詩 大人の迷子
詩 大人の迷子
精神的な非充足を
胸の奥に無理やり埋めて
沈み込む 硬い床へと
明日も起きなくちゃ
次の休暇はいつ
数えると気が遠い
フィクションの人物のように
明らかに一睡もしない生活が
できたならいいのにな
休みなんていりません
なんて痩せ我慢は
わたしには言えないみたい
狂うほどに押し込められる仕事を
望めば脳からさっと取り去って
すぐに自分の見たい方を
向けるようになれたらいいんだけど
ごめんね 不器用だ
眠るまでずっと
一日の大半を占めた関心事が
脳の容積を支配してるから
ああ あれだけ好きだった
あなたたちのほうも
満足に見られないよ
そうこうしているうちに
月日は経って
機会は失って
体力は落ちて
そうやって どこにも行けないまま
死んでいくのかな
あの夜に行きたい
睡魔が楽園の入口だった、あの夜たちに
また逢いたい
いまは
何もかも精一杯だよ
いつか
いつか 帰れるのかな
『東方深秘録』に登場する女子高生『宇佐見菫子』を基にした詩