詩 鼠返し
詩 鼠返し
世界にもし
二人だけじゃなかったら
解決策も弁証法も
吐き捨てるほど湧いたのかもね
けれどここには
もう 人類はいないのだから
千の夜を越そうとも
出なかった新回答
いいや、正確には
もう何度日が昇ったのか
わからないの、だから
実際には、ほんの数日しか経っていなくて
限界、だなんて言えもしない
わずかな時間しか、この課題に
向き合っていないのかもしれないけど
もう
わたしたち以外に
そのことを指摘する者は いないから
限界
二人の無意識が決めつけた、限界が
ただ、不定の形で
だけど、絶対の真理の顔をして
横たわって どいてはくれない
楽園の入口は
一方通行だった
逆流弁が付いていた
願って辿り着いた場所は
片道切符の旅路
それでいいよ
たとえ傍目に
閉塞した、限られた
選択に見えるのだとしても
ここにはもう
そのことを指摘する
人類はいないのだから
巫女と踊る
巫女のように踊る
あなたは巫女ではないのかもしれないけれど
手を取って 踊る
『蓬莱人形』に登場するジャケットのあの子(ジャケ子)を基にした詩