「熱狂できる仕事」という幻想
去年の11月の中旬に引退してから転職活動を始めるまで、どうしようもない虚無感に襲われて何もできなかった時間がありました。
22年間ほぼ毎日のようにボールに触っていた日常は唐突になくなり、何をしたらいいのかわからない。
早く何か始めるべきなんだけど気持ちが追いつかなくて、一日中部屋の天井を眺めて終わる。
そんな日々がしばらく続いて、現状を変えなきゃいけないのに何もしてない自分が心底嫌いになっていました。
サッカーを引退したからには、サッカーと同じくらい熱狂できる仕事がしたい。
心から仕事を楽しいと思いたい。
そんなことを考えながら転職サイトを眺めていても、掲載されている仕事がサッカーよりも面白そうには見えなくて。
しかしそんな日常を変えるために、
サッカーの面白さとは。そして自分が仕事に求める面白さとは。
みたいなことを改めて考えると、
行動できない原因は自分の考え方に問題があるだけだという簡単な事実に気づき、
少し視界が開けて進路に対して前向きに活動できるようになりました。
なので今回は、
行動できない原因だった2つのマインドブロックについて書いていきます。
熱狂できる仕事はすぐに手に入らない
サッカーに熱狂していた瞬間とはどんな瞬間だったでしょうか?
僕がパッと思いつくのは、試合に勝ったとき。
もっと言うと、接戦になっている後半アディショナルタイムでゴール決めたときとか、リーグの優勝がかかった試合で勝ち切れたときかなと思います。
至極当然だけど、このような瞬間は日々の積み重ねの先にあって、一朝一夕で手に入るような代物じゃありません。
(というか、すぐ手に入るんだったらそもそも熱狂してない)
普段の食事や睡眠にこだわる。
シュートにこだわって毎日練習に取り組む。
自主練で対人やりまくる。
その結果、
より良いコンディションで試合に臨める。
試合でゴールを奪える。
大事な局面で勝ち切れる。
だからこそ熱狂する瞬間が待っている。
このように日々の小さな積み重ねがサッカーの爆発的な熱狂を生み出していたわけで、これはおそらく仕事にも置き換えられるのではないかと思います。
だとすると、今までサッカーボールばっか蹴ってた人間が転職して仕事をするのであれば、最初は積み重ねる時間が必要で、最初から仕事に熱狂できるなんてことは、おそらく幻想に過ぎません。
要するに、
「簡単にできる楽しい仕事なんかない」ってことですね。
サッカーと仕事の物差しは同じじゃない
おそらくサッカーと仕事の共通点を探そうと思ったらたくさん出てきます。
対人コミュニケーションや組織への貢献、PDCAを回す力など。
組織で活動するという大枠は変わらないので、サッカーで培った力を仕事で活かすシーンはたくさんありそうです。
でもサッカーの面白さが仕事にも全く同じものあるかと言われれば、やっぱりそうではありません。
負けられない大事な試合でいつもとは違う雰囲気を醸し出すピッチ
ゴールを決めたとき思わず吠えてしまうくらいの感情の爆発
チームメイトと普段からバチバチにやりあう練習
やっぱりサッカーにしかない熱狂はたくさんあります。
でもそれは逆も然りで、
目指したい世界を見つけて起業する
数字にこだわって会社に貢献する
コンテンツを通して世の中にメッセージを届ける
みたいに、おそらく仕事にしかない熱狂もたくさんあります。
実際に「仕事っておもろいよ」って言いながら働いてる人は意外といるので。
つまり何が言いたいかというと、
おそらくサッカーにはサッカーにしかない面白さがあって、仕事には仕事にしかない面白さがあるんです。
なので仕事に探す前段階では、面白そうに仕事してる人の話を聞いて、
「仕事はそういう瞬間が面白いのか、ふーん。」くらいの感覚を持つ程度で十分かなと思います。
自分も頑張ればこの人みたいに仕事楽しめそうっていうイメージが持てるだけでも心はだいぶ楽です。
サッカーを引退したからには、サッカーと同じくらい熱狂できる仕事がしたい。
こう考えることは決して悪いことではない。
でもそのような仕事は、転職後すぐには見つからず、また同じ類の面白さでもない。
この2つの気づきが、だいぶ心を軽くしてくれました。
おそらく向こう2年くらいは、熱狂できる仕事を見つけるための苦労がたくさん待っているんだと思います。
少し長くも感じるけど、その苦労は22年間スポーツを続けてしまった代償であり、また今後の人生を最大限楽しむための準備期間です。
現実を受け入れつつ、前向きに頑張ります。
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