推しの日本一
私は横浜DeNAベイスターズ推しである。
11月3日日曜日。
11月2日土曜日が雨だったため、予定されていたソフトバンクとの日本シリーズ第6戦が雨天延期となり、翌日に振り替えて試合が開催された。
第6戦はベイスターズが勝てば日本一、ソフトバンクが勝てば最終戦まで行く試合だ。
私は日本一が決まる可能性がある試合に対して、楽しんで観たい気持ちと負けて日本一を逃してしまうかもしれないと思う気持ちが入り混じっていた。
その日は日中用事があり、外出をしていたのだが、用事が終わった夕方ごろにプロ野球速報アプリを片手に、ラジオを聞きながら電車で帰宅していた。
筒香がホームランを打った瞬間は電車の中だったが、思わず声がこぼれてしまった。
声を出した瞬間に隣に座っていた人が怪訝な顔で見てきたため、咳こんで誤魔化すことで平静を装った。
試合前は負ける姿を観たくない不安な気持ちもあったが、蓋を開けてみると大勝ということで日本一決定の瞬間は余裕を持ってみることができた。
日本シリーズでの試合を見ていて印象的だったのは、シーズン中にスタメンとして出続けたわけではない筒香選手が躍動していたことだ。
シーズン中にスタメンで出続けることは素人ながらも簡単なことではないことは推察される。
それは日本球界に戻ってきて過去に大きな実績があり、日本球界に戻ってきた筒香選手も同様。
その筒香選手がスタメンで出続けていたわけではないけど、しっかり準備をして、ここ一番という場で自分の力を発揮する。
おそらくアメリカに渡った後には、相当な苦労をしながら野球をされていたと察するが、そういった苦しい状況でも腐らずに続けてきたからこそ、日本シリーズという大舞台でチームを日本一に結びつくプレーにつながっていたのだと思う。
それにしても帰国して戻ってきたチームを日本一に導くとは、カッコ良すぎる。。
また、日本一決定後のビールかけの時に石井琢朗コーチがクライマックスシリーズでMVPを取った戸柱選手に向けたスピーチも印象的を超えて感動的だった。
「(戸柱選手は)一生懸命頑張ったんだよ。試合に出られないときも腐らずに。あの炎天下の中一生懸命、早出でバッティングして。その成果がMVPになったよな。野球の神様は見てるよ。練習は嘘をつかない。」
戸柱選手はベテランのキャッチャーだが、シーズン中は若い山本選手がキャッチャーのポジションでスタメンする試合が多かった。
だが、その山本選手が怪我でクライマックスシリーズ出れなくなったため、キャッチャーのポジションに入った。
自分自身も含めて世間からは急きょ代わりに入った選手で大丈夫かなというような認識だった人も多いと思うのだが、その戸柱選手がクライマックスシリーズで最も優れた選手に贈られるMVPを取ったというのは感動深い。
石井琢朗コーチは以前にも「1.01と0.99の法則」を若手選手に説いたという記事も目にしたことがある。
「1.01と0.99の法則」とは、原点の1からたとえ0.01ずつでも努力を続ければ、1年で365乗されて、約37.8と40倍近くに伸びる。
一方で原点の1からたとえ0.01ずつでも怠け続ければ、1年で365乗されて、約0.03と3%くらいになってしまうという法則のことだ。
つまり、日々の積み重ねは小さいけど、継続すると大きな成長をできるぞということである。
それを2022年からコーチに就任した時に選手に説いてから3年。
1.01の法則を3年(365*3=1095)に適用すると、5万を超える数値になる。とんでもない成長幅である。
人間は常に良い状態をキープすることは難しく、ライバルに負けて自分のポジションが奪われることもあると思う。
だがその中でも諦めず、自分の場が来るまで努力を続けることでいつか実を結ぶのだと思う。
その時に大事なのは、どんなに小さいことでもいいから昨日の自分よりできたことを毎日1つでも作ることではないかと考える。
推しの日本一という喜ばしい出来事だけでなく、その裏にあるサクセスストーリーも知ることで自分も頑張らなきゃという気持ちにさせられた。