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最年少市長はある朝、犯罪者にされた。 嘘を指示する日本の不都合な本当の話。

2013年、全国最年少市長として話題になり、その1年後、突然逮捕された 藤井 浩人 くんの著書が、昨年末発売開始されました。私と同じく岐阜県出身で、彼は美濃加茂市の市長でした。

簡単に言うと「詐欺師にみんなではめられた」ということのようですが、日本の司法は正義の味方であると信じたい私としては、なぜ一審の無罪判決後に、検察による控訴で、本人の言葉での説明をする機会を一度も与えずに有罪判決をが出たのか、意味が分からないままでした。

昨日一気に読みながら、事件の詳細は理解が深まりました。いや、司法も警察も絶対に正しい、とは限らないということがよくわかりました。

私は地方の田舎で生まれ育ったので、小さなまちでリスクをとって出馬して、鳴り物入りで市長になり、そして犯罪者にされるなんて、ご本人のみならず、そのご家族をはじめ関係してきた人たちがその土地に住み続けるのさえかなり厳しかったはずだということが、想像できすぎて背筋が凍ります。自分のせいで大切な人に迷惑をかけてしまう、という状況は、心身ともに折れてしまってもおかしくない中、よく今もなお前を向き続けているなあと思うと、尊敬しかありません。

しかし最後までわからなかったことは、藤井くん、誰のなんの恨みを買ったんだろう、なんの権力に嫌われたんだろう‥ということ。
ご本人の言葉ではその理由がみつかりませんでした。しかし巻末解説をお書きになっている元週刊朝日編集長の山口一臣さんの説明が腑に落ちすぎて、そこでまた脱力。。。。本当にくだらない、組織の構造と人の欲望が、稀有で貴重な人物の才能と時間をこうも無駄にもてあそぶことになるとは・・。

怒りとともに、私たちの近くでも小さくも似たようなことが起きていることなのかもしれないと感じました。

たくさんの人に読んでほしい本です。そして藤井くんがこのこの1月、様々な想いを背負って、美濃加茂市長選に再出馬を決めたようです。
この本の続編は、人生をもって更新し続けていくそう。ここから
どんな物語がはじまるか、それも楽しみでもあります。


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