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【UFC 299】すいません、メインイベントはどれですか?【メイン以外の注目試合】『O'malley vs. Vera 2』※試合後追記しました



大会色合い

技術的な解説も特にない本記事ですが、わずかながら読んで下さっている方、フォローしていただいてる方、ありがとうございます。淡々とメモ書きとしてマイペースに続けて参ります。それはさておき、

ナンバーシリーズが300という節目を迎える一歩手前のナンバー大会がやってきました。現在「華のあるファイター」の最上級にいるであろう、バンタム級チャンピオン、ショーン・オマリー自身の戦績唯一の敗戦である因縁のマルロン・ヴェラを挑戦者に迎えて防衛戦を行います。ブルース・バッファーのコール時、敗戦数1をコールされる際にゼロサインを作るのはこの負けを認めていないことによります。
足の負傷がなければどうなっていたか、の答え合わせのリマッチ。
コメインにはライト級の「華」ダスティン・ポイエーに対して下位ランカーでありながらノリにノッている軍人、サン・デニが殴り込みます。
サン・デニは好きですが、ポイエーのインタビューでの語り口からは今後のキャリアをどう締めくくるかを考えているような雰囲気が漂っていて、まだまだやれることを証明してもらいたい心情です。
その他プレリム含めて数々の上位ランカーのカードが並んでいて、こういうnoteを書いてる身としては非常に困ってしまうほどの豪華さですので、ここでは気持ちを抑えて注目カード走り書きで駆け抜けたいと思います。

あえて書くとすれば、この大会には噂が先行していたファイター、Bellatorから本当にやってきたMVPことマイケル・ペイジがUFCファイターとしてデビューします。相手がホランドというのもちょうど良くしっくり来るマッチメイク。過去にはBellator JapanとしてさいたまSAでも試合をしたMVPがどんなパフォーマンスを見せてくれるか期待です。

注目試合

今大会はプレリムからランカー登場なので見逃してもいいかと思える試合がほとんどありません!
トップランカーvs中堅ランカーの試合も多く組まれており競争激化のカード目白押し。
メイン、コメイン以外のアンダーカードから気になる試合を絞ってピックアップ。

(フライ級:アーリープレリム②)CJ・ベルガラ🇺🇸 vs アス・アルマバイエフ🇰🇿

昨年8月ナッシュビル大会でデビューを果たしたアルマバイエフ。
30歳 18-2 (UFC 1-0) 3KO/9SUB

オデー・オズボーンを相手にしたデビュー戦ではオーバーハンドなど強打を見せつつ近い距離でMMAらしいタックルに入ってテイクダウンを奪い、コントロールを見せていました。
シングルレッグ、四つ組み、どちらでも取れてケージ際では手堅くバックテイク、ボディトライアングルから顎ごと絞めるRNCで期待の出来るパフォーマンスを見せました。フライ級の脅威となりそうなカザフスタン選手

戦績の2敗はRIZINでも2試合しているメイマン・マメドフ戦と、UFCフライ級ランカーであるタギル・ウランベコフ戦。

対するはタツローのUFC2戦目の相手となったCJ・ベルガラ
32歳 12-4 (UFC 3-2) 7KO ※1ポンドオーバー

ムエタイをバックボーンに持っており2021年のコンテンダーシリーズで契約。ファンとしてはタツローのアームバー敗戦が印象強いですが、現在2連勝中。
そのうちのダニエル・ラセルダ戦では後ろ回し蹴りをヒットさせられKO寸前まで追い込まれますが歯を食いしばって猛ラッシュを耐え、攻め疲れして足関節を取りにきたラセルダを逆にTKOに追いやる逆転勝利を見せつけました。

(ミドル級:アーリープレリム④)ミシェル・ペレイラ🇧🇷 vs ミハル・オレクシェイチュク🇵🇱

飛んで跳ねてミドル級転向後2戦目四次元殺法ミシェル・ペレイラ。
30歳 29-11 (UFC 7-2) 11KO/7SUB

ウェルター級時代、特にデビュー直後は飛んで跳ねてケージを縦横無尽に駆け回るオモシロ身体能力お化けスタイルで突き進んでいましたが2連敗を喫することもありました。
最近では流石にそんなこともなく、ミドル級転向となったペトロスキー戦では見劣りしないフレームで右ストレート一閃で試合を決定づけ今後に期待できる試合を見せてくれました。6連勝中

