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“外来種”のはなし

今回は外来種のはなしです。

先日、休日を利用して岡崎城へ出かけた時のことです。
駐車場から岡崎城の敷地へと歩いている途中、見慣れない1羽のチョウが不意に視界に飛び込んで来ました。
幼少期から興味をもって昆虫を見続けてきたわたしは、視界に入る昆虫を「無意識に識別する習慣」が身についています。
その私の無意識のフィルターにかかったということは「珍しい」か「見たことがない」のいずれかです。

「ゴマダラチョウ?、いやリュウキュウアサギマダラ!?」
「ゴマダラチョウとは模様が違うし、リュウキュウアサギマダラはこんなところにはいないはず・・・」

幸運にも足下に降りてきてくれたその姿を見て「もしかしてアカボシゴマダラ?」と思い至り、初めて目にするその蝶に夢中でカメラのシャッターを切りました・・・・

ゴマダラチョウ(在来種)
リュウキュウアサギマダラ(在来種)
アカボシゴマダラ(外来種)この個体は白化個体でした。

アカボシゴマダラは環境省が指定する【特定外来生物】にリストアップされて既に国内の定着が確認されている蝶です。
外来種といえば、池の水を抜いて生態調査などを行っている某人気TV番組によく登場する淡水性の魚類や両生類、爬虫類が有名ですよね。

ミシシッピアカミミガメやアメリカザリガニ、ブラックバスなどに代表される水生生物の外来種による侵食は既に回復困難なほどになってしまっているため「外来種を駆除して在来種を保護しよう!」というような趣旨の意見も多く聞かれます。

ただ、私はこの考え方に素直に賛同することができません。もちろん国内の在来種を守りたいという思いは同じなのですが・・・

現在、国内に生息する外来種の多くはヒトの手で外国から運ばれてきたものがほとんどです。
ヒトを除く地球上の生物は「与えられた環境に適応すること」でその命を繋いで来ました。環境にあわせ生態を変化させ、直接的または間接的に競争他者を排除して生き延びるしか種を存続する術がないのです。
それをヒトの都合で他国から持ち込んでおいて、日本の環境に適応し国内在来種を淘汰しはじめた途端「外来種」などという名称で呼称するばかりでなく駆除対象として管理しようとする・・・この行いが私にはヒトの高慢な行動に思えてなりません。

私は環境学や生態学を学んだ訳でもなんでもなく、ただの生き物好きですのでこのような楽観ができるのかもしれませんが・・・
住み慣れた環境から引き剥がされ、無理やり連れてこられた未知の環境に必死に適応し生存競争を勝ち抜いた結果、まるで侵略者かのように「外来種」のレッテルを貼られ駆除対象とされている彼らがとても不憫に思えてしまうのです。

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