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詩 深宇宙への逃避行



 詩 しんちゅうへのとうこう


そこに存在そんざいするものよりも
ずっと親密しんみつそうに
きょうめんこうをみつめる
きょうめんを つよめつける
もう水底みなそこにはもぐれない
わたしにとって
もはやみな
あのかいとのはし
清濁せいだくぜの
悲喜ひきこうする
しかりともいなとも云えない
桃源とうげんきょうへの
ゆがんだそうへの
入口いりぐち

なんにもないところに
辿たどいてしまいたい
いのちも ぎたなさも
らず だいなものをきじつける
ひっさも
いらない
そんなかいいきどお自我じが
いや
だから それらぜん
いなすようにくぐって
なんにもないところに
とうちゃくしたいの

あかるいじょうみな
かがやくものは月一つきひと
それだけしか
ないところへ
ゆきたい






東方とうほうぼうげっしょう』に登場する月人つきびと綿月わたつきの豊姫とよひめ』を基にした詩