対するは猛烈左パウンドのハミル・オレクシェイチュク。
29歳
 19-6 (UFC 7-4) 14KO/1SUB

前戦は昨年ファイトナイト・シンガポール大会にてチディ・エンジョクアニとのフィニッシュ決着必至対決でした。
エンジョクアニのボディへのアタックを受け切ってテイクダウンに漕ぎ着けると得意の左パウンドで試合を終わらせインパクトを残しました。どうにか連勝に漕ぎ着けたいところ。

(ライト級:プレリム②)マテウス・ガムロット🇵🇱[#6] vs ハファエル・ドス・アンジョス🇧🇷[#11]

ナンバーシリーズならではのプレリム好カードになります。

昨年アブダビ大会ではライト級タイトルマッチのバックアップファイターとして控えていた影の巧者ガムロット。
33歳 23-2 (UFC 6-2) 8KO/5SUB

今回ライト級復帰の元ライト級王者・ベテランファイター、ハファエル・ドス・アンジョス。
39歳 32-15 (UFC 21-13) 5KO/11SUB

ガムロットは持ち味であるスクランブルを活かしてツァルキャン、ダリウシュ、ターナー、フィジエフらライト級第二集団としのぎを削って昨年はライト級タイトルマッチのバックアップファイターとなりましたが、オリベイラ欠場によって補填されたのはヴォルカノフスキーだったという不遇を受けた選手でもあります。(アブダビ大会だったので大人の事情があったんでしょう)
前戦はフィジエフ戦で、相手の膝の負傷によりTKO勝利。

対するアンジョスはウェルター専念?かと思いきやまたライト級復帰
40を前にライト級の体重を作ってレベルの高いMMAを見せてくれるでしょう。
モイカノ戦ではグラップリングで試合をしっかりコントロールしていてさすがと言わざるを得ないMMAを展開しておりました。
前戦はヴィセンテ・ルケとのウェルター級マッチでテイクダウン、コントロールされる時間を多く作られて5R判定負け。

(バンタム級:メインカード①)ピョートル・ヤン🇷🇺 [#4]vs ソン・ヤドン🇨🇳[#7]

現在王者のままであってもおかしくなかった男、ピョートル・ヤン。
31歳 16-5 (UFC 8-4) 7KO/1SUB

戦績だけで見ると現在3連敗中ですが相手は元王者スターリング(反則膝の後にリマッチでバックコントロールされちゃった)、現王者オマリー(賛否両論巻き起こる展開で勝ちを掴めなかった)、次期挑戦者筆頭メラブ(5Rボクレスやり続けるお化けスタミナの前に競り負け)というベルト絡みの試合が続いたことでの連敗なので、まだまだ見応えのある試合をしてくれるはずだと期待しております。
静かなブロッキングからスピーディーなコンボでダメージを狙う尻上がりスタイル。

若きストライカー、カンフーキッド。ソン・ヤドン。
26歳 21-7 (UFC 10-2 ) 9KO/3SUB

深いカットによるドクターストップで敗戦となったサンドヘイゲン戦以来のトップランカーとの試合を掴んだヤドン君。
脅威のハンドスピードから繰り出すパンチでKOを重ねるストライカーで、リッキー・シモン、クリス・グティエレスと2試合連続ファイトナイトのメインイベントを務めていずれも勝利し5Rマッチに慣れてきたところで、ここを喰ってタイトル戦に食い込めるか。
仮に日本の朝倉海選手がUFCバンタム級に参戦するならこことのマッチアップは見たいようなファイターですね。

(ウェルター級:メインカード②)ギルバート・バーンズ🇧🇷[#4] vs ジャック・デラ・マダレナ🇦🇺[#11]

柔術家でありながら卓越した打撃スキルを見せるウェルター級トップランカー、ギルバート・バーンズ。
37歳 22-6(UFC 15-6 ) 6KO/9SUB

さて「華」溢れる今大会ですが、「華」とは対極の色を持つウェルター級ランカーのベラル・ムハマッドちゃんに脅かされる昨今のウェルター級戦線。(ワイはムハマッド好きです)
そんなムハマッドちゃんについにトップランカーの壁として突破をされてしまったバーンズですが今回もウェルター級新世代との試合となります。
ランキングを駆け上がるストライカーにトップランカーとしてのMMAの洗礼を浴びせてしまうのか。

