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競技MTGは衰退したのか

先日Xを見ていたら、シャドウバースにもプロツアーというイベントがあることを知りまして、ちょっと見に行ってみたら、これは…

https://rage-esports.jp/sv_rspt/

プロツアーが、プロのツアーだ!どうやらこのプロツアーはプロプレイヤーのイベントで、名前の通りプロツアーらしいです。

プロ制度を廃止してプロツアーを「再開」というのが全然しっくりこなかったのですが、プロツアーというイベントがあって、

公式もマジックプロという言葉を使い続けていて、正直かなりの違和感があったのですが、コロナ前のプロツアーに憧れていた人たちにはすんなり受け入れられているので、まあそういうものなのかなと違和感に慣れてきていたわけです。

MTGのオフラインのプロツアーが「再開」して1シーズンが終わり、友人の小坂和音さん(テルテル)が世界二位になったりで、もう一年。すっかり忘れかけていた違和感をふと思い出しました。

そういえば去年2022年の終わりにこんな記事も書きました。

ざっくり言うと、もはやプロというのは制度じゃなくてブランディング手段で、「プロプレイヤー」はコンテンツクリエイターの一種。誰かに認めてもらってプロになるのではなく、勝手に名乗ってそれが認められるように頑張るもんなんだということを書きました。

もうすぐ今年も終わります。この記事を書いてから一年、変わったことや気付いたこともありました。

まず気付いたことと言えば、紙のプレイヤーの認識とのギャップです。私は競技マジックが衰退していることなんか公然の事実だと思っていたのですが、プレイヤー個人としては全然そう感じていない人も多いようです。なにせ、店舗予選(プロツアーの予選の予選の予選)とエリア予選(プロツアーの予選の予選)は予約合戦で競技人口はとても多いし増えている、だから競技は盛り上がっているのだと。とはいえ事実として、プロ制度は終了しましたし、MTGの競技シーンの配信は他のゲームと比べて全然数字がありません。世界選手権の決勝まで行っても、メインイベントはインフルエンサーのステージで、世界選手権は奥でやっているのをプレイヤーの友人が5人ぐらいずつ見に来ているだけだったとか。

なんでこんなにギャップがあるのかといえば、私の中での結論は競技とカジュアルの二極化です。

競技なんて今でこそ違和感なく言っていますが、私が10年前ぐらいに別のカードをやっていたときは、「ガチ寄り」「カジュアル寄り」のどっちつかずの人が大半でした。そのなかで極度なガチだった自分は競技的な雰囲気に惹かれてMTGに流れ着くのですが、それはさておき。競技とカジュアルって二つの別クラスではなく、元々ゆるやかなグラデーションだと思います。競技でも好きで使いたいカードはあったりするし、カジュアルでも多分勝率0%でもいいやとは思っていないでしょう、多分。ゆるやかに何を優先するかで勾配がついているのが普通なんじゃないかと思います。それが、競技とカジュアル(主にEDH?)の2クラスに分かれた感じになってしまっているのが、私と一部競技プレイヤーの認識のギャップなんじゃないかということです。極度の競技よりでない人でも、やや競技寄りでトッププレイヤーのプレイを見たい人とか、自分はカジュアルでも競技を見るのは好きな人とかが本来は大半であったのが、少ない「競技プレイヤー」の集合と「競技に興味ある人」の集合がほとんど同じになってしまっているんじゃないかと、そう考えています。

そんなわけで「競技シーンの衰退」への解像度は少し上がったんじゃないかと思います。去年末の記事で、他から見つけてもらおうなんて考えずに自分からアピールするべきと主張し、それは今も変わっていません。ただその方向性は具体性を増しました。その方向性とはずばり、カジュアル勢に面白がってもらうということです。カジュアル勢というと語弊があるかもしれません。走り続けている競技プレイヤー以外にも興味を持ってもらえるが適切ですかね。競技シーンへの憧れはあるが仕事や家族で時間を多くは割けない人、そこまでコミットする気はないが勝つための方法や競技勢の取り組みに興味はある人なんかはとてもいい潜在ファンですね。

さらにそこから公式の仕事なんかに繋がりたかったら、あとはもう一つの簡単なロジック、数字ですね。MPL、世界最高峰24人のプロになったにも関わらず、動画や公式記事なんかにもスルーされ続けて(下位リーグのMRLの人は呼ばれるのに!)、(今だから白状しますが)腹を立てたりもしましたが、改めて考えれば当然です。だって、プロ制度を潰すという選択をしているわけですから、そういう方針です。プロプレイヤーとしてのブランディングが既にできている人は数字が取れるから来てください、でもMTGが強いだけの集客能力のない人には価値がないですというわけです。

