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言葉狩りより大切なことがあるのでは?

校正校閲をライフワークとするわたしがいうのもヘンな話だけど。
動画のシナリオチェックをしているが、率直にいうと、どうにも締めつけが多くて困る。いわゆる「言葉狩り」に近いものだ。

YouTubeなどの動画は、確かに幼稚園児のような幼い子や、多感な時期の少年少女も目にするコンテンツだから、できるかぎり有害性をなくしたいのはわかる。

だからといって、片っ端からNGにするのはどうだろうか…
「○す」などと書いてはいけないのは、まだわかる。
けれども、この頃は「イチャイチャ」もダメになったと聞いた。

さらにシチュエーションとしては、交通事故死もダメ。
それがたとえ、回想シーンであってもだという。
よそのチャンネルではどの程度まで表現を許容しているかわからないが、縛りが多いところは大変だろう。

向田邦子さんも放送禁止用語について著書で触れていた気がするけれども、あまりになんでもダメだと制限してしまうと、表現の幅が狭まってしまう。それでなくてもこの頃の「シナリオライター」という人たちの多くは、語彙力や想像力が乏しいのに。

――なんせ、こちらで「○○させて××するように締めたらいいのではないでしょうか」というと、ホントにそれしか書かない(書けない)のよ。あくまでこれは提案なんだから、あとは自分で内容を膨らませるべきでしょ?

最近は、登録者数が多くてもYouTuberの収益自体が減っていると聞いている。動物動画や音楽動画ならともかく、網の目をくぐるようにしてまで、良質なコンテンツをつくり続けるのは気力がいる。

あまり、有害だからといって、なんでもかんでも締め出すのはどうなんだろうなあ。

わたしとしては、どちらかといえば長い動画の合間に挟まれる、不倫漫画からダイエット商品や美容商品の宣伝などに発展するあれとか、そっちの方がよっぽど子供たちに見せたくないけど。あれはOKってのがどうにも解せん。

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