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横浜市花「バラ」を育て、感謝と歓迎の気持ちを伝え合う文化を育みたい〜横浜ローズプロジェクト

「横浜ローズプロジェクト」は、横浜市の市花「バラ」の歴史と伝統を知り、バラを通じて「感謝」や「歓迎」の気持ちを伝え、横浜を「花と”縁”(えん)のつながりのまち」にしていく市民アクションです。誰もが参加できるプロジェクトとして「学びの場」づくりや「人材育成」を柱に展開していきます。

市内NPO法人・企業・教員有志らでつくる「実行委員会設立準備会」が、今回このプロジェクトを進めています。

具体的に今回のクラウドファンディングで取り組む内容としては、
①「はまみらいの苗配布プロジェクト」
横浜市内の小中学校に横浜市が開発したバラ「はまみらい」の苗を配布。子どもたちに「横浜市の花はバラ」であることを伝えながら、バラの育成を軸にして学ぶ取り組みを、市民が応援します。
②「はまみらい折り紙の開発プロジェクト」
バラの香りと色を再現した「はまみらい折り紙」を開発します。さらにその折り紙を使ってバラをつくる「はまみらい折り」を学び、裏にはありがとうのメッセージを贈ることで人々の縁をつむぐムーブメントを広げていきます。
特に、2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックで世界から多くの観光客が横浜を訪れる機会に、「はまみらい折り紙」を気軽に多くの方々に贈り「横浜のオープンさ、優しさ」を広く知ってもらうきっかけにしたいと考えています。
この2つのプロジェクトを軸に、将来的にはバラを育てる市民ガーデナーを育成する学びの場づくりや、バラを使った様々な商品開発、バラに関する体験型のワークショップやツアー等の企画などを企画・運営するなど、市民参加型のコミュニティ活動を広げていく計画です。

<「はまみらい」とは…>

横浜市が2009年の開港150周年を記念して開発した新しい品種のバラ。市民公募によって「はまみらい」と命名されました。市内の公園・小中学校など約2000の苗木が配布されました。明るいサーモンピンクが特徴で、大輪でよい香りがするバラで、5月・10月の年2回、花が咲きます。公益財団法人横浜市緑の協会が運営する「こども植物園」で苗木を購入することができます。

プロジェクトの目的/課題認識

横浜ローズプロジェクトは「つながりが薄れゆく大都市・横浜」の課題を、以下の3つの目標を達成することで解決していきたいと考えています。

①横浜に愛着を持つ「きっかけ」をつくる~小・中学校で子どもたちが「はまみらい」を育てる(教育)

②自分から「ありがとう」「ようこそ」というポジティブメッセージを発信できるオープンな人材の育成~「はまみらい折り紙」を使ったコミュニケーションの啓発(文化)

③バラを学び、育て、使う市民のつながりの場づくり~「バラ」の歴史・栽培方法・価値を学ぶネットワークの構築とサービス/プロダクト開発(関係と経済の活性化)

①横浜に愛着を持つ「きっかけ」をつくる

〜学校で「はまみらい」を育てる(教育)

横浜開港150周年(2009年)の節目に、横浜市は市の花「バラ」の新品種を開発し、市民公募により「はまみらい」と名付けられました。その苗木は、市内の公立学校約500校に配布され、各学校の花壇に植えられました。

当時、横浜市教育文化センターに指導主事として勤務していた尾上伸一さん(現・飯島小学校校長)は、2010年に苗を入手してセンターのベランダで育てていました。「学校の校庭で咲いた花をみて、大輪で香りもよく、気品があるピンク色でとてもいいバラだと思い、鉢植えで育てていました」と振り返る尾上さん。