焼き畑農業的、なんていうと言葉が悪いですが、もうちょっとやわらかく言えば新卒採用ありだったのが中途採用のみに切り替えたということでしょう。力のある会社なら、有能になる可能性がある人を新しく育てる余裕がありますが、苦しくて予算をカットする必要があるなら即戦力しか採用できませんよということでしょう。実際別のゲームの数字を持っているプレイヤーは公式イベントに出ていたりするので、数字が全てということです。わかりやすいですね。

一部の競技プレイヤーは「勝って結果を出してそれから発信しよう」という自分ルールをプロの条件と混同している気がします。いやあ、勝っても別に何もしてくれませんよ。世界選手権準優勝でも何もなかったらしいですし、勝って得られるものは賞金と自己満足感とそれより先が欲しければ自力で頑張るしかないというわけです。競技に興味がある人は少ないので、興味を持ってもらえるよう働きかけて、数字を持ってそれでプロになる。競技を黙々とやっているだけで見つけてくれる人の市場は狭すぎるから、もしアピールせずに勝ちまくってもよくX(Twitter)で見る「誰…? その界隈だと持ち上げられてるけど「その界隈」が狭すぎて世間に通用しない感じの人…?」になるだけです。

実際は順序が逆なんです。プロだから有名になるんじゃなくて、有名だからプロって呼ぶ価値があると公式さんに思ってもらえたり、そう認めてくれる人が増えたりするわけですね。

あ、今年あったことと言えば、忘れてはいけない、公式の解説を一度やらせていただきました。

MPL契約期間が終わり、結局公式の仕事には呼んでもらえず、悲しさと悔しさをバネに次へ行こうと完全に諦めていたことだったので、多分私が一番驚きました。ありがとうございます。

まだ公式の仕事は一度だけですが、私は面白いですし、既にある数字はイマイチでもマジック界隈で新しく獲得したファン数では飛び抜けていると思いますし、活動内容からして新しい層にリーチしますし、これからもっと広くリーチしていく野心もあるので、私を呼ぶのはかなり割のいい投資です。あと、何より他の解説の方たちと違って紙のカードにあまり興味がないので、常に選手として出るよりも解説を優先できます。公式配信関係者様、もしご覧になっていたら…いかがでしょう?ご連絡お待ちしております。

話が逸れましたが、競技に興味を持ってくれる中間層こそが、本来の競技シーンを収益に結び付けるためのコア層であり、今からプロを目指すならここを狙うべきですし、あるいは、公式さんにまた競技に力を入れようと思ってもらえるためにはこの層がしっかり分厚くなる必要があるんじゃないかと思っています。

そういう想いもあり、MTGに限らず、カードゲームが好きな人すべてに興味を持ってもらえる内容を発信したいということで #一般TCG理論 というのもはじめました。一般性が高いTCGの知見を蓄積する場にして、MTG出身の人はしっかりしたこと言うと思ってもらえたら、自分のリーチが増えるしMTGのためにもなるのではないかと思っています。自分がMTGに興味を持ったの自体、当時の自分の周りに競技をやるんらMTGという認識の人が多かったからで、そのときのMTGの人たちが頑張ったからこその評判でしょう。

私が有名になるだけではなく、競技シーンがまた盛り上がるためと考えるとやはり、多くの人が気軽に発信できる空気感も大切だと思います。MTGの競技関係は、結果を出してないと発言しにくいような息苦しさを感じている人も多いようですが、そういうものがなくなって気軽に興味を持って触りやすいものになるべきです。

そういわれても、どう書けばいいかわからないし、なぜ配信とかより記事がいいかわからない?

大丈夫!!

ここに土曜日 東地区 “ホ” ブロック 02aで配布されるOmni-thopter2023 Winterがありますね?

ばっちり書いておきました。プロがなくなったMTGでプロとしてやるためのすすめ

コミックマーケットあるいは

こちらのBooth


からどうぞ。今回は電子版もあります。

きれいでかわいいトークンとプレイマットとのセットも

こちらにあります


ではまたコミケかどこかで。全く気付かなかった方が大半かと思いますが実は宣伝記事でした。



おもろいこと書くやんけ、ちょっと金投げたるわというあなたの気持ちが最大の報酬 今日という日に彩りをくれてありがとう