運命の軌道修正

18歳から作曲を始めて数々のオーディションを受けていた。最終審査まで残っても、所詮音楽で生きていくなんて無理・・・

自分を信じられない、そんなあきらめ根暗女子だった私は
その時音楽を捨てた。安易に・・・
でもないか。自分で学費を払いながらデザインの専門学校を選んだ。
高校の先生の反対を押し切って・・・・
なのに・・・
就職活動すれど、どこにも採用されなかった

でも在学中に学校の先生から言われた言葉がある
イヤホンで自分の作ったオリジナル曲を聞いてた私に
「ちょっと聞かせて」といってきたデザイナーの先生
その曲を聞いて先生は言った
「あなた!!今すぐ学校辞めなさい!!
あなた作曲家になりなさい!」

「私すごく悔しいの!あなたの曲聞いたら
絶対に私が何年作曲の勉強しても
あなたの曲は絶対に作れないと思う!
あなたいますぐ学校辞めて作曲家になりなさい!」

そんな無茶苦茶な・・・ムリムリと思ってた

どこにも就職できない
根暗女子は家に引きこもる。
毎日ベッドで眠る

そんな私を心配した母に、もう一回卒業したデザインの学校に
どこか就職先はないか聞いてみなさいと言われ渋々でかけた。
「またなにかあれば連絡します」
お決まりの返事だったけどとても熱心な事務局の人だった。

数日後電話が来た。
一つ募集が来たから行ってみたらどうかと。
内容を見たら
「新日本企画 ゲーム機企画販売」と書かれてた。
その頃

ゲーム会社なんてあると知ってる人はいない時代。

まったくイメージできず、パチンコか賭博機かなにか?
ちょっと怖い・・・

どうしよう・・と迷う私に母は
「とにかく玄関まで行っておかしいと思ったら帰っておいで」と・・・
足取り重く、デザインの作品を持って面接に行った。

まだできたばっかりの自社ビル。
ショールームでは数人がゲームをしていた

「マッピー」と「ドンキーコング」

画像1

画像2

まあ、その頃、それがなんのゲームかも知らなかったけど

ここなら大丈夫と受付に行った。
「今日面接です」と。
通された3階の部屋はパーテーションも仕切りもない広いワンフロア
真新しいビルの匂いがした
その奥の窓際に4つほどの机が向かい合わせで並んでた。
その他は何もなく、ガラーンとした部屋の真ん中で面接が始まった

普段着の若い男の人が二人で面接。
作品を見て「コンプレッサーが使えるならOKやね」そういった。
そして履歴書に目を通し
趣味「作曲」と書いてるのに気がついた
「あれ作曲できるの??」面接官の目が輝いた。

「そしたらゲーム音楽作ってよ!
いま作れる人いないから!!」

そして「SNK」入社。
次の日から私は、ゲーム背景・キャラクター
そしてゲーム音楽を作ることとなる。
小さな小さなポータブルキーボード
右側からレシートのような譜面が出てくるやつ

引き戻された、捨てた音楽に・・・
運命の軌道修正

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