93日後にネタバレする【雑学の本】#12日目──「甲子園の土」は特別な土ではない!?
「甲子園の土」は
どのくらいスペシャルな土なのか
夏に開かれる全国高等学校野球選手権大会は、夏の風物詩の一つ。
一途に白球を追う高校球児の姿に、毎年感動させられるという人も多いはず。
くり広げられる熱戦もさることながら、とくに印象的なのが、惜しくも試合に負け、涙を流しながら、ダッグアウト前の土を布袋に詰める球児の姿である。
とはいえ、毎年、多くの球児が土を持ち帰るので、土の補充は不可欠のはず。
やはり甲子園の土ともなれば、特別な土が使われているに違いない、と気になるのだが……。
高校球児の「青春の象徴」の正体
甲子園の土は特別──。球児の思い入れはよくわかる。
しかし、実際に補充される土のおもな産地は、岡山県日本原、三重県鈴鹿、鹿児島県鹿屋、鳥取県大山など、特筆に値するような有名な土ではない。
これらの土の配合比率に関しても、とくに決まりはない。
そう聞くと、甲子園の土のありがたみが薄らぐような気もするが、じつは適当に混ぜているわけではない。そこはきちんと計算されている。
たとえば、黒土は保水性に優れ、白砂は水はけがよい。
これらを適切にブレンドすることで、プレーするのに最適なグラウンド状態を作りだしている。
また、日差しの強い夏は、白いボールがよく見えるようにと、黒土の比率を多くするといった配慮もなされている。
さらに、15年から20年に一度は、グラウンドの土を全部出して、下地の整備を行なうなど、甲子園の土の管理は丁寧になされているのだ。
◆本書紹介
『身のまわりの「意外な勘違い」 なるほど雑学93』
──博識な人でも間違える常識の大ウソ
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