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20190614 キネマズ札幌ツアー1日目

飛行機の羽に♪マークがついている。
ゴー、とすごい音が鳴って、ふわと機体が浮いた。
これが空を飛ぶのか、そんで落ちたら死ぬんだな、そう思っているうちに眠っていた。

目が覚めると海の上だった。海を越え、そのうち北海道に差し掛かったことが分かる。畑ばっかりだ、四角く区切られている、色が、緑、ベージュ、茶色、と小気味よく配置されている、デザインじみている。

飛行機の着陸は思ったより乱暴。重い鉄が飛んでいたんだな、と分かる。落ちなくてよかった。


今日の箱は札幌サウンドクルー。
荷物を置くと、皆、あっという間に外に出る。ラーメンを食べ、帰り道にビールを買って帰る。
なんだかずっと楽しい予感がある。高校生のころの帰り道を思い出す。

高校生のころ、3年間軽音楽部に所属していた。
部活が大好きだったので、毎週3回ある部活がいつも楽しみでしかたなかった。それ以外の時間は、いつもだいたいイヤフォンを耳につっこんで、机に突っ伏して眠っていた。
学校にはそんなに熱心に通っていなかったのだが、その件で担任に呼び出されるたびに「部活の日は絶対休まへんこと分かってるんやからな」と言われたことを覚えている。
その割には3年間でろくに演奏もできるようにならなかったのだが、制服姿でギターを背負って歩いているだけでなんだか強くなれたような気がした。夏汗だくで背中とギターケースがびしょびしょに濡れようとも、そわそわと浮ついてたのしい気分でいられた。そんなことをふと思い出した。


サウンドクルーの楽屋には落書きやサインがたくさんあって、ステージに続くドアの真横には「この扉をくぐれば君はヒーローだ!!」と書いてあった。
ドアを開け階段を上る動画を撮ろうと思ったが、ドアのロックの開け閉めがわからず、結局ドアをがちゃがちゃやっているだけの動画になってしまった。
そうだよな、ステージに立つ人間はほんとうにヒーローだ、わたしはステージに立たない側の人間なので、それがよく分かる。
照明のきれいなライブハウスだった。


打ち上げ中、さきほど撮ったライブ写真をiPadでずっといじっていた。
写真は鮮度だなと近頃よくおもう。実行できていない部分も多々あるけれど、人に渡すぶんはできるだけ早くしようと心がける。

ちびりちびりと酒を飲みながらひとり粛々と作業を続ける。
さみしい部分と、でもこれに救われていると思う部分もある。多分これは私の性分にあっているんだな。私はいつも勝手にひとりになっている。こういう言い訳があってよかった。


ライブハウスを出て宿にチェックインし、再び街に出る。夜の札幌はどこか浮ついた雰囲気があって、視界の端でネオンがちらちら揺れていた。
ワインを飲んで、寿司を食べ、宿に戻って二段ベッドの上の階で眠った。


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