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詩 流星だけに見せる情緒

詩 流星だけに見せる情緒


絡繰からくりを引く糸
静かに熱が灯る
ともに座る
糸の
あわいを潜って
轟音の
星の魔法が降る
カーテンは放たれて
星明かりが注ぐ
それは肌を貫通して
完全な根城を
乱暴にノックする
うんざりなのに
なくては退屈なもの
満たされているのに
あってもいいと思えるもの
悪態 罵倒 呆れ
の応酬が
ひとりでは行けない所へ
連れてゆく

似たかお
人形だらけの
我が家では
心は灯って
顔は固まる

永い
一人の作業によって
石膏せっこうに覆われた
わたしの顔と
その奥に携えた
簡単には表出しない
確かな熱情を
最初に
ずかずかと立ち入って
割って
中を覗いてくるのは
この深い森で
自己の関心を突き詰めている
隣人である
あなただけに できる
特権なんだから
大事にしてほしい
大切にしてほしい











『東方Project』シリーズに登場する魔法使い『霧雨きりさめ魔理沙まりさ』および『マリス・マーガトロイド』の二人を基にした詩