飯島小学校でも、それまでの教師生活でも「生き物、自然とのふれあう機会をつくる」ことを大切にしてきた尾上さんは今回、横浜市の花「バラ」をめぐるプロジェクトがあることを知った時、すぐに「はまみらい」のことが頭に浮かびました。
学校の花壇に自分が関わって育てている生き物・自然が日々変化していく姿を間近に見ることは「子どもにとって生きていることを実感できる大切な体験です。都市・横浜だからこそ、小さな自然でも大切な学びの機会になります」と尾上さん。
今回のクラウドファンディングに先駆け、一般社団法人横浜すぱいす、飯島小学校チームひまわり、石井造園株式会社の協賛ではまみらいの苗を3月下旬から育て、4月中旬に咲いた花を個別支援級の子どもたちに見せたところ、その香りや色の美しさに対する反応は上々。「絵を描くとともに『お母さんに見せてあげたい』と優しい気持ちを持った子どももいました。この『はまみらい』を使って、授業計画を考えてみたいという先生も多いです」と、可能性に手ごたえを感じている様子です。
2018年度は、45株のはまみらいの苗を18区・20校に配布し、子どもたちが学校の花壇で育て始めています。 今回のクラウドファンディングが成功すれば、来年度に配布できる学校を10校増やし、さらに多く集まればもっと多くの学校に配布でき、児童が横浜市のバラ「はまみらい」を育てる経験ができることになります。

②自分から「ありがとう」「ようこそ」と感謝や歓迎、おもてなしのメッセージを発信できるオープンな人材の育成

〜「はまみらい」メッセージ折り紙を使ったコミュニケーションの啓発(文化)

横浜市の市花「バラ」の花言葉は色によってさまざまだと言われています。どんなバラであっても、「花を贈る」行為は多くの人にとって「愛情や感謝を示す」アクション。気軽に花を贈り合うことができれば、言葉だけでは伝わらない気持ちを表現することができます。

本来は「生花」を贈り合うことができれば望ましいのですが、私たちは「子どもでも気軽に『ありがとう』を伝えられる手段」を考えた時に「折り紙のバラを贈れたらよいのではないか」というアイデアが浮かびました。

このアイデアを思いついたのは、現役の小学校教師である池田孝さん。「感謝や歓迎の気持ちを伝えられるようになってほしい」という子どもたちへの願いを「外国の人たちにも喜ばれる日本の折り紙を使って表現できたら」と思ったそうです。

そして、そのアイディアをどうやって実現するか?について、折り紙の得意な横浜吉田中学校の中山碧君が折り方を開発し、池田さんと試行錯誤して今の「はまみらい折り」が完成しました。この気持ちを汲んで、本業を通じた社会・地域貢献活動を展開する株式会社大川印刷(横浜市戸塚区、大川哲郎社長)は、「はまみらい折り紙」(仮称)を試作しました。表は明るいオレンジがかった赤、裏面にメッセージが書き込めるようになっています。

バラの香りのインキは2010年、大川印刷にてインターン生が「五感に訴える印刷物のプロジェクト」として「はまみらい」の香りを活かしたオリジナルローズインキのアイデアを発案しました。残念ながら商品化までたどりつけませんでしたが、調香師の蓬田勝之先生に「はまみらい」の香りの分析をおこなっていただき、香りの分類が近いダマスククラシックローズの香料を使用したインキを試作した経緯もあることから、クラウドファンディングが達成できれば「はまみらい」の香りをつけた「はまみらい折り紙」を実現させたいと考えています。「はまみらい」の香料の分析依頼・開発はインターン生の想いを受けて、大川印刷が協力してくださっています。

このオリジナル折り紙を使った「はまみらい折り」を、さまざまな人たちと学ぶワークショップの開催を通じて、親子・地域・社内などの市民相互のコミュニケーションを活性化するとともに、国内外から横浜に来る観光客に贈る取り組みを企画し「歓迎の気持ち」を表現するムーブメントを広げていきます。

③バラを学び、育て、使う市民のつながりの場づくり

〜「バラ」の歴史・栽培方法・価値を学ぶネットワークの構築とサービス/プロダクト開発(関係と経済の活性化)

私たちは、これまでの準備作業を通じて、横浜市内にはバラにまつわるさまざまな活動や施設、サービスはプロダクトがあることを知りました。

古くから、市内でバラ栽培指導や文化・歴史との関わりについて啓蒙活動を続けている「横浜ばら会」、1,300品種、1,800本以上のバラが育てられている「横浜イングリッシュガーデン」(横浜市西区)のほか、市内各地の公園などでバラを大切に育てている市民がいます。

また、バラの本場・ブルガリアとの交流を深めている一般社団法人「一般社団法人ブルガリアンローズ文化協会」(山下文江理事長、横浜市都筑区)は、ブルガリアのバラ祭にちなんで6月2日を「ローズの日」として一般社団法人日本記念日協会に申請し、登録されました。

