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走らせよう!つづきブックカフェ~ひと・まちを本でつなぐプロジェクト~

本を届けることを通じ、幅広い年代の人たちが街に出てくるきっかけをつくりたい。

プロジェクトの内容と自己紹介

絵本を積んだ車がみなさんの住んでいるところに行って、そこで3時間のブックカフェをオープンする。絵本を読んだり、紙芝居をしたり、おしゃべりをしたり。地元カフェと連携してコーヒーやお茶の提供もする。素敵な交流の「ひろば」が広がると街はもっとやさしく、元気になる。新たな街の魅力もきっと発見できる。
「走らせよう!つづきブックカフェ実行委員会」はそんな想いを共有するメンバーが集い、プロジェクトがスタートしました。

どんな車でくるの?
車はこんなです↓

私たちは、この車に「つづきブックカフェ号」別名「オレンジボーイ」と名付けました。小田原市の川田製作所さんからお借りします。川田さんはじめ関係者の方々に感謝です!
 川田さんは、ふだんは「出張まち工場」としてお使いになっています。私たちがお借りする間は車内に本箱を置き、床にボードを敷き、車内で本の閲覧や読み聞かせができるようにします。また野外ではパラソルやテーブル、椅子などを用意し小さなカフェのような「場」をつくります。

1回目を試行して
今年9月15日のタウンセンター子育て地蔵まつりでオレンジボーイはつづきデビューをしました。当日は雨の中、絵本作家のこがようこさんが来て自作の絵本を読み聞かせしてくださいました。

<実施して感じたこと>
オレンジボーイの懐の深さ、絵本の力に驚きました。
車内は立って歩ける高さで、床面が広いので、壁側に本棚を置くとまるでミニ文庫になりました。次々に親子連れが靴を脱いで入ってきて、くっつきあって絵本を読んでいます。知らない同士が、一体感を感じる異空間!そんな中でも絵本はすぐその世界に引き込んでいく特別な力があるということも発見でした。雨の中の心地よい読書体験。きっと忘れられない思い出になったと思います。
この日、外にはパラソルを広げて本箱を並べました。近くに珈琲の移動販売車もお店を出していましたから、晴れていれば素敵なカフェになったことでしょう。

<参加者の感想>
小さなスペースが、逆に本に囲まれ、本にどっぷり浸かれるひとときを与えてくれます。贅沢な空間だなぁと思いました。
限られた空間なので、そこにある本も厳選されていると思うので、なんでこの本を乗せたんだろうって想像したり・・・。ブックカフェならではの楽しさなのかなぁと思います。

どんな本があるの?
あかちゃんから高齢者まで楽しめて、思い出がいっぱい詰まった絵本が中心ですが、雑誌や写真集も揃えるようにします。本は、①借用、②寄付、③購入の3つの方法を工夫して集めます。それに当日誰でも自慢の本をおすすめという「持ち寄り本」も歓迎です。本の話題で盛り上がりそうです。

どんなところにやってくるの?
「ブックカフェ」が行く場所は、公共の図書館サービスが届かないエリアや地域活動グループなどとコラボできるところ、みんなの居場所となるコミュニティなど。当面は都筑区内を中心にコミュニティカフェや農園作業所、お寺、商店街など8か所を計画しています。今後、マンパワーをつけて定期運行や都筑区から横浜北部へと展開していきたいと考えています。以下は初年度、都筑区内でカフェを開く場所のイメージです。

都筑で活動する多彩なメンバー

現在実行委員は8名です。それぞれが、家庭文庫の運営や図書館ボランティア、街のにぎわいづくり活動、子ども活動、中間支援活動などの取り組みを行ってきた多彩なメンバー。そんなメンバーが、「ブックカフェを実現する」という共通のミッションに賛同して集まっています。

応援メッセージをいただきました!

