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「みんなで叶える写真展」に参加します

みんなで叶える写真展に参加します。

ひのみなとです。
お台場での写真展に続き秋葉原で開催されている、まるまるサークルさん(https://twitter.com/minkanaphotoex)主催の「みんなで叶える写真展」に今回も参加させて頂きました。
今回は長年通い続けているラブライブ!サンシャイン!!の聖地・沼津で撮影した2点の作品を出展しています。
せっかくなので今回は僕の出展作品について少しお話したいと思います。


作品タイトル「沼津デビュー!」

モデル:はんぺんもちをさん
https://twitter.com/moukaeritai_com

あなたは沼津を初めて訪れた時のことを覚えていますか?
僕は今も鮮明に覚えています。
そしてそれ以降何度も足を運んでいます。
(岡山在住ですが、2016年から毎年4~6回くらいの頻度で遊びにいっています。遠方でなければ毎週行っていたかもしれません…笑)
その度に新しい発見があったり、仲良くなった地元の方々、そして同じく訪れる作品のファンの方々と仲良くなったりと、毎回印象深い思い出が増えていきました。
沼津を訪れる回数を重ねる度に、見る風景は「新鮮さ」から地元や故郷のような「安心感」へと変わっていきました。
それは良いことではありますが、同時にやはり初めて聖地を訪れたあの時の感動は、その人にとって一度しかないのだという当たり前の事実をしみじみと実感する事につながったのです。

そんな想いを抱き始めてからしばらく後、沼津デビューをする友人のお供をすることになりました。
初めて沼津を体験する人と巡っていると、何度も訪れた場所がまるで自分が初めて訪れた時のように、改めて新鮮な気持ちで感じることができました。
この写真はその時に撮ったものです。
誰もが「通過」したであろう、三津浜でのAqoursの砂文字描き。
そんな「見慣れた」光景も、自分には改めて新鮮な光景に見えました。

今回の出展にあたり、自分の中で「対比」というテーマを考えました。
この写真は、「初沼津の人」と「何度も沼津を訪れた人」。
その対比が面白く、また自分に色々なことを気づかせてくれた1枚だったなと思い出展作品に選びました。
天気は前日からのあいにくの雨だったので、作中のように美しく輝く沼津の海と空!……というわけにはいきませんでしたが、印象深く、とても大切な思い出になりました。


作品タイトル「キセキヒカル空ト海」


長井崎から望む西浦木負消波堤灯台

僕が選んだもう1つの「対比」は「時間」です。
この写真はある夏の日の沼津、1日違いの同じ場所の風景です。
場所は長井崎のバス停から長井崎の先端を過ぎたあたり。
西浦の木負(きしょう)消波堤灯台を望む場所です。
この写真たまたま撮っただけでして……。
場所や写真そのものに思い入れがあるわけではないのですが、その経緯が印象深かったという理由で選びました。

2022年の9月。友人たちと沼津に旅行に行くことになりました。
旅行自体、かなり前からスケジュールを決めていたので、当日の天候などは全くわからない状態でした。
当初より「雨が降らないといいですね」みたいな話をしていたのですが、そういう時に限って1週間前から天気予報は連日の雨予報……。
雨が降った時のことを考えて観光プランを練り直したりしながら出発の前日を迎えました。
ところが突然発生した台風の影響で予報がどんどん良くなっていきます。
これは…奇跡が起こるかも…! 
という期待を胸に僕は1人真夜中に出発。
活発になった前線の影響で、これまで経験したことのない豪雨の中を片道600kmを運転して沼津へと向かいました。

そして夜が明けて、1人で長井崎のほうへ向かった時にたまたま撮影したのが上段の曇天の写真です。
その後天気は急速に回復していきました。
翌日、友人たちと合流した時に撮ったのが下段の写真です。
あの叩きつけるような豪雨の夜を駆け抜けた翌日に見た奇跡のような快晴。
荒天を覚悟していた残念な気持ちと、晴れた嬉しさ。
同じ風景で見た、光と影の世界。
その2つの対比がとても印象深かったため、ひとつの作品としてまとめた上で出展作品としました。
Aqoursの「キセキヒカル」の歌詞の中に、

  やまない雨はないと走って来たよ
  だからねサンシャイン
  見上げれば熱い太陽

という部分がありますが、
まさに物理的な意味でその通りの経験をしたなと……(笑)


カメラを持つ意味

僕にとってカメラを持つことは、
長期記憶のための外部保存という意味でもあり。
作品を作るという意味でもあり。
気張らずに思いつくままに撮るメモでもあり。
世界を観察するための「目」を持つ意識の現れでもあります。
新しい視点を得たり、気づかなかったものに気づかせてくれる。
そういう「相棒」のようなものであり、自分の体の一部だなと思います。

この写真展に参加されている方々は、それぞれの視点や動機・考え方で日々写真と向き合っていらっしゃると思います。
僕は絵描きですが、絵は完全に自分の中のイメージを描き出すため、本来のイメージは描き手の中にしかありません。
でも写真は、現実という共通の世界の中からその人が感じたことを切り取る事ができます。その本質的な違いが面白いなと思います。
(絵は絵で面白い、写真は写真で面白いです)

「人はその人の持つ心のレンズを通して世界を知覚している」
僕はそう思っています。
同じ風景を見ていても、楽しければ世界は綺麗に映るでしょう。
悲しければ灰色かもしれません。
その違いを、自分の感情を写真を通して他者に伝えることができる。
それが写真の楽しさだと思っています。

長くなってしまいましたが、最後に素晴らしい写真展に参加させて頂きありがとうございます。
1週間の会期ではありますが、より多くの皆様に足を運んで頂けたら嬉しいです。

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