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京都のパン屋さん 天狗堂海野製パン所
京都はパンの消費量が全国でも一二を争うレベルで、毎年神戸と一二を争っているらしいのですけど、故に京都にはパン屋さんが多く、そのいずれもが美味しいため、他店に負けてなるものか、と各店がしのぎを削り、結果、パンのレベルがとても高くなっています。レベルが高いため、リピーターが増え、結果、消費量が高水準でキープされるというわけです。
そんなハイレベルな名店の乱立する京都市内で1922年の創業以来、実に100年以上営業しているお店が御前三条東南角にある天狗堂海野製パン所です。白地に赤い字でTENGUDOと書かれた庇屋根の下、陳列棚には惣菜パン、菓子パン、食パン、いろんなパンが並んでおり、その全てに「年季」が感じられます。もちろん腐っているという意味ではない。昔ながらの気取ってない等身大のパン、ラーメンの世界に例えるなら「中華そば」って感じのあれです。食べ物を食べ物で例えるとわかりにくいですね、ごめんなさい。
パン屋さんで私が買うのはやはり「食パン」。天狗堂の食パンは「天狗堂スタンダード食パン」がその名も「スペシャル食パン」。スタンダードがスペシャルなんだぜ。竹内まりやが「毎日がスペシャル」と歌うよりもずっと前からそうなんだぜ。
赤いエプロンのお姉様に食パンが欲しいことを告げる。食パンは1本840円、1斤280円(税込)、1斤単位で好きな厚さに切ってくださる。「6枚切りでお願いします」と伝えると、「端の耳の部分はどうしますか?除けときますか?同じ厚さで切りますか?それともそこだけ薄く切りますか?」「じゃあそこだけ薄くお願いします」「かしこまりました」っていうか、「除ける」選ぶ人いるん?気まぐれに選んだら竜王の配下になった時みたいにゲームオーバーにならへん?
100年以上長く愛され続けているのは、「名は体を表していない」から。全然天狗じゃありません。天狗堂海野製パン所。
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