対するはオーストラリアのMMAボクサーで現在16連勝中ジャック・デラ・マダレナ。筆者推してます。
27歳 16-2( UFC 6-0 ) 11KO/2SUB

秀でているのは分かりやすくパンチスキル。目もいいです。
ガードの高い構えから、ジャブを起点にケージに追い込んでワンツー、ボディと打ち分けて主導権を握るスタイルでUFCでは6連勝し、トップランカーとの試合を掴みました。
前戦ケビン・ホランド戦ではリーチで勝る相手に対して懐に入って距離を作ってスプリット判定勝利。なんとか接戦をモノにしました。
それよりも更に遡って昨年7月のバシル・ハファス戦では弾丸レスラースタイルに苦戦しますがここでもなんとかスプリット勝利で2戦連続ヒヤヒヤの接戦を続けています。
ただしそれまで4戦連続1Rフィニッシュ勝利だったので、弾丸レスラーとのフルラウンド、フレームで勝る格上とのフルラウンドと経験値稼ぎとしては十分な試合を踏んでのバーンズ戦となるので、ここ2戦で見えた課題を積み上げていることに期待して見たいと思います。

ハファス戦ではオーソに構えているとタックルは切れていて、サウス構えだとテイクダウン取られる事が多かった印象。オーソでもスイッチして一歩下がって右足シングル取られちゃうと尻つけちゃうイメージ。3Rは相手の疲れもあってどちらでも取られず。バーンズは絶対混ぜてくるし、最悪なのはマウント肩固め。がんばれマダレナ。

その他気になる選手たち

ウェルター級 ケビン・ホランド🇺🇸[#13]
カンフー、柔術。おしゃべりリーチお化け。ペイジと対戦。
ウェルター級 マイケル・ペイジ🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿
Bellatorから移籍のトリックスター。UFCデビュー。ホランドと対戦。
ヘビー級 カーティス・ブレイズ🇺🇸[#5]
おにぎり顔のパワーレスラー。パウンドアウトは驚異。アウメイダと対戦。
ヘビー級 ジャイルトン・アウメイダ🇧🇷[#7]
高フィニッシュ率のグラップラー。倒して〆るマン。ブレイズと対戦。
ライト級 ブノワ・サン・デニ🇫🇷[#12]
好フィニッシュを続け頭角を表したフランス軍人ファイター。ライト級のスター、ダスティン・ポイエーの首を狙う。

※※※試合後追記※※※


面白かった試合、見返したい試合

いい試合続きで大満足の今大会でした。
印象に残った試合4選!!!

(ヘビー級:アーリープレリム③)ロベリス・デスパイネ🇨🇺 vs ジョシュ・パリジアン🇺🇸

2012年ロンドン五輪、テコンドー80kg超級の銅メダリストで身長は2mを超えるデスパイネがローカル団体4連勝を経て今回UFCデビュー。
データベースサイトを見るとローカル時代の全てが1RKO勝ちで2023年に戦ったFuryFCでの3試合(6月・9月・12月)はすべて秒殺ということで、蓋を開けた今回の試合では低く腰を落として大きく踏み込んできそうな構えからハイキックを放つとバランスを崩します。
直後起きて後方に下がりながらも上半身のバネでパンチを打ってヒットさせパリジアンを秒殺KOで下し強烈なデビュー戦勝利!!!

なんというか格闘技テレビ全盛期時代のボブサップ初登場のような衝撃を受ける選手が出てきました、、、。
組んで寝かせばどうなるか分かりませんが、このポテンシャルの高さとデカさとテコンドーメダリストという経歴ですから、今後注目必至ですね。


(ミドル級:アーリープレリム④)ミシェル・ペレイラ🇧🇷 vs ミハル・オレクシェイチュク🇵🇱

ペレイラは開始早々半身の構えから三日月蹴りをオレクシェイチュクの腹にヒットさせて嫌な印象を与えます。
ボディストレートで前屈みになるオレクシェイチュク、ケージに追い込んでペレイラは膝で更に追い込むと首に手を回してスタンディングでのバックチョークから足を掛けて倒し確実に絞め上げレフェリーストップ!!!

何もさせずのお腹悶絶チョーク後はオクタゴンの中央で四次元ブレイクダンスのウインドミル!笑
ミドル級転向で絶好調!!!ランカー戦もすぐそこか!?

