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研究者の私がもし小学生(中学生)なら、この夏やりたい自由研究「水族館で魚の観察」 RE:CONNECT×Nue inc note企画第2弾

森・里・海のつながりを総合的に研究する「RE:CONNECT(リコネクト)」。日本財団と京都大学が共同で行うプロジェクトです。本プロジェクトのクリエイティブ部門を担当するコンサルティングファーム、Nue incからお題をいただき、研究者が記事を執筆する企画がはじまりました。第2弾は「研究者の私がもし小学生(中学生)なら、この夏やりたい自由研究」。小学生(中学生)のこころで考えてみました。
RE:CONNECT公式サイト→https://reconnect.kyoto-u.ac.jp/

さて、今月もやってきましたRE:CONNECT×Nue inc note企画。今月のお題は自由研究ということで、小学生の子供がいる親御さんにはなにか参考になることもあるかもしれない。

何を隠そう僕は自由研究にはちょっと自信がある。というのも小学校の自由研究は1年生~6年生まで学内の優秀賞みたいなやつに選ばれていたし、6年生の時は県だったか市だったかの推薦に選ばれたのだ。

そんな僕がおすすめする今小学生だったらやりたい自由研究は、「水族館で魚の観察」である。

これは僕が魚好きということもあるが、ほかにもいろいろとちゃんとした理由がある。

①生き物の観察は鉄板の自由研究テーマ

これは僕の実体験であるが、生き物の観察は特に自由研究に向いている。まず、テーマ設定が緩くてよい。ほかの研究であれば、どんなテーマにするか、目的は何かということを考えないといけないし、そのためには日ごろからの情報収集が必要とされる。おもしろいテーマを見つけるだけでしかし、生き物の観察は特別な目的意識がなくてもある程度研究として成立するので、特に小学生などの自由研究としてやりやすいのだ。研究者的に言うと、生き物が勝手に面白いことをしてくれるのでそれを記述すればよいという受け身の姿勢でも研究ができるのだ。小学生の目線で生き物の暮らしぶりを観察するというだけで、おもしろいというのも重要である。

最近ニュースになったカブトムシの夜行性説の検証(小学生の夏休みの自由研究が国際的な科学雑誌に掲載されたというやつ)もそういった小学生ならではの目線での観察が下地になっていると考えると、こういった観察は馬鹿にできないのである。

今の時代はスマホなどで気軽に動画や写真を撮影することもできる。水族館の場合はフラッシュ機能には注意してほしいが、そういった写真や動画をセットで提出すればさらに出来の良い自由研究となる。

②珍しい生き物を対象にすることができる

普通、小学生の観察といえば自宅で何かの生物を飼育しながら観察というのが常套手段のわけだが、それでは扱える生物の範囲がとても制限される。生き物の飼育というのは思ったよりも難しく、自宅で初心者が飼える生物となるとかなり幅が狭くなるし、失敗した際のリスクもある。そう考えると観察対象として実質的に選べる生物はある程度絞り込まれてくるのである。

ところが水族館や動物園であれば、まず飼育の手間をかけずに動物を選べるという時点でもう有利である。飼育のリスクを排除できるのは偉大。それに加えて普通じゃ扱えない珍しい動物をテーマにできるので、ほかの人とは違って目立つのでものすごく有利なのである。例えば「ハリセンボンの行動観察」と聞くと、テーマだけでもうどんな観察していても面白そうに見えるのだ(実際面白い)。

1時間その生物だけをじっと見てどんなことしてるか記録するだけでも相当面白いだろうし、観察している中でおもしろそうな視点を思いついたらなおよい。例えば、「ジンベエザメは海遊館の水槽を1周何分で泳ぐ」とか普通におもしろい。好き。

③涼しいので夏休みにピッタリ

ここからは副産物の話。水族館は生き物を飼育してる関係で気温がある程度保たれている。これは日本の夏という季節を考えると超重要な要素である。涼しい環境で観察できるテーマは子供の体調を考えても素晴らしくマッチしている。自由研究だからという口実で遊びに行けるのも重要なポイントである。午前中じっくり観察して午後からは遊んで帰る。なんと充実した夏休みだろうか。


以上、これが僕の考えた最強の自由研究である。いかがだっただろうか。思ったより実用的なテーマが出来上がったので個人的にも満足している。今の時代、水族館も様々なサービスが充実している。じっと観察できる環境が整っている水族館もあるのでぜひ探してほしい。ほかのお客さんに迷惑にならない範囲で楽しく観察していただければ幸いである。



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