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【ネタバレ有】物議を醸している駿作品、これは考察する映画ではないかもって思った話【 君たちはどう生きるか 】

ミナサマ、ハロー
ジブリで育ったkunikoです

かなり間が空いてしまいましたが、戻ってまいりました。
お久しぶりでございます。

ある記事をコツコツ書いていたのですが、なかなかまとまらなかったので、一旦封印した状態で戻ってきました。その記事は追々…

そんなわけで、今回は君たちはどう生きるかのことについて書いていこうかなと思います。

広告もなし、作品のビジュアルは謎の鳥のみ、見た人の口コミは賛否両論で、今までの駿作品とはちょっと違うものになっていると、SNSや噂で回ってきました。

なかなかな言われ方しているな、いつもの駿じゃなさそうだ

内容に触れるネタバレは踏まずに鑑賞成功、本当に予備知識なしで行ってきました。

率直な感想として、おそらくこの作品は安易に感想を述べていい作品ではないなぁと思ったのが1番の感想です。

疑問点や辻褄が合わない部分を挙げ連ねることは容易にできちゃう作品ではあるんですが、考察すること自体が野暮かなーって思っちゃったんですよね。

考察と言っても、どう言った考えで描いたのかの予想はしていいと思うんだけど、揚げ足取っていいような作品ではないなって意味でそう記述してます。

パンフレットも購入したんですけど、内容が全く分厚くなくて、作品に関する情報はほぼゼロ。今回は視聴者側にめちゃくちゃ判断委ねてくるやんか、、

その中でもうっすらとした概要は記載されていて、駿の自伝的ファンタジー映画と書かれていました。

作品を見ていて、辻褄が色々合わないなぁと思いながらもスルスル観れたのが結構驚きでして。このワードを見た時に、だからか!と納得したんですよね。

自分の中の記憶を頼りに作っていたら、そりゃこういった内容にもなるかと思って。夢見心地で見るような作品だなぁと腑に落ちました。

岡田斗司夫先生のYouTubeもチラッと見てきましたが、アート作品のような映画だと言われていて、それも言っている意味がわかるというか。

結構形容し難いし、おそらく正解もないんだと思う。

それでもやっぱり自分の中でよかったなーとか、ちょっと気になるなっていうところは調べてまとめておこうと思い、筆をとっている次第です。

それではレッツゴー!

01. お父さんやばい

これ私的にはすごいやだなぁってなったんだけど、同じ家の姉妹に手を出すってあるのか…?昔は普通だったんかな。

時期的に、お母さんが亡くなってからちょっとで手を出したことにもなるかなって、お腹も大きくなってたし。

単純に自分が眞人だったら、結構嫌だし弟のネタバレシーンも驚いたな。

02. 7人のばあば、それと若いキリコさん

白雪姫の小人っぽいなぁと思って見ていたんだけど、どこからこの人たちやってきたんだろうね。

下の世界で、キリコの部屋にあったおまじないの人形としてばあばたちいたけども。人間だと思っていたけど、みんな人間じゃないのかな。眞人の事守ってるって言ってたけど。

でも、話を聞いているとばあば達は塔が建ったその前からいたっぽいしなぁ。

キリコさんは、異世界での記憶しかなくてこの場所で育ったって言ってたから、もしかすると突然現れたヒミと出会い、世界の崩壊と共にヒミ=久子の世界に戻ったのかもしれないね。

余談だけど、夏子さんももしかすると小さい頃にこの世界に迷い込んでたんじゃないかな。キリコさんと顔見知りだったしね。

キリコさんも眞人と同じ傷があるということにちょっとした違和感もあるけど、眞人もキリコさんも傷が癒えたってことは、何かを乗り越えた状態で今回の世界線に戻れたのかな。

とにかくキリコカッコ良すぎてさ、もう私は心を奪われたよね。

今まで出てきたどんなキャラクターよりもカッコよくて沸いた。
今までの女性キャラの中でも上位で好きかも。

03. 生と死の世界

下の世界=生と死の世界

アンダーグラウンドって感じで描かれているよね、死んでいる人が多くて、生まれようとする生命が捕食者によって搾取されているし。

死んでいる人は殺生できないから、キリコさんは仕事としてお魚を解体していたり。生物を扱うのは生きている人しかできないからなのかな。

単純に幽霊は生命に干渉できないっていうのは、今まで考えたことなかったけど確かにって思った。ホラー映画だとまた描かれ方は変わってくるけど。

他の人の考察も読んでみたけど、下の世界を今のアニメ業界と捉えている人がいて、それはすごい自分の中で腑に落ちた解釈でしたね。

「我を学ぶものは死す」っていうワードも、なかなかいい捉え方をしていたというか。

この記事がお気に入りです。

04. インコ怖い

これは単純な感想なんだけど、あいつら怖すぎんか。
囲まれたら発狂しちゃうんだけど。

大叔父様が連れてきたのが増えたって言ってたけど、勝手に数が増えて人間(生きている人)を食べてしまったのかな。食べるのは禁忌じゃないのかな。

一応インコは人を殺生しても問題ないことにちょっとした違和感。一応外の世界からきた生物だから、殺生はOKってことなのかな。

インコ達が住んでいる世界のキッチンを見ていて思ったけど、肉は貴重であり、魚が少ないから人間を食べるしかない?のかな?
ペリカンがワラワラを食べるしかできないように。

生と死の世界では、鳥がメインだったけど、こうのとりが子供を運ぶという発想からの話なのかな。それとも、昔の大金持ちって大陸を渡った生き物を飼育することが多いような印象だから、そういった流れからなのかな。