(ヘビー級:プレリム④)カーティス・ブレイズ🇺🇸[#5] vs ジャイルトン・アウメイダ🇧🇷[#7]

アスピナル戦での消化不良、そしてパブロビッチ戦での完敗とここ最近は振るわなかったオニギリことブレイズが20勝19フィニッシュの柔術家アウメイダと下剋上マッチに臨みます。

1R早々テイクダウンを仕掛けるアウメイダ。ヘビー級屈指のレスラーであるブレイズを何度も持ち上げて腰を地に着かせます。
ラウンドのほとんどをコントロールされてしまってポイントを失ったブレイズですが2R、インターバルでは消耗しているような感じもあったアウメイダがまたタックルを仕掛けるとスプロール!!直後にデリックルイスにKO負けした時にもらったようなアッパーをコツンと当てるとアウメイダはブレイズの腕からこぼれるようにヘッドダウン!!

1Rの鬱憤を晴らすようにブレイズが側頭部に鉄槌を連打しレフェリーストップ!!!復活のブレイズ!!!ヘビー級ならではのKO劇を見せました。これが見たかった!!!

(ウェルター級:メインカード②)ギルバート・バーンズ🇧🇷[#4] vs ジャック・デラ・マダレナ🇦🇺[#11]

試合は当然、混ぜるバーンズとサウスポーでプレッシャーを掛けたいマダレナの駆け引きとなりました。
バーンズの右に注意して左のガードを固めるマダレナでしたがガードの上からオーバーハンドを叩き込むシーンもあってヒヤヒヤでした。
ケージ際で大外刈りを見せるマダレナ。直後に反則の膝を打ってましたね。微妙にヒットしてましたがレフェリーはスルー。

マダレナがバックステップで反応するところにタイミングのいいミドルキックをバーンズが入れていながら、マダレナもジャブ、上下のパンチの打ち分け、肘で返すバーンズ。
バーンズのタックルで尻をつかされるもマダレナのスイープも機能してて一進一退の攻防が続いてたように見えます。面白かった。

ポイントを失っているであろうマダレナが3R残り時間2分、ケージ際でバーンズにバックを取られコントロールされます。裏からリストを握られていて完全にアドバンテージを取られている状態でしたが、相手の体重移動に合わせてスイープに成功するとスタンドへ!!!直後すぐさまタックルに向かったバーンズに対してマダレナのテンカオがクリーンヒット!!!倒れるバーンズにパウンド&エルボー連打でレフェリーストップ!!!!

判定劣勢の僅かな残り時間の状況からマダレナがトップランカー相手に逆転TKO勝利!!!まさかの展開。おめでとうマダレナ。バーンズ相手にフィニッシュするとは思いませんでした。

試合後はラフモノフに対戦要求。どうなるウェルター級。


大会総括<次期挑戦者は誰に>

力の入ったラインナップだっただけに、大満足の結果となりました。
ここまで楽しんでも途中めちゃくちゃカッコイイUFC300の記念大会プロモーション映像が流れて更に興奮しました。最前線にいるトップファイターたちのカッコイイカットが続いて全部カッコ良かったな。。。

今回は個人的には勝って喜べる選手が勝ってくれて特にモヤモヤした感じもなく、後味スッキリな結果でした。
ポイエーのギロチンへの謎の拘りを見せながら得意のフィニッシュブローで勝つ最高の流れと、オマリーのカッコイイステップワークで支配しつつもヴェラも鋼の顎の強さを見せ最終ラウンドまでヒヤヒヤさせられました。
とはいえ、オマリーは防衛を果たしたことで王者らしさが出てきましたね。
しかし試合後はトプリアの名前を挙げていましたがデイナもトプリアも、そして当然メラブも難色を示し恐らく次こそはスタミナお化けレスラーのメラブが挑戦者となりそうな流れが出来つつあります。
それと同じような境遇?にいるのがウェルター級2位のベラル・ムハマッドでしょうか。バーンズを完封、ウスマンは陥落してミドル級転向?となった今次期挑戦者筆頭となっていますがどうなることやら。

今年ようやく防衛された王者のベルトですが、バンタム級は返り咲きを狙うピョートル・ヤンが久々の勝利をしてトップランカーの地位を死守。
ウェルター級はMVPがお馴染みのパフォーマンスをホランド相手に発揮して華々しい試合でデビュー戦を勝利で飾りました。年齢も36歳と若くないので上位ランカーとの対決が見たいところであります。
RDAも敗戦しましたがライト級でまだまだやれることを証明したように見えて、今大会のベテラン勢の活躍に拍車をかけたように見えます。職人。

さて、各階級ベルトの挑戦者は誰の手に。
そして来週からは4週連続ファイトナイト!!!
UFC300があることを片隅に置いて、推しを発掘しましょう。