採用したと思います。

 このデッキで実際にダンサーを採用するにあたって、前提となったのは「6枚目のドロサポが欲しい」というものでした。その論点において、ダンサーが評価できたのは以下の要素です。

① 初動だけを見るのであれば、ノーリスクで上から5枚引けるのは言わずもがな強力
② 進化ラインの上やお守り、釣り竿など、博士で切りたくない札が多すぎる
③ サナミラーを考えた時に後1ナンジャモはほぼお手伝いで、先2飴サーナイトを助長する結果になり、あまり打ちたくない(他の強いドロサポが欲しい)
④ 2ターン目以降はリファインやアルカナシャインがあるので、ドロサポに必ずしも頼る必要がなく、また4投のナンジャモに触れる確率も大きい
⑤ 2ターン目以降はナンジャモかボスをほぼ打つため、他のサポートを入れたところで使用機会は細い

 これらの理由はもう一つ使ったデッキと似ていて、その時は裏工作とキバナで回すデッキだったのですが、「ダンサー以外のドロサポを入れても、2ターン目以降ここで増やした初動枠を使うサポ権は回ってこない」というのは重要な点でした。とにかくサポ権が余らないデッキにおいて初動を強く見てドロサポを増やしたい時には、まず考慮に上がる一枚だと思っています。
 現在最も軽視されている一枚です。使ってみればその強さが分かると思います。

File4:ミクリ

こいつのミロカロス強すぎだろ

自分の山札を3枚引く。相手は、のぞむなら、山札を1枚引く。その場合、自分は、さらに山札を1枚引く。

カードの役割について

 このカードの採用価値については、ダンサーと少し似ています。結局このカードを語る上で重要なのはナンジャモとの比較であり、「手札1枚与えるだけであればナンジャモよりはましなのでは?」という点が評価されたとき、考慮に上がってきます。
 つまり、このカードが採用されるのは「ナンジャモを最初のサポートとして打ちたくない」かつ「後1だけでなく、先2での使用も視野に入れたい」かつ「中盤以降は打たなくても済みそう」なデッキだということになります。
 参考リストですが、そもそも先ほどのダンサーの部分をミクリにする可能性があると思っています。先2でミクリを打つ可能性を重く見るのであれば、ダンサーに勝ります。
 評価のポイントは以下で、概ね非エク寄りのカードであることが分かります。

① ナンジャモを序盤に使うことを避けたい(相手の展開が遅れれば遅れるほど良い)
② 初動のプライオリティが高いデッキにおいて、相手によるが先2でも4ドローの可能性がある
③ リソースを切らなくてよい(切りたくないデッキ向け)

 手札を一枚与え得るサポートなので、あまり好意的には見られないでしょうが、序盤のナンジャモは手札を3枚くらい与えることもよくあるので、4枚引ける場合があることをよりフラットに見てもいいかもしれません。もちろん、ポーカーフェイスは大前提ですが。

File5:スクールガール

最初剣盾のNPC見た時小綺麗すぎてびびった

自分の山札を2枚引く。相手のサイドの残り枚数が6枚・4枚・2枚なら、さらに2枚引く。

カードの役割について

 ここまでお読みいただいている方にならわかっていただけるかと思うのですが、私がこのnoteを通して伝えたいことの一つに、「3枚より多く引けるカードは強い」というものがあります。ネモやジュンの3ドローでは物足りないように見えますが、みんなセイボリーや作業員を平気で打っています。あのアクロマでも増える手札は2枚。そう考えると、手札を溜め込みたいデッキ・強い縦引きを求める一方でリスクはできる限り避けたいデッキには「場合によって4枚以上ドローできるサポート」が常に採用する余地を持っていることになります。

 スクールガールを扱う上で重要なのは、相手のサイドが偶数枚の時に効果を発揮するという点。したがって、後1で打てばよほどのことが無ければノーデメリット4ドローです。この点でダンサーと役割が少し似ています。
 これに加えて、相手が偶数枚のサイドでゲームを進行している限り/相手がサイドを取れない限りは、スクールガールの効果は有効であり続けるという点も重要です。したがってこのカードは、V/Vstarを主体とするデッキに特に有効だということになります。つまり、現環境で言えばアルギラ・アルヌメなどが当てはまるでしょう。

参考リスト(E~sv2P/sv2Dレギュレーション)

 ビーダルを採用する型も世に出回っていますが、空の封印石の存在やビーダル自体を立てる手間を考えた時に、私は以下のドロサポ多投型の方が好みです。このリストは、私のチームに所属している前掲しらいしがついこの前のシティリーグに持ち込み、優勝したアルセウスジュラルドンのレシピを原型としています。こちらの解説noteは本人の手によって書かれているので、よろしければこちらもご覧ください。

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 このリストにおけるスクールガールの採用意図は以下です。

① アルギラはアルジュラと比べて殴るだけでエネを消費するギラティナがいる関係上、気持ちエネを大事に立ち回りたく、博士を多投したくない
② サイドを2-2-2で取られる進行を想定するので、常にスクールガールが有効
③雑に切ってもよいカードが使わなくなったポケモンとボールくらいしか残っていないので、アクロマを使うにしても不安な場合がある

 最低限博士・アクロマ・ナンジャモで4枚の強い縦引きでドローを安定させたうえで欲しいドロサポとして、スクールガールは検討の価値があると思います。四積みするカードではありませんが、ゲーム中の選択肢を増やす意味でも、必要な場面は十分考えられます。

さいごに

 いかがだったでしょうか。最近のポケモンカードはシティやCLの上位レシピがすぐに出回り、誰しもが丸い構築を組みやすい状況にあると思います。しかし、基本的に特定の場面でしか活躍し得ないカードは、それと引き換えにはまれば強いカードパワーを持っています。
 その「特定の状況」は意識的に引き起こせるのか、発生する確率と発生した場合のリターンはどれくらいか、特定の状況以外での最低限の仕事量はどれほどか。こうした想定から、特定の状況を意図的に作り出しながら、デッキパワーを実質的に底上げすることがもしできるならば、細かいアド差はいずれ勝率の差となって表れるでしょう。
 実際に採用はしないかもしれません。ただ、本当に検討の価値がないか、初心に立ち返りながらカードリストを眺めることが何より重要だと私は思っています。
 何か質問等あれば密林(@miTSUriN_miri)までお願いします。
 また、本文の無断転載(私的・公的問わず)は禁止とさせていただきますので、ご了承ください。
 ご一読ありがとうございました。


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