市民自治ではじめる図書館の実現にご助力を

横浜市で図書館プロデュースを事業として営んでいるアカデミック・リソース・ガイド株式会社(ARG)の岡本真と申します。
このたび長年お世話になっている横浜の少し先輩の友人知人が新しい挑戦をされると聞き、せめてもの支援として、一人の横浜市民の立場でこのメッセージを書いています。
いま述べたように、私自身も横浜で育ち、いまも横浜に住まう横浜市民の一人です。私たちが住む横浜市は日本最大の基礎自治体であり、実に約380万の市民が住んでいます。人口規模や財政規模でみれば、日本最大の都市であり、それは横浜市民にとっての誇りの一つでもあります。
しかし、現実を見ると、そのような「日本一」や「最大」という言葉とは裏腹な現実もあります。なぜなら、いわゆる政令指定都市のなかでは、横浜市の公共図書館事情は、特に図書館の設置数の点では非常に見劣りがするからです。もちろん、横浜市が何もしていないわけではありません。さまざまな手立てを尽くしてはいるのでしょうが、いかんせん現状では財政的に思い切った図書館政策をとるのが困難であることは、職業柄よくわかります。
ですが、だからと言って市民も手をこまねいていればいいわけではありません。きっとそのような問題意識があればこそ、今回、このプロジェクトに立ち上がった方々がいらっしゃるのだと思います。公共図書館は必ずしも公立の図書館であることを意味しません。「民」の力で公共性を発揮する図書館があってもいいですし、実際、日本にもそのような民間公共の図書館は実在しています。
横浜は開港都市として常に日本に新しい風をもたらす窓の一つでした。このプロジェクトも、横浜らしい日本の図書館のありように新しい風をもたらすものへと育っていくよう願っています。そのためには大勢の方々のご助力が必要です。直接経済的にサポートしていただく以外にも、このプロジェクトをソーシャルメディアや口コミで紹介していただくだけでも心強い支援になります。共感するところがあれば、ぜひお一人おひとりにできる範囲でご助力いただければ幸いです。
アカデミック・リソース・ガイド株式会社(ARG)代表取締役/プロデューサー 岡本真
プロジェクトの目的/課題認識
(1)本に共感する力をつなぐ
 本は人の心を開き、元気にしてくれます。本には先人たちの知恵や知識が詰め込まれているからです。なかでも絵本にはそれがギュッと詰まっています。絵本を読むと子どもは想像の翼をはばたかせ、大人は思い出がひきだされます。そして、そこに来たひとたちが次へとつないでいくことができます。
 本は知らない人同士がなかよくなるきっかけをつくります。本を「かけはし」に豊かな街づくりをしてみたいと考えています。
(2)街を豊かにする
 港北ニュータウンは人の出入りが激しいところです。最近は呼び寄せ老人も増えており、コミュニティづくりが新たな課題となっています。一方都筑区周辺部では公共施設も少なくひとが自由に集う「場」がほとんどありません。
 ブックカフェが絵本・本を届けることで子どもから高齢者まで幅広い年代の人たちが家から街に出てくるきっかけとなります。本を通してつながりが生まれ「人を感じるまちづくり」につながっていきます。
(3)指宿から横浜、そして全国へ
 市民が主体となって行う移動図書館は全国的にもほとんど例がありません。私たちがお手本としているのは鹿児島県指宿市のNPO法人本と人をつなぐ「そらまめの会」がクラウドファンディングで実現し運行している「そらまMEN号」です。
 「そらまMEN号」は日本全国を視野に動いているスケールの大きなブックカフェプロジェクトです。10月28日の「走らせよう!つづきブックカフェ~ひと・まちを本でつなぐ」にはるばる指宿からここ都筑にきてくださいます。私たちのプロジェクトは鹿児島・指宿発のムーブが横浜・都筑からさらに全国に拡がる契機となります。(写真は、指宿の「そらまMEN号」です。)

(4)図書館の充実を期待
 つづきブックカフェ号は貸し出しを行いませんが、行った先々で図書館への関心を広げ利用をPRをします。また本屋さんで欲しい本は購入するというきっかけにもなると思います。独自に取り組むブックカフェが届ける「本の力」は図書館や文化環境への関心を高め、地域ぐるみの読書活動の展開が期待できます。高齢化・貧困化が進む中で社会的インフラとして欠かせない公共図書館の充実へとつなげていきたいと考えています。

図:横浜市と政令市との図書館比較

『横浜市の図書館2017』 『日本の図書館2017』より作成

プロジェクトの達成目標/創出効果/成果物

プロジェクトの達成目標

①短期目標
 今はまだ自前の車を持っていません。拠点(車・本の置き場所、作業場所)もありません。絵本は、都筑図書館のグループ貸出で借りる本と支援くださる文庫の協力により調達しています。そんな現状ですので短期目標としてはミッションに対して限定的です。
 ないない尽くしの中でとりあえず試行運行を実施していくために必要な資金を集めます。
・明るいオレンジ色のキャンピングカー「つづきブックカフェ号」が街を走ることで、区民や地域活動団体、町内会・自治会など地域の人たちにこの活動を広く知らせるこができます。
・コミュニティカフェや農園作業所など8か所、地域のイベントなどに「交流のひろば」を試行実施します。
・試行実施を経て実施上の課題を発見していきます。
・運行にかかわる経費
車は当面、小田原の川田製作所からお借りします。車の運航にかかわる経費(運搬代、駐車場、ガソリン代、人件費)を集めたいです。
・備品、消耗品
居心地よいブックカフェをつくるため、備品をそろえたいと思います。本箱、幟、テーブル、椅子、テント、パラソルなどを揃えます。