青鷺以外は日本の鳥ではない、勝手に増えてしまったというか、野にはなってしまったというか。

インコっていう生き物を選んだ意味が、気になったなぁ。※解決はしない

05. 眞人の香り

生きているから、死の匂いがするみたいなことキリコさんに言われていたよね。生きている人間として、眞人自身の可能性が失われていないってこと案に示唆してるのかなとも感じた。

死んでしまっている人は、もう可能性がないというか。復活はできないから。
異世界の人って特有の香りがある設定よくあるけど、それがインコにとって魅力的な香りなのかもしれないね。

06. 眞人の礼儀正しさと人間らしさ

久子さんの病院が燃えた時も、夏子さんが失踪した時も、建物の2階から風景を眺め、そのあと窓閉めてから向かうんだよね。

育ちの良さがみてとれる描写だよね。

タバコを餌に人を動かす狡賢さも兼ね備えているんだけど、所作にそういった育ちの良さが出ていて、描写が丁寧だなと。

久子さんから眞人に送られた「君たちはどう生きるか」の本。
きっとあの本を読んでから夏子さんを探しに行ったから、新しいお母さんだと認識できたとは思うんだけど、子供の理解の唐突さが窺えるよね。

ストンと落ちる瞬間は、突然なんだよね。

07. 眞人が呼び寄せられた意味

夢のような、現実のような
そんな世界でアオサギが塔へと誘っていましたよね。

生と死の世界の均衡が崩れかけていたから、世界が混ざってしまっていたのかな。

連動するはずのない世界が連動し、混ざり合ってしまった世界をどうにかするため、大叔父様がアオサギに頼んで眞人にちょっかいかけてたと認識しました。

08. 風切りの7番

出典:Twitter

これって一体全体なんなんだろうって思ってたんだけど、本当にあるんだね。この画像がわかりやすかったので引用させてもらいました。

実際にこの羽を少し切るだけでも、鳥の飛躍力が激減してしまうほど大切な羽みたいです。鳥を飼育されてる方はよくご存知な羽みたい。

だから、作中でアオサギに向かって推進力が失われることなく追撃したことも頷けました。

ただ、抜けてしまったら飛べなくないかとも思ったのは内緒

09. 夢の中のルールみたいな設定

・うぶ小屋には入ってはいけないし、子供がいる人は食べてはいけない
・建物の中では力が弱まる
・石に感情がある
・ワラワラは、ハラワタを食べて子供になる

とかね、いろんな設定あったけど「そっか」ってなるから面白かったな笑
やっぱ夢の中って感じの作品だったなぁ。

ウブ小屋に関しては、日本書紀にも書いてある風習で、神聖な場所に男性が入って汚さないようにという考えから、江戸時代では生理中や妊娠中の女性を汚れとして扱う場とし使われていたみたい。

今回、眞人は自傷行為をして、大叔父様にはそれを汚れとして伝えていましたよね。

・怪我したから汚れなのか
・男の子だから汚れなのか

果たしてどっちなんだろうね。

この記事よかったです。

10. 夏子さんが生と死の世界に行った意味

眞人がキリコに対して「( 夏子さんは )来たくて来たんじゃないと思う」ていうセリフが印象的でした。

確かに行きたくて行ってないだろうけど、どうしてあの世界に行ったのかなぁと思っていて。

私はどう足掻いても、あの世界に眞人が引っ張られてしまうことを理解した夏子さんが、自分のお腹の子供を生贄=次の創造主として捧げるためだったんじゃないかなぁと思ったんだよね。

責任を感じて行くにしては夏子さんそこまで弱ってなかった気がするし、もっと強い覚悟のもと向かっていた気がする。

ただ、つわり中の女性がどれだけ辛いか私がまだ理解しきれないからそうじゃないかもしれないけど。

単純に怖いけどね、姉の忘れ形見を守るために自分の子供を生贄にするっていうのは。でも、自分だったらそうするかもなとも思えた。

それと、あの産屋の中では結構夏子さん正直だったと思うんだよな。
あなたなんか嫌いと言った後に、眞人さんは逃げてって言ってた感じもリアルというか。

その後の体の動かし方とかも、体に正直に動いている感じ。初めて会った時よりも人間らしい夏子さんを見て、眞人も本を読んだ内容と照らし合わせてお母さんと呼べたのかなぁと思った。腹の底が知れたからっていう意味で。

結局原作読めてないので、今読んでいる本が落ち着いたら購入してみようかな。

11. 終わりに

思ったこと書いて、スッキリした。笑

これって見た人の数だけ解釈が広がる作品だったと思うから、どれも正解だしどれも不正解だと思うんだけど、すごい楽しい作品だったなぁ。

一応見てから半月ぐらいゆっくりかけて文章書いてたけど、またこの内容を持って劇場に足を運んでもいいかもなぁと思うぐらいよかった。

米津玄師も好きだし、今回の地球儀の初回限定版買っちゃったよね。
写真集も、鈴木敏夫と米津のインタビュー記事もよかった。

余談だけど、この2人は出会うべくして出会ったと思うしな。

引用

流石に駿も80代だから、今回が最後の作品かも知れないけど。監督名のところ、新しい名前の表記になってたんだよ。

宮崎駿 →  宮﨑駿

だから、もしかすると次の作品を既に描いてるんじゃないかな。
最後の最後まで楽しみにしています。

また物議を醸す作品になるかも知れないけど、それはそれで楽しみですので。

それではまたノシ


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