また、横浜に本社を置く大手種苗会社「サカタのタネ」は、2016年、共同事業体メンバーとして山下公園と港の見える丘公園のバラ園のリニューアルを担うなど、「横浜の顔」を美しく形作る大役を担っています。

このほかにも、ローズオイルやバラを使った料理やカクテルなどを開発しているレストランやバーも数多くあります。

ただ、「横浜市花がバラである」ことがあまり知られていないために情報が散逸し、市民に対する訴求力もそれほど高くない状況です。

プロジェクトに賛同し、「バラむす」というアプリを開発してくれた「岩崎学園・情報科学専門学校」(横浜市神奈川区)では、企画に先立ち、 413人の学生を対象に「横浜市の市花がバラであることを知っていますか?」とアンケート調査をしました。75.8%の学生が「知らない」と答え、認知度は低い現状が確認されました。

「横浜ローズプロジェクト」は、今後、バラにゆかりのある様々な方たちとともに、市内のバラゆかりの人や場所について学ぶ場やカリキュラムをつくっていくとともに、将来的にはウェブサイトや「バラのガイドブック」を制作し、横浜市内のバラに関する情報の一元化を図って「市の花・バラ」の認知度向上を図ります。

さらにこうしたバラに関する「地域資源」をつなげ、市民参加のネットワークを育み、このコミュニティから魅力的なサービスやプロダクトを生み出せるような未来を目指します。

プロジェクトの達成目標/創出効果/成果物

【プロジェクトの創出効果】

▽短期(3年)
・横浜市花「バラ」を軸にした市民ネットワークの組成
・学びのプログラムの構築とモデル的実践
・「ローズの日」の周知を目的としたモデル事業の実践
▽中期(7〜8年)
・学びのプログラムの定着と経済活性化への貢献
・子ども・シニア・学生など、多様な市民参加プロジェクトの実践と社会関係資本の増大
▽長期(10年)
・「市花・バラ」を軸にして、地域のつながりを再構築
・文化の定着とネットワークによる経済活性化
・「はまみらい折り紙」、感謝や歓迎を伝えるスキルの定着


【プロジェクトの成果物】

①「はまみらい」育成を通した「学びのプログラム」
②バラをテーマにした新たなプロダクト「バラのありがとうカード」「はまみらい折り紙」
③「はまみらい折り」の折り方(動画によるインストラクション)
④横浜市花「バラ」を軸にした市民ネットワークの組成
⑤多様な市民参加プロジェクトと社会関係資本の増大
⑥コミュニティから創発的に生み出される「バラ」をテーマにした商品・サービス・学びのプログラム



プロジェクト構成メンバー/経歴

一般社団法人横浜すぱいす 代表理事 北村 克久(鎌倉女子大学教育学部 准教授)
「横浜の子どもと大人とまちをつなぐ」という想いの元、横浜市内にある多彩で素敵な人材や企業・団体を繋ぎ、横浜の子どもたちの健全育成に寄与することを理念として、非営利の団体として活動をしています。
y-spice.com/

株式会社Bonheur代表取締役 ナカヤ タエ
Bon heur(ボヌール)はフランス語で幸せ。「幸せを感じられる社会をめざして輝く女性を応援する」ことを理念に設立した女性活躍推進の会社。女性の活躍を多方面から支援し、様々な専門家と連携してあらゆる問題の早期解決をめざす非営利の無料相談展示会(ボヌールフェスタ)を主催。
バラの「ありがとう」や「おもてなし」を通じて人間関係の「つながり」を深めることで、幸せな市民・家族・夫婦を増やすという観点で本プロジェクトに協力。事務局として各分野が連なるプロジェクトをつなげるサポーターとしてお手伝いをし「横浜ローズマガジン」でよびかけを行っている。
la-bonheur.jp/


<応援団>
ローズホテル横浜 代表取締役社長 総支配人 李 宏道様
www.rosehotelyokohama.com/

株式会社太陽住建 会長 河原 英信様
www.taiyojyuken.jp/

NPO法人ぎんがむら 理事長 望月 聖子様
www.gingamura.co.jp/

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