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九州の乗ったことがない路線 くま川鉄道湯前線

くま川鉄道湯前線は熊本県南部 人吉地方の中心の人吉駅から湯前町の湯前駅を結ぶ24.8kmの第三セクターの路線。何度この話をしたか、例にもれず国鉄の廃止対象の赤字路線を沿線自治体の出資する第三セクター化。1989年平成元年にJR九州からくま川鉄道株式会社に移管された。

1924年開業の湯前線。開業100年。
湯前駅
あさぎり駅。車両基地も併設。
おかどめ幸福駅は日本で幸福とつく唯一の現役駅。近くの岡留熊野座神社から。
人吉盆地の田園風景
湯前駅

1909年に今の肥薩線に当たる路線が八代駅から人吉駅経由で吉松駅、鹿児島方面まで開業。人吉駅から分岐する湯前線として1924年に開業している。その後は湯前駅から宮崎県の西都方面へ延伸する構想もありながら、実現するはずもなく、主要都市から離れた盲腸線の道は険しく、結局国鉄末期に廃止対象となり上述の通り。

人吉市を中心に球磨郡の鏡町、あさぎり町、多良木町、湯前町などを結んでいて、あさぎり町の中心駅のあさぎり駅に本社と車庫が置かれている。沿線は高校がいくつかあり、おそらく利用者のほとんどが通学の高校生。この日は観光客のみでした。とはいえ平日は朝夕のみ1日6本(湯前駅発が7時台の次が16時台というすさまじさ)、休日の方が若干多く昼間も設定があり8本程度とかなり使いやすくなる?

現在の始終着駅、肥後西村駅。

2024年1月現在、2020年の豪雨災害により人吉駅、相良藩願成寺駅、川村駅、肥後西村駅の4駅区間で鉄道が不通となっていて、バス代行が行われている。代行バスも日曜・休日は運休。しかしいいニュースもあって、早々に鉄道での復旧が決定しており、再開は2025年目標で費用は100%公的資金で賄われる。ちなみに下流にあたるJR肥薩線の被害範囲は甚大で復旧見通しは立たず、鉄道で復旧するかすらまだ決められていない。閑散区間のため罹災していない人吉駅~吉松駅の区間も運休していて、代行バスもなく、人吉への公共交通機関のアクセスは高速バスのみ。九州自動車道の人吉ICを通る熊本~鹿児島・宮崎方面の路線が停車するようになっている。そのためくま川鉄道の代行バスも本来は駅がない人吉ICを経由するようになっている。

川村駅の2024年1月1日の姿。被害の大きさを初めて目の当たりにしました。
線路が埋まり電柱などもなぎ倒されている。
高台にあった相良藩願成寺駅は被害はない。
人吉駅も被害は受けていないものの、JR線も一切こない完全に孤立している。
くま川鉄道のホーム。
人吉ICすぐ横のファミリーマート前が代行バスのバス停に。
人吉ICバス停。送迎の車が結構出入りしていて、今の人吉市における玄関となっている。
人吉駅と相良藩願成寺駅の間。右がくま川鉄道、左が肥薩線。
肥後西村駅の手前。現状鉄道はこの踏切を越えない。
復旧に向け頑張ってもらいたい

車両はKT500系をベースにしたデザイン列車の田園シンフォニー。定番の水戸岡デザイン。

KT500系
子供用展望席がある。水戸岡らしい。
水戸岡って感じの内装
ハートのつり革も。ちなみにつり革オーナーにもなれて募集にあわせて1年1万円で宣伝などが付けられる。

ちなみに鉄道のみ区間は片道530円、1日乗車券だと900円なので単純往復でも元が取れますね。

実はこの日は1月1日。張り切って山道を越えて人吉まで行きましたが、代行バスも運休ということで全線完乗はならず・・・。代わりにカブで運休区間の各駅と人吉ICを回ってきました。肥薩線復旧の折にまた来ます。

ちなみにカブパートで詳しく話しますが、八代と人吉を結ぶ球磨川沿いの国道219号は一般車通行止め。熊本方面との行き来では九州自動車道が無料開放されているほか、五木村を経由する国道445号か、球泉洞付近から大野大橋を渡り県道27号で芦北方面へ迂回するしかない。いずれもかなりの山道ながら道路状態は悪くなかった。

これが第二球磨川橋梁。見ての通り鉄橋部分が流出している。

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