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マスクによる皮膚障害の報告数は2020年度が最多で34件(確認されている件数だけで)

どうもこんにちは。
マスクオタクです。

最近マスクのデメリット絡みの記事を書いているが、そんな中で『実際の健康被害はどんなもんだろう?』という疑問が湧いた。

調べたところ参考になりそうな情報を見つけたので記事にしておく。


◆参考資料

『家庭用品に係る健康被害の年次とりまとめ報告』という資料にマスク着用による皮膚障害の報告件数がまとめられていた。この資料からいくつかデータを引用する。

なお、該当する資料の表紙(スクショ)とリンクは以下。

2020 年度 家庭用品に係る健康被害の年次とりまとめ報告
[2024.05.14 引用]
https://www.mhlw.go.jp/content/11124000/000758402.pdf

2019 年度
https://www.mhlw.go.jp/content/11124000/001023938.pdf

2020 年度
https://www.mhlw.go.jp/content/11124000/000758402.pdf

2021 年度
https://www.mhlw.go.jp/content/11124000/001023951.pdf

2022 年度
https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001181090.pdf

なお、2022年度が現時点で最新。


◆家庭用品による皮膚障害の報告全数

2019-2022年のデータを以下に引用する。
黄色のマーキング(マスク)は私による。

2020 年度 家庭用品に係る健康被害の年次とりまとめ報告
[2024.05.14 引用]
https://www.mhlw.go.jp/content/11124000/000758402.pdf
2022 年度 家庭用品に係る健康被害の年次とりまとめ報告
[2024.05.14 引用]
https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001181090.pdf

◇◇◇

以下、2020年度の一部症例内訳。

2020 年度 家庭用品に係る健康被害の年次とりまとめ報告
[2024.05.14 引用]
https://www.mhlw.go.jp/content/11124000/000758402.pdf

◆所感

マスク着用による様々なデメリットはアンケート結果や論文で見たことがあったが、皮膚障害としてそれなりの件数報告されている。以下のように2020年が突出して多かった。

  • 2019年:0

  • 2020年:34

  • 2021年:5

  • 2022年:0

2020年は粗悪品が大量に使用されていたのでその影響かもしれない。異常を自覚した人は何らかの対処(種類の変更、着けない等)をしたと思われ、その後被害は減少している、というところか。

◇◇◇

注意点だが、このデータは全国合計ではない。

データはSSCI-Net(一般社団法人 皮膚安全性症例情報ネット)から厚生労働省に健康被害事例として報告されたもののみが対象となっているようだ。

年度ごとに報告対象となった施設数は以下のように異なっている。
(なぜか2022年で激減)

  • 2019年:医療施設 194 ヶ所(うち病院 113 ヶ所、一般診療所 81 ヶ所)

  • 2020年:医療施設 197 ヶ所(うち病院 113 ヶ所、一般診療所 84 ヶ所)

  • 2021年:医療施設 204 ヶ所(うち病院 120 ヶ所、一般診療所 84 ヶ所)

  • 2022年:医療施設 88 ヶ所(うち病院 62 ヶ所、一般診療所 26 ヶ所)

医療施設動態調査(令和4年)によると全国の施設数は、一般病院 7,138、一般診療所 104,488 なので、超ざっくり考えると2020年のマスクによる皮膚障害は34件の500倍(17000件)くらいは全国で発生していた可能性がある。病院規模や詳細な統計が不明なので根拠が弱すぎる憶測だが、病院に行かなかった人もいるだろうから実態としては大ハズレでもないかもしれない。正確には不明だ。

医療施設動態調査(令和4年2月末概数)
[2024.05.14 引用]
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/m22/dl/is2202_01.pdf

◆おわりに

マスクによる皮膚障害はアレルギーによるものが多いと推測されているようで、症例として『マスク(不織布製)に一致した境界明瞭な紅斑が生じた』という記載も見られた。

多くの不織布フィルターで原料として使用されているPP(ポリプロピレン)は、食品・薬品容器等に使用されるなど『安全性が高いもの』という認識だ。PPが原因であればマスク以外でわかりやすい反応(化学物質過敏症など)が出ているような気がする。

マスクによる皮膚障害は粗悪なマスクに含まれるTVOCや添加物の可能性が高いと個人的に推測する。その場合、JIS規格適合のマスクに変えたり、開封から時間をおいて使用することで改善するかもしれない。

そこまでして着けるべきなのかというのは、また別の話だが。

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