移動平均乖離率と移動平均線
移動平均線はその期間で買っている投資家の損益分岐点という考え方に基づくならば、移動平均乖離率は含み損益%を表すのではないかと考えられる
この考え方ならば、損切りされる玉を買うという買い方を考察する際に、その精度を上げる指標の1つとして採用できる
システムトレードの戦略において、移動平均乖離率は非常によく使われる指標だが、その根拠は明確でない場合が多い
システムトレードにおいて、論理がなく数字をいじくり回して期待値の調整をする行為は、必ず過剰最適化に結びつく
システムを考察する際は必ず用いる指標についても、正確な理解、自分なりの解釈など論理的に説明できなければならない
移動平均線は単純、加重、指数平滑と主に3種類に分けられる
最も一般的で、システムトレードにおいても採用されやすいのは単純移動平均線であるが、単純移動平均線は特に短期戦略を考察する際には相応しくない
単純移動平均線は、その数式から期間中のどの時点の株価も同じ重さで考慮している
これはつまり200日単純移動平均線であれば、200日前と1日前につけた株価を現在の値動きに対して、同等の影響を与えていると考えていることになる
また期間外、例えば201日前になった時点で現在への影響が途端に0になるという理論である
はたしてこれは正しいのか
対しては加重移動平均線は、現在により近いものを重視する数式である
前述の単純移動平均線よりは良いが、期間外になった途端に影響を0とする点は改善できていない
そこで私は指数平滑移動平均線を好んで用いている
指数平滑移動平均線は、上記2点の問題を克服した指標である
つまり現在に近いものをより重視し、期間外の株価の影響も数式の中に常に含まれる形になっている
特に短期においては、単純移動平均線は現在に近いものと遠いものの影響を等価で見ている点において適切ではないと考えられる
短期的な値動きを分析するならば、より現在に近い商いを重視すべきで、数十~百日前の値動きと前日の値動きが現在に与える影響が同等なはずがないのである
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