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板倉雅一2ndソロアルバム制作日記その8

【追憶】
世間はGW真っ只中だが、ぼくにはあまり関係無い。
そもそもぼくは会社員ではないので、わざわざGWに出かけなくても、休みはある程度自分で調整出来る。
何度かGW中に出かけたことはあるけど、いつも酷い渋滞と、どこに行っても人、人、人でぐったりしてしまう。

だからというわけではないけど、今日もほぼ一日レコーディング作業に勤しんだ。
今日は新曲「追憶」のオケ作りと、作詞の煮詰め作業。

この曲は最初は「帰路」という仮タイトルをつけていたのだけど、詞を書き直しているうちになんだか「帰路」ではしっくりこない感じがしてきた。
この曲のテーマは母のこと。

ぼくは小さい頃に父親を亡くしていて、ぼくが物心ついた頃には、すでに母親は働きに出ていた。

かと言って家は母子家庭という感じでもなかった。
当時の我が家は結構大所帯で、母親と母の両親、つまりぼくにとってはお祖父ちゃんとお婆ちゃん、そして母の弟、つまり叔父さん、そして姉二人とぼくの7人家族だった。

そんな大人数の中で育ったため、父親がいなくて寂しい思いをしたことはあまりなかった。
子供の頃は病弱だったぼくのことを、母はいつも気にかけていた。

ぼくは高校を卒業してから、大学に行かずに音楽の専門学校へ入学した。
そして家を出て友達と共同生活をするようになった。

その頃、実家は母と叔父の二人住まいになっていた。祖父と祖母は他界し、すでに二人の姉も家を出ていた。

それからまた時が過ぎ、叔父も他界してやがて実家は母一人だけになった。
そんな母をぼくはいつも気にかけていた。
やがて母は一人静かに旅立っていった。

母はぼくにあれこれ指図するような人ではなかった。
好きなことをしなさい、といつも言ってくれた。
母は凛とした女性だった。ぼくにとって自慢の母だった。
そんな母には感謝しかない。

今回このような曲を作るのは少し抵抗があったけど、今だからこそ作っておきたいと思った。
母との思い出や仕事帰りの彼女のことを歌詞にしてみた。
湿っぽくなるのは本意ではないので、淡々とした作風を心がけた。でも思ってるように表現出来たかは分からない。

「まーちゃん、好きなことしてる?風邪引かないようにね」
天国から母の声が聞こえたような気がした。

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