②中期目標
財政基盤を強くし、独自の車の調達、拠点の設置をめざします。
・複数個所で月1回の定期運行を実現します。
・地域で行われるイベントやお声のかかった場所、こちらで行きたい場所などに単発で出張します。
・年単位で活動を検証し改善していきます。また、開設場所は固定化せず、活動の輪を広げていくことを目指します。
・本との出会いから新しい人のつながりが生まれ、地域活動グループとの交流も深まり、街の魅力をふくらませていきます。

③長期目標
財政基盤を確立し持続的運用を図りながら、次のステップを構想していきます。
・本への関心が高まり、本と読書に関わるさまざまなムーブが区内全域にひろがることを目指します。本の力で都筑を人にやさしく、魅力あふれる街にしていきます。
・社会的インフラとしての公共図書館サービスの充実へとつながることを目指します。
・鹿児島・指宿発のムーブが横浜・都筑を経て全国へと展開されることが期待されます。

プロジェクトの創出効果・成果物
①このプロジェクトは公共の図書館サービスが及ばないエリアやコミュニティに本を届け、本の楽しさや力を実感していただく「場」をつくるものです。リターンは「場」が生み出す可能性であると考えています。
②私たちがはじめてチャレンジするこの事業のノウハウを、ホームページ等で公開し、同じような取り組みをしたい人たちに、提供します。

プロジェクト構成メンバー/経歴

・岩室晶子(作編曲家)
まちの楽しいニュースを自ら創る、がモットーで、音楽のようにノリでまちづくりをしています。おもしろいこと楽しいことを多様な世代とできる場所「シェアリーカフェ」を運営する NPO法人I Loveつづき理事長です。そのほか、NPO法人ミニシティ・プラス事務局長 NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボ理事 NPO法人テレワークセンター横浜理事

・小野勝秋(つづき図書館ファン倶楽部、空き家再生プロジェクト)
「本」には人を惹きつける不思議な力があります。 だから「本」を中心に人が集まり、そこから会話が生まれ、新たなことが生まれる。そんな場所を作りたかったんです。 その一つがこのライバス、いろいろな場所で、たくさんの笑顔が生まれる空間に。

・野島弥生(つづきっこ読書応援団)
むかし「書を捨てよ、町へ出よ」という本を読んだ。本は捨てなかったが町へは出た。長い年月本はいつも身近にあり、勇気、元気と笑いをくれた。今私は本を持って、人のいるところへいこうと思う。一緒にページをめくり、絵本の絵解きで茶飲み話はきっと面白い。

・原田さやか(つづき図書館ファン倶楽部)
『本を読もう』その気持ちのプラスαがあったなら。ほっとする場所・物語を分かち合う相手・本達が自分のすぐ近くにくる。それって、なんて素敵。

・藤島一広(会社員/プログラミングスクール運営))
人の集まるところには新しい価値が必ず隠れていると思っています。
本が現れたところに人が集まる。人が集まるところに本が現れる。そして新しいワクワクが生まれる。そんな素敵な場所と時間を共有できたらすばらしい♪

・三田律子(つづきっこ読書応援団/絵本勉強会マドレーヌ)
児童書が大好きです。本は自分で見つけるのも楽しいし、人からすすめられるのも楽しいもの。おしゃべりしながら本を見る!ワクワクしますね。

・若杉隆志(つづき図書館ファン倶楽部)
会計を担当します。みなさまからお寄せいただいたご支援は最大有効に使わせていただきます。

今現在、連携、ご支援・ご協力をいただいている方々(50音順)
(特非)I loveつづき、川田製作所「出張まち工場」、自性院、すぎのもり文庫、チャコ村、都筑図書館、都筑ハーベストの会、ふわり文庫、絵本勉強会マドレーヌ、つづきっこ読書応援団、つづき図書館ファン倶楽部、つどおうJiJiBaBa隊、(株)横浜都市みらい「都筑mottoいきいき元気プロジェクト、(一社)横浜もの・ひと・まちづくり「DEN」、横浜歴史博物館

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