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脱会のステップ【第2章③組織を知る】

宗教を脱会したいけれど、辞められないという方に向けたシリーズ記事。
私自身のエホバの証人という宗教団体での経験をもとにして書いています。

前回は、聖書そのものについて知見を広げるための一般の書籍を紹介しましたが、
今回は、いよいよ組織の教義に切り込んでまいります。

いわゆる「背教者」の文章も紹介します。
もしかすると、まだ背教者の文章を手に取ってみることに抵抗感があるかもしれません。
・組織の教えに背くことになるのではないか
・神から見て罪を犯すことになるのではないか
・バレたらどうしよう
こうした恐怖を感じているかもしれません。

しかし、このシリーズ記事をここまで読み進めてくださったのであれば、
もう次のステップに進んでもいい頃ではないかなと思います。

もちろん、あなたの人生に私が責任を取れるわけではないので、最終決定はあなたが行うことになります。

もしも、「先に進みたいけれど、やっぱり怖い。。」と思われる方がいましたら、次のことを少し考えてみると良いかもしれません。


宗教改革で有名なマルティン・ルターは、当時のカトリック教会に対し「95箇条の論題」を発表し、真っ向から教会に対する批判を展開しました。
彼にどのような動機があったのか知る術はありませんが、真の神を追い求めることや自分の信念を貫いたがゆえの行動だったのではないかと思うのです。

あなたが愛しているのは、組織でしょうか?それとも神でしょうか?

それを一度考えてみてほしいのです。


そして、もう一点。
なぜ教団が再三に渡って「背教者の文章は毒である。決して読んではならないし、背教者と議論すらしてはならない」と教えるのでしょうか。
その裏のメッセージを考えてほしいのです。

おそらく、表向きには「背教者の文章は真実ではないことが書かれているから、それによって疑いを持ってしまう」といった意味に理解できるでしょう。というか大会の話などで実際にそう言っていますね。

もちろん、そうしたブログなどもあると思います。

しかし、教団が懸念しているのはそこではありません。

それを知ってしまったら、教団から離れていってしまうであろう重大な事実を発表しているから、それを見ないようにと教えているのだと思います。

いわば、組織も分かっているのです。
これは読まれたらやばい、と。

例えるならば、こういった感じでしょう。
あなたは偶然手に入れた金銀財宝を地面の中に埋めたとします。
ある人がその噂をどこかで聞きつけて、あなたが埋めたあたりを掘ろうと近づいてきます。
あなたはなんと言いますか??
きっと何か理由をつけて、その人が財宝を埋めたエリアに立ち入らないようにというはずです。

そうですね。
たとえば、「ここは昔戦場だったので、地雷が埋まっている。ここから先に進むと命を失いかねないから、絶対に近寄らないほうがいい。」といった感じでしょうか。

どこかの指示とそっくりだなあと思いませんか。

これは私の推測ですが、組織の上層部の人は多分、そうした「背教者」の文章を読んでいるのではないかと思います。
いわば「信仰の強い人」がそうした本を実際に読むことで、それがいかに危険であるかをチェックしているのではないかと。
実際、「読者からの質問」というコーナーが、雑誌「ものみの塔」に載せられることがあります。
ここでそれとなく、背教者が提起している組織の教義についての矛盾点を弁明しているケースが見られます。

このあたりも、組織の表向きの指針と実際の部分との乖離が見えてくるのですが、まあこれは組織としてある意味では仕方のないことかもしれません。


とはいえ、無理は禁物です。
もし、こうした書籍を読んでしまって後で罪悪感に駆られて、長老に相談しようものなら、余計に脱会が困難になってしまいます。
かなり強い抵抗感を感じるようでしたら、まだその時期ではないのかもしれません。

感覚としては、「本当のことを知りたい!」という思いが強くなってきたのであれば、読んでみてもいいのではないかと思います。

それでは1冊目、紹介します。


『良心の危機』レイモンド・フランズ

おそらくエホバの証人の組織に「禁書目録」なるものがあるのだとすれば、間違いなくランクインするであろう「伝説の書」です。

もしかすると、一般信者の方でも耳にしたことがある方もいるかもしれません。
著者のレイモンド・フランズ氏は元エホバの証人であることはもちろんのこと、組織の事実上のトップである「統治体」のメンバーだった方です。

私たちが決して伺い知ることができないであろう統治体の実情について、詳細に記述されています。

あまりに売れすぎているせいか(苦笑)、Kindle版でも出ています。
少々見にくくなりますが、Kindle版ならばスマホやPCの中にしまっておけますので、家族にバレたくないかたはそちらで読んでみることをお勧めします。
そして、ある程度の規模の図書館であれば、普通に置いてあったりしますので、ちょっとお金が、、という方は図書館で借りてもいいと思います。

※ちなみに私は妻にバレると困るのでKindle版で購入しました。


詳しくは読んでいただきたいのですが、

・排斥かどうかが統治体のさじ加減で決まってしまうこと
・統治体会議では聖書すら開かれないことがあること
・組織の1914年の年代計算があまりにも根拠が薄いということ

など、「本当にこれは、僕たちが集会で教わってきたエホバの用いている経路なのだろうか」と疑わずにはいられない内容がひっきりなしに明かされていきます。

私は、仕事へと向かう電車でこの本を読んでいたのですが、夢中になりすぎて降りる駅を乗り過ごしてしまいました。
600ページくらいあるけっこう分厚い本ですが、先が気になって仕方なかったので、ひたすら読み続けて、購入した翌日には読破してしまったことを覚えています。

もちろん、ここに書かれていることが全て真実なのかは分かりません。著者が少し誇張して書いている部分もあるかもしれません。
しかし、書籍にして発表するということのリスクを考えると、そこまで嘘だらけというわけではないとも思います。
このあたりは、今後紹介する他の書籍を読み進めながら信じるに値するかどうかを見極めていっても良いと思います。

この本が発行されたのが2001年ですので、私のような2010年以降に信者になった方にとっては初めて知るような内容もたくさん書かれていると思います。


長くなってきましたので、次の一冊はまた次回に紹介します。

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