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ヒトは土から離れては生きられない

ぼくは植物が好きだ。
好きを通り越して、尊敬しているかもしれない。


植物の有名なはたらきに光合成がある。
光合成を化学反応式で表すとこうだ。

6CO2二酸化炭素 + 6H2OC6H12O6グルコース・ブドウ糖 + 6O2酸素

式で表せば非常にシンプルなものだが、ヒトはまだこの反応を真似することができない。言い方を大袈裟にするのなら、ヒトの科学力は葉っぱ一枚に敵わないのだ。

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光合成のおかげで、空気中の二酸化炭素は有機物(グルコース)として植物の体内に蓄えられ、それは食物連鎖で巡り巡ってヒトの血肉となる。ぼくらは死ねば焼かれて二酸化炭素と水になり、大気中に放出されたそれらはまた植物に吸われて有機物になる。

この大きな循環を支えているのが太陽と大地だ。

とりわけ地中には多くの細菌類や菌類、ミミズなどの小動物が存在し、動植物の死体や枯死体を分解することで植物が生きるための栄養素をつくりだしている。


すべての生き物は、こうして他の生き物と関わり合うからこそ生きていける。もちろんヒトだって、植物や地中の生き物に頼らなければ絶対に生きていけない。もし植物が酸素を作ってくれなかったら、ぼくら動物はあっという間に絶滅するはずだ。

ちなみに、植物は別に動物のために酸素を放出しているわけではなく、もちろん地中の生き物たちも植物のために栄養素を出しているのではない。それぞれが生きるために活動した結果、そうなっているだけだ。

ここがポイントで、巨視的にみると本来は生きることそのものが、そのまま地球上の誰かの役に立っているものなのだ。


じゃぁヒトが生きていて得している誰かって、一体誰なのだろうか。


ぼくは、ヒトが生きるためにする行動のうちで、生態系に重要な影響を与えるもののひとつに「耕すこと」があるんじゃなかろうかと思っている。
ヒトの手が入らない土地は凄まじい勢いで荒れ、痩せていく。ヒトは自分たちが生きるために耕しているだけなんだけど、実はそれが他の生き物の役に立っているのが農林業だ。

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シータは玉座の間で、ムスカにこう諭す。

ヒトは土から離れては
生きられないのよ

ヒトはこれから先どんなに科学力を進歩させようと、土を疎かにした生き方はできないのだと、ぼくはこの言葉を捉えている。

植物は言葉こそ話さないが、ぼくたちヒトに色んなことを教えてくれているのだ。そんなわけで、植物はマジでスゴイ。


この記事は、以前にわたしが書いたエッセイを「#未来のためにできること」の応募用に加筆・修正したものです。というわけで、応募期間が終わったらこの記事は消します!(1,000字以内にするのが大変だったぁー。。)


100円→今日のコーヒーを買う。 500円→1時間仕事を休んで何か書く。 1,000円→もの書きへの転職をマジで考える。