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素行に配慮する

素行とは、平素の行いを意味します。
祖母はよく言ったものでした。
「ふだんの行いにこそ心根があらわれるものだよ」
心根とは心の奥底、その人の真の心です。
心をシャンとさせるには
背筋をシャンと伸ばせばよいのと同じで、
よい心根は、よい行いを習慣づけることによって
はぐくまれます。
大切なのは、「人にどう見られるか」ではなく
「自分がどうあるべきか」を基準にすることです。
人にどう見られるかということに基準を置くと、
人が見ていないところでの素行に配慮するのが
難しくなるからです。
『論語』に
「古えの学者は己の為にし、今の学者は人の為にす」
という言葉があります。
「昔の人は自分の収容のために学んだが、
このごろの人は人に知られたいために学んでいる」
という意味です。
素行のたしなみも自分自身の修養として
身につけてこそ、
何気ない瞬間に人となりとなって
あらわれるのです。

『女子の